JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「ブラザークエイの幻想博物館」Cプログラム

2008-10-11 | 映画(DVD)
ブラック・コーヒーで休憩後、眠気と戦うゲイジュツの秋。果敢に挑戦(無謀な挑戦)1日2プログラム目。

「ブラザーズクエイに幻想博物館」Cプログラム 《夢遊病者のための回廊》

『人工の夜景』 1979年/16mm/カラー/20分
処女作。地下室の男は窓から外を覗き、夜の街への妄想を深く沈殿させていく。<人形アニメ>に世界が注目するきっかけとなった伝説の作品。

『アナモルフォーシス』 1991年/16mm/カラー/15分
ルネッサンス期に開発された絵画の技法アナモルフォーシス。16世紀のだまし絵を人形たちが研究する。

『ファントム・ミュージアム』 2003年/DVcam/カラー/12分
サー・ヘンリー・ウエルカム氏の秘法的医学コレクションを亡霊が華麗な手つきで案内してくれる。

『イン・アブセンティア』 2000年/35mm/カラー/20分
現代音楽作曲家シュトックハウゼンとの共同作品。ある療養所にいた女性についての実話をベースにクエイ兄弟的にアレンジ。

やはり、挑戦はあまりにも無謀だったか。
処女作でグッスリ・・・
ゲージュツは眠いのか。科白、字幕の無い事が拍車をかえているのか、2作目の「アナモルフォーシス」は大丈夫。
博物館、美術館の視聴覚コーナーで繰り返し上映されていそうな教材的作品。だまし絵も面白いしアナモルフォーシスの技法が解りやすく説明されている。

続く「ファントム・ミュージアム」は事前情報で最も関心の高かった作品。期待に違わぬ内容。
螺旋階段の手摺をスルスル滑る白手袋の亡霊が紹介してくれるコレクション。
アンティークな医学模型。小さな棺桶に納められた人体模型。内蔵も取り出せる。秘宝館風の性交人形。婦人科用診察椅子。義足。等々・・・
ご親切にちゃんと落ちもついている。

ブラザーズクエイの魅力で音楽の選び方、使い方ははずせない。
「イン・アブセンティア」での現代音楽とのコラボは出色。
女性の汚れた指先。隠すように細かく書き連ねていく。指先の動きが指でない別の生き物のように思える。折れる鉛筆の芯が動き出す。虚構船団的。指先と対象的な女性のうなじ。
意味不明であるなかでも眠気は感じず、惹きこまれていく。
個人的には代表作「ストリート・オブ・クロコダイル」を凌ぐ傑作。DVD欲しい。

「アナモル・フォーシス」「ファントム・ミュージアム」によって準備が整った状態での鑑賞が良かったのかもしれない。
構成から言ってもクエイ初心者にはこのCプログラムがお薦めなのかもしれない。

日本未公開作品などもあるようだけど他のプログラムは、まぁ、いいか。お腹一杯だし、スケジュールの都合もある。
この兄弟の新作長編映画。内容からしてとても興味があるのだけれど果たして眠らずにいられるか・・・

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2 コメント

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 (とらねこ)
2008-11-03 22:24:06
imaponさん、こんばんは
ほよ!imaponさんは、Cプロだったのですね。
『イン・アブセンティア』、そんなに良かったのですね。
短編も、たくさん見るとさすがにおなかいっぱいになってくるんですよね
私も、次回また機会があれば、是非見てみたいと思います。いっぺんに見るのはちとゴリゴリですね。
私はBプロは、怖くてたまらなかったんですが、imaponさんはどう思われました?
返信する
Unknown (imapon)
2008-11-12 23:08:07
Bプロ、不気味ではありましたが、怖さに対しては比較的鈍感でした。ただ只管眠かった。いっぺんに観るのは厳しいし、1回だけの鑑賞では満足できない。だからDVDを所有したくなるんです。この手のものは。気をつけよう。
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