ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2019.3.8 パージェタ、ハーセプチン、ハラヴェン投与3日目、関西へ

2019-03-08 22:41:07 | 日記

 昨夜はベッドに入ったものの、気持ち悪さでなかなか寝付けなかった。本当に不思議だけれど、どの抗がん剤を投与しても程度の差こそあれ、必ず翌日以降、私はこの状況になる(投与当日はステロイドのおかげで気持ち悪さの程度がそれほどなく、なんとなくお腹がモタモタする程度。目はギンギンと冴え渡りかえって元気である。)。

 今回もステロイド(デキサート)で強力に吐き気が抑えられているが、身体の中には間違いなく吐き気促進物質がある(当然身体としてはそんな毒性のあるものなどデトックスしたいわけだ)わけだから、その相互作用で、吐くまではいかないけれど間違いなく気持ち悪いのである。

 吐いてしまえばスッキリするのでは、と思うけれど、嘔吐が1回で済めばそれでよいが、ずーっと続けば体力の消耗も激しくなるし、食べること自体面倒になって体重は減り、長く治療を続けていく上で良いことは何一つない。ということで、重々わかってはいるけれど、吐き気止めのおかげでこの程度の気持ち悪さで済んでいる、と割り切らなければならない。
 でも、やっぱり気持ち悪い。どちらに寝返りを打っても気持ち悪い・・・。

 競泳の池江選手が、(治療の副作用が)想像していたよりも数千倍もしんどい、と呟いておられたというが、世の中いくつになっても百聞は一見にしかず。自分の身体で体験してみないことにはわからないことが多い。
 もちろんそんなこと(辛い副作用など)を想像しないで済む人生を生きていけるならば、その方が良い。それでも想像力を豊かに持っていることは間違いなく人生を彩りに満ちたものに出来るものだと思うし、人にも優しく接することが出来るだろう。わからないから思考停止、我関せず、ではそれでおしまいである。
 若い身空でこんな辛い経験をされたことに思いを馳せると、ただただ胸が痛む。

 とつらつら考えているうちになんとなく朝になった。
 目覚めてもやっぱり昨日よりずっと気持ち悪い。ああ、げんなり。

 ふと、デキサートは遅発性の吐き気には効かないのではなかったか、と思い出す。
 次回の通院日に相談して別の吐き気止めにしてもらおうか、と考える。ひとまず、手持ちのドンペリドンを朝食前に飲んだ。飲まなければとても食べ物を口に入れられなかった。
 相変わらず何を食べてもまずい。でもお腹は空いている。間違いなく食べている量が減っているからだ。ある程度吐き気止めが排出されたのか、便通も改善した。少しスッキリしてモタモタ感が軽快した筈なのにやっぱり気持ち悪い。
 鏡を見れば顔つきはすっかり、ステロイドを入れた時のぼーっと腫れぼったくて頬の赤い火照った顔になっている。全然キレのない顔。
 夫にこぼすと、そんなに変わらないよと言われたけれど、いえ、いつも私はこんな顔ではない。本人が一番良くわかるんです、といったところ。

 昨夜のうちに今日からの関西行きのパッキングをほぼ終えた。
 今日は夕方1時間早めに退かせて頂き、帰宅後洗濯物を取り込み、片付け。夫(どうしても早退は出来ない仕事で、定時に退社してから帰宅し、家を出る)が持っていってくれるキャリーケースに入りきらなかったごく身の回りのものだけ手提げに入れて(いつも病院前に前泊しているノリで)、新幹線に乗り、一足先に関西に向かった。夫と一緒の方が楽だし安心かとも思ったけれど、少しでも早く到着して早めに休みたいと思ったので。

 一方、引越しの主役である筈の息子はようやく卒業が本決まりになり、4月からの就職先の同期生との初飲み会だという。これまでは人事の方たちと一緒の席で、学生だけの無礼講はなかったようだ。
 それにしても、もし一昨日卒業不合格だったら(同時に内定取消しとなり)、今日の飲み会からひっそり姿を消さなければならなかっただろう。本当にこれからの彼の人生がすっかり変わっていたことだと思う。とにかくこの週末が無事に笑顔で(私は副作用で容色衰えた酷い顔だけれど)迎えられて、本当に本当に良かった。

 成績発表当日の朝、寝坊をして大物だと書いた息子、実際は明け方まで眠れず、やっと眠りについた頃に夫から電話が入ったそうだ。極度に緊張したのか久しぶりに嘔吐までしたという。ああ、そこまで追い詰められるほど不安だったのだな、と夫と顔を見合わせた。

 当初はその飲み会を終えた息子と駅で合流する予定だったが、私の方が早めに到着してしまったので、彼を待たずに息子の寮に向かった。いつものホテルを予約しても良かったのだが、寮までの往復やらなにやら、体調を考えると時間も体力もロスなので、今日明日は寮のゲストルームでお世話になることにした。昨年6月、大阪北部地震に遭遇した時に、転がり込ませて頂いた6畳一間の部屋である。あの時はガスが止まって入浴さえ出来なかったことを思い出す。まさにその部屋で今、夫の到着するのを待っている。

 今日はゆっくり休んで、明日からの決戦(大げさ!?)に備えたい。まあ、この体調では力仕事はとても無理なので、実作業は二人に任せ(というか、本来息子がほぼ準備完了にしていてくれれば私たちの出る幕は殆どないのだ。)明日の私の役目は不動産屋さんに部屋の鍵を受け取りに出向き、新居に先着して家具や家電の配達を間違いなく受け取り、ガスの開栓に立ち会うということなのだけれど。
 なるべく作業そのものには手を出さずに体力温存。ああだ、こうだと、2人の司令塔に徹しなくては。

コメント
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