東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

作品展9日目(残り2日)

2019-05-05 06:08:27 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

昨日5月4日(土)は作品展初日から数えて9日目。この間、初日夜の「ギャラリートーク」や2日目、東京民藝協会の例会として広島県民藝協会の千葉孝嗣さんによる「宮島の鹿猿」についての発表、日々訪れてくださったお客様や追加として初日オープニング以降、初日に間に合わなかった素焼きまでして準備していた人形たちを自宅で仕上げ、ほぼ毎日のように駒場東大前のべにや民藝店さんへお届けして、できた隙間に補充していました。

 上の画像の「都鳥のがらがら」ですが、初日前に「ひょうたん」を描いたものを新しく加え、数も多く並べていたのですが、初日、2日目にはほぼ売り切れ、家にあった素焼きの残りを急いで仕上げて、追加しましたが、追加後2日間のうちに完売しました。(うれしい驚きとともに、もっとたくさん焼いておけばよかった、、という気持ちです。)

「竹に雀」(たけす)の土笛は三日目に仕上げて搬入したもの。この雀の笛は都内の近世遺跡から出土することが多く、人気があったものだったであろう型ですが、低温の有鉛透明釉薬によって楽焼仕上げ、いわば「舐め人形式」(泥絵の具による彩色だと幼児が口にしゃぶると色落ちするので、楽焼仕上げにすることで、色落ちなく舐めても大丈夫という発想で登場したもの、しかし、実際には有鉛の釉薬自体が有毒であることがわかり、明治に使用を禁止されたというものでした。当初。無鉛の透明釉薬を使って往時のような「舐め人形式」の仕上げを目指していましたが、まだ焼成についての実験中なので、今回は泥絵の具と植物の煮出し汁で彩色して出展しています。初日には間に合わなかったもので早くご紹介しようと思っていたのが、日々の家での追加のための作業を優先したため、画像のご紹介が遅くなってしまいました。

きはだ(漢方薬の黄柏)と蘇芳(すおう)の植物煮出し汁を基調として、群青色が使われはじめる天保以前の彩色パターンを目指した裃雛の対。これはひと組しか出展しなかったもので、翌日お求めいただいたそうです。

 「みみずく」は初日夜には一個を残してほとんど売れてしまったので、家に残っていた素焼きに急遽彩色して追加したのが画像のものたち。初日に並べていたものとは若干の変更があります。耳のところに青口の金色を指していたのを銀色に変えてみました。また、胸の部分に黄色と黄土色を混ぜて塗り、上から墨で、毛並みのように描いていた一回目に対して、二回目は黄色部分をきはだ(黄柏)の煮出し汁の重ね塗りにして微妙に透明感や金色のような質感が出たので、墨での描線は省略するという試行としてやってみましたがどうでしょうか。ご意見をいただければうれしいです。「みみずく」については近年複数の張り子の作家さんによって「宝珠」や「壽の文字」、「吉祥文様づくし」などをえがかれたものを観ていて、近世遺跡から出土した色のとれた遺物の形状を参考にモデリングした土製の「みみずく」に張り子製とにたような吉祥の彩色をしてもつまらないので敢えてこういう感じにしてみたつもりです。眼の色は藍色に胡粉を混ぜた「沈んだ水色」や「金色」という選択肢もありますが、最近NHKの「チコちゃんに叱られる」で「あかんべーは赤目で魔除け」のような内容の話を聞いた記憶があり、目が赤いことで魔除けの意味合いが強調されるとともに凄みもあると思って朱色にしています。

これらの画像の他、尾張屋春吉翁の作をお手本にした「大黒天ねずみ」を把握している3とおりの配色で塗ったものを追加してあります。

残り今日(5月5日)と明日の会期ですが、もし初日には並んでいなかった追加の人形も並べていますのでお時間あったらお出かけください。昨日は午後一時過ぎから閉店まで会場におりました。今日(5月5日)も一時過ぎから数時間会場に詰める予定です。ご質問等ありましたらお聞かせいただけるとうれしいです。これまでの会期内に都合三回もを足を運んでお求めくださったお客さまもあり、わざわざお越しくださるお客様にはとてもありがたく感謝しています。


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