東京国立博物館で開催中の”対決 巨匠たちの日本美術”
日本の巨匠といわれる12組24人の芸術家達を
テーマごとに対決風に作品が展示されています
簡単に言えば非常に有名な作家の作品が
一堂に会している 非常にお得な特別展示です
今回は世界的にも有名な日本東洋美術研究誌で
今年で創刊120周年を記念され開催されています
創刊した岡倉天心の「美術は國の精華なり」の言葉を
体感できる素晴らしい展示でないかと 期待していました
簡単ではありますが 12の対決を私的に判定します
①”運慶vs快慶” ”人にかたどる仏の性”
地蔵菩薩1体づつの展示で判断できず”引き分け”
運慶仏が見れたのは貴重
②”雪舟vs雪村” ”画趣に秘める禅境”
室町時代に活躍した禅僧の作家対決
実際に2人は時代的にもかかわりがないらしい
作品は水墨画を代表とし素晴らしく”引き分け”
③”永徳vs等伯” ”墨と彩の気韻生動”
安土桃山時代当時実際日本を代表する画家であった
狩野永徳と長谷川等伯 豪勢な永徳と質素な等伯
等伯の世界観は好きです ただ永徳も初展示品が
出展されており 今回は”引き分け”
④”長次郎vs光悦” ”楽碗に競う わび数寄の美”
茶道が千利休によって大成した 安土桃山期と
江戸初期に活躍した 楽碗の大家二人
茶碗の世界は奥が深すぎで 判断できず”引き分け”
本阿弥光悦は茶碗以外の芸術品も多数のスーパーマン
⑤”宗達vs光琳” ”画想無碍・画才無尽”
俵屋宗達と尾形光琳 光琳は宗達を尊敬し彼の絵を
発展させた。結果宗達の絵をさらに洗練したのが
光琳の絵である その功績大きく”引き分け”
*8月11日~17日に両者の風神雷神図屏風が
並んで展示されます これは本当に見る価値大有り
⑥”応挙vs芦雪” ”写生の静・奇想の動”
江戸時代に日本の画風を変えた師弟二人
現実を写実的に描いた 円山応挙
仮想現実を写実的に描いた 長澤芦雪
ともに虎の絵 情景画 甲乙つけがたく”引き分け”
⑦”仁清vs乾山” ”彩雅陶から書画陶へ”
ともに江戸初期に京都に窯を持ち活躍した陶匠
きらびやかな野々村仁清の陶器に対して、
白地に水墨画配したを尾形乾山(光琳の弟)
いかに彼らのレプリカ品が多かが解りました
ここも”引き分け”
⑧”円空vs木喰” ”仏縁世に満ちみつ”
オーソドックスに落ち着いた江戸仏教文化の中で
独特な世界観で仏を彫った円空と木喰
今展示唯一国宝・重文展示のない対決ですが
荒々しい円空と柔らかな木喰”引き分け”かな
今後江戸仏教美術に代表になる可能性はあるのかな?
⑨”若冲vs蕭白” ”画人・画狂・画仙・画魔”
今回一番自分が見たかったのがこの対決
伊藤若冲といえば鶏 それも生きているような目
曽我蕭白も夜に見ると怖い 仙人の絵
一番ゾクッと来た展示です ”引き分け”
⑩”大雅vs蕪村” ”詩は画の心・画は句の姿”
江戸時代に中国文人画で活躍した二人
与謝蕪村と池大雅は実際あるところから
十便帖・十宜帖を競作させられた事実もある
風景画・日常画多く親しみがある”引き分け”
⑪”歌麿vs写楽” ”憂き世を浮き世にに化粧して”
この表題すごくうまいですなー
美人画の喜多川歌麿と歌舞伎役者画の東洲斎写楽
現在のブロマイド・絵葉書文化の創始者か?
一握りの展示のみでは判断つかず”引き分け”
⑫”鉄斎vs大観” ”温故創新の双巨峰”
やっと最後の対決 富岡鉄斎と横山大観
明治時代の巨匠なので 絵が新しいです
ともに1.2点の展示で今回は”引き分け”
ということでお腹いっぱいの内容です 描くのも疲れた
国宝余10件 重文余40件 100点以上の特別展示
時間がある人は是非行ってください
おまけ:現在東京国立博物館本館では六波羅蜜寺の仏像の
展示がされています(六波羅蜜時 宝物館改造のため)
有名な空也像はいらっしゃいませんが
教科書でおなじみの”伝平清盛像”(写真)や
運慶・湛慶像 美しい地蔵菩薩 大きな薬師
これも必見の内容です 是非どうぞ
”対決 巨匠たちの日本美術” 8月17日まで
”六波羅蜜寺の仏像” 9月21日まで
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