ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2020.6.27 滞在2日目、ロープウェイで空の旅の後は、まったりと温泉ライフ

2020-06-27 21:15:39 | 

 昨夜、ボディトリートメントを終えて部屋に戻ると、「お風呂は(入らなくて)いいかなあ・・・」等と宣う夫に「とんでもない!」と温泉へ連行。さっと汗を流して日付が変わる前に眠りについた。なんとなくお腹がもたもたしている。美味しくて夕食を食べ過ぎたことを痛く後悔。

 そして今朝。昨日と打って変わってとてもいいお天気だ。朝の連続テレビ小説のおさらいを視て、のろのろ起き出す。やはりお腹がいまいち不調。一番最後の回に予約したレストランに向かう。
 入り口で手指の消毒。席に着くと、ウエイターさんからビニール手袋が配られる。ビュッフェ会場に向かう時にはこちらをはめて、一方通行で、とルールの説明がある。それとは別にメインデイッシュやフレッシュジュースが配膳されるという。マスクと手袋、分かっているけれど、やはり息苦しいし、不自由だ。これまでなら、立ったり座ったり、足りないものを身軽に取りに席を立っていたのだけれど、こうなると一旦座ってしまうと、もう何かするのに席を立つのが億劫になる。

 どうも昨夜の夕食がいまだにもたれている感じがして、食欲が振るわない。夫は「今朝も元気だ、ご飯が上手い」とあれこれ美味しそうに頂いている。結局半分ほど食べきれずに食事を終える。お通じがあってからは少しすっきりしたけれど、冴えないことである。

 外は快晴。予報のとおり暑くなりそうだ。ナティエ・ブルーの美しい海の色が戻ってきた。
 ホテルエントランスの植え込みに、30年に1度だけ花開いて、種を落として枯れてしまうという龍舌蘭が蕾を沢山つけ、空まで届きそうな勢いで伸びていると教えて頂く。この木は30年前に落とされた種が成長したものであるそうな。次の30年後の開花を見られる人はそう沢山はいないだろうな、と思うが、そんな30年に1度のタイミングでこちらを訪れたことも何かのご縁だろう。

 まずは私達ともうひと組のペア4人が乗ったシャトルバスで、駅まで。そして、これまで2回訪れたタイミングではあいにく工事中で乗ることが叶わなかったロープウェイ乗り場を目指す。
 目指す寝姿山自然公園は「絶景」と「縁結び」の名所だという。チケットを買い求め、出発まで5分ほど待つとエスカレーターが動いて乗り場まで案内される。

 車体は昨年お世話になったTHE ROYAL EXPRESSと同じロイヤルブルーに金の文字。40人乗りというが、行きは7名の乗車だった。山頂までは所要僅か数分。港を見下ろしながらあっという間に到着である。
 女性が仰向けに横たわっているように見えることから寝姿山の愛称で呼ばれて、この山頂駅は胸の部分に位置するという。山頂花公園内には遊歩道が整備されており、四季折々の草花を愉しみながら散策出来る。6月は寝姿ブルーという洒落たネーミングの紫陽花とピンクのササユリが花暦に載っており、探しながら歩くことに。
 ロープウェイを降りると、展望台を有する素敵なレストランが。見ればこちらもROYAL EXPRESSの車内を模した造り。チラシを配っていた方と「昨年乗りました。帰りに寄ります。」とお喋りして、散策へ。

 道なりに歩くが、登り道なのでマスクが苦しい。人も少ないし、外して歩く。紫陽花は盛りを過ぎているが、両脇に綺麗に花開いている。軟弱な私達は「ここで見たら、もう紫陽花公園は行かなくていいか・・・」と弱音が漏れる。
 2メートル近い巨石を真っ二つにかち割って生えていることから、その周りを一周すると健康で暮らすことが出来るという言い伝えのある石割り楠の周りを、足場の悪い中、無事2人で一周して心を強くする。
 大きな錨のある黒船展望台から港を見下ろし、縁結びの愛染堂でお参りをし、夫婦大カエルの像の間でヨガのカエルのポーズを取って(誰も見ていなくて良かった!)写真撮影をしたら、散策も残り僅か。ハーブ園や黒船見張所を経て、再びロープウエイ乗り場まで戻ってきた。1時間ほど歩いただろうか。暑い中のアップダウンですっかり顎が出ている。

 昨年8月末にオープンしたばかりの展望レストランへ。入店時は手指の消毒と体温測定。2人とも無事6度2分で中へ案内される。一番奥の2面窓の広いテーブルに座らせて頂き、夫はてんこ盛りの宇治抹茶かき氷を、私はお腹が心配なので氷少なめでカフェオレを注文。床は寄せ木細工調、組子細工で囲まれた個室風の造りはTHE ROYALEXPRESSの車内を彷彿とさせる豪華さである。あれからもう1年経ったのだなあとしみじみ。
 すっかり元気になって、お店の外の展望台でツーショットの写真も撮って頂き、レストランを後にした。帰路のロープウエィにもすぐ乗り込めて、8名様のご乗車。街まで戻ってきた。

 さて、この後どうしようと駅前の旅行代理店を覗くが、ちょうどお昼休みでクローズ中。いずれにしても観光バスは夏休み前まで運行中止。路線バスの時刻表を見てもどれも本数が少なくて、どこかに行ったとしても戻ってこられそうなので諦めて、ぶらぶら街中を歩いて一旦ホテルに戻ろうかということに。

 街中の観光案内所で開いている施設を確認すると、水族館と博物館くらいとのこと。どちらも既に観ているし、しっかりお昼を食べなければというほどお腹も空いていない。前回もお世話になった、あんパンが大人気の老舗和菓子屋さんに寄って、季節限定ものも含めて5個ゲットした後は、海辺の道を歩きながらペリーロードを目指す。

 蒸し暑く、日差しが強い。日傘を差していてもマスクが体力を奪う。一休みしようと夫が以前もお世話になった旧澤村邸を目指す。こちらも前回とは様変わりしていて、マスク着用の上、入り口で手指消毒、体温測定、そして入館時間と携帯連絡先まで詳しく記入することに。何かあったときに連絡が取れないと、ということなのだろう。前回はボランティアの方が丁寧に案内してくださったが、今回はそれもなし。自由にご覧ください、とのことだ。休憩室の窓からはペリーロードが見渡せる。ここで気持ちの良い風を浴びながら涼を取って態勢を立て直す。

 もうすぐホテルのシャトルバスが近くを通る時間。観光案内所で、「紫陽花公園は下の方は既に花は枯れてしまっており、綺麗な花を見るには山頂迄行かないと・・・」と言われる。昨年のあじさい祭りではお世話になったボランティアさんたちの無料カートサービスもないという。足がないのにとても上まで歩けないだろうと早々に諦め、シャトルバスを待ち、無事ピックアップして頂き、ホテルに戻ってきた。

 窓の外に広がる青い海、青い空を愛でつつ、お茶と買い込んだあんパンで遅いお昼を頂く。夫はテレビを視ながらあっという間にソファでお昼寝。私は急ぎ温泉へ向かって文字通りオープンと共に一番風呂で汗を流してさっぱり。誠に極楽な昼下がりである。

 夕食は夫が探した評価高い磯料理のお店へ。ホテルの最終シャトルバスでも予約時間迄に大分時間があるので、タクシーを呼んで頂いた。出かける時間までは綺麗に整えられたベッドでお昼寝するでもなくだらだらまったり。

 お店は小上がりにテーブル席が4つほど。奥のテーブルでは既に宴会が始まり、自粛期間を終えて久しぶりに集まったとおぼしき地元の方たちで盛り上がっている。ほどなくして真ん中のテーブルも予約客で埋まった。
 一番人気だという地魚づくしの定食では、普段見たことない焼き魚、煮魚、お刺身や伊勢エビの味噌汁が、店名がついた定食では伊勢エビやツブ貝やら唐揚げやらお刺身等などが小さなテーブルに所狭しと並んだ。夫はお酒も入ってご機嫌さん。昨日のお腹の不調に懲りてお昼はちょっぴり、おやつも抜いていたのでお腹はペコペコ。すっかり満足してお店を出た。お腹を壊すこともなく無事である。

 夫は酔っ払って「ちょっと歩きたい」と近くを散策。夜風が涼しくて気持ち良い。誰も歩いていないのでマスクも外して晴れ晴れ。とある店先に手湯を発見して、トライしてみた。ほどよい暖かさの温泉に両手を浸すと気持ち良いこと。空には朧のお月様。また明日はお天気が崩れそうだ。
 まだそれほど遅い時間でもないが、殆どのお店がシャッターを下ろしている。流しのタクシーの姿は見えず(奇跡的に通り過ぎていったタクシーが空車とは思わず、気づいた時は既に遅しで、呼び止めることが叶わなかった。)何度も歩いたペリーロード付近でタクシーを呼ぶ。
 1軒目は出払っているといわれ、諦めて歩きだそうとしたら2軒目のタクシー会社が駅から向かうとのこと。ほどなくして来てくれて助かった。

 これからお腹ごなしにゆっくり温泉に。さぞやよく眠れることだろう。
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