ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2010.7.21 ハーセプチン102回目、ゾメタ39回目

2010-07-21 21:37:45 | 治療日記
 今日も朝から強い日差し。予想気温は35℃だった。電車は久しぶりに定刻通りで予定通り病院に入る。受付後、レントゲン撮影。それほど待たずに呼ばれたが、なにぶん熱風のような外気の中、僅か徒歩10分でも、病院に到着して椅子に座ると汗が噴き出す。なかなか汗がひかず、脱衣に手間取ってしまった。
 内科へ移動、ほどなくして診察室へ入った。今週も快食快便で特に変わったことはありません、とご報告。体重も特に増えず何とかキープしている。
 レントゲンの結果は、前回に比べ左右とも影がまた少しはっきりしている感じ。ホルモン薬を変更して1ヶ月になるが、まだ結果がどうこう、という時期ではない、とのことだ。また、新しくもやもやしている部分があったが、前回のCTで該当部位に特に変わった病変はなく、骨転移の可能性もなさそう、ということで、もうしばらく治療続行である。ちょっとがっかりだが、そうそう劇的に良くなることを過度に期待してはいけないのだろう。

 処置室へ移動。窓側の点滴椅子が1つ空いており、確保した。ベッドで横になった姿勢で針刺を行ったところ、椅子に座って体を起したまま斜めの姿勢で刺されるよりも(看護師さんも私も後ろへ逃げないためか)痛みが少なかった。次回から無理に椅子で刺してもらわず、ベッドでお願いしようと思う。
 今日はゾメタも含め4本の点滴。血圧測定後、薬の到着を待ってお昼前には無事開始した。
 看護師さんから「ご主人は薬の変更のことなど全部ご存知なのですか?」と訊かれたので、「話しています。(薬の名前を覚えているかどうかはわからないけれど)ブログに治療日記を書いていますから、それも読んでもらっているし。」と答えた。「一緒に診察室に来られたことはないですよね。」と言われ、「確かに、病棟の方には入院の際は来てくれているけれど、ここ(外来)には(好中球減少症で)緊急入院になった時、ご挨拶したくらいですね。」「あ、そうでしたね。お会いしてましたね。」と、思い出して頂いた。
 確かに診察室にご主人や家族の付き添いの方と一緒に入る方が多い。私自身としては一人で通院できなくなったら、かなりまずい段階だ、と思うけれど、CTの結果等を聞く時だけは一緒に来られる患者さんも多いようだ。病院もインフォームドコンセントでお知らせすることややることが沢山あって、本当に大変そうだ。

 今日は3冊読めた。
 1冊目は楊逸さんの「ワンちゃん」(文春文庫)。日本語を母語としない作家として初めて芥川賞を受賞した著者のデビュー作。中国人女性・ワンちゃんが「婚活」のために悪戦苦闘、のお話。前から気になっていたので文庫になったのを待って読んだ。本当に日本人が書くより巧い日本語、という部分が沢山あった。もう1作は書き下ろしの「老処女」。面白うてやがて哀しき・・・という感じ。ちょっと身につまされてしまった。それにしてもおばさん読者としては、どうして若いということだけでそんなに尊ばれないといけないのだろう、と思ってしまう。
 2冊目は本田一成さんの「主婦パート 最大の非正規雇用」(集英社新書)。その名のとおり、の書である。「その数800万人!主婦パートが壊れていくとき日本の社会がダメになる!」の帯。主婦パートは大卒が増えても平均時給は男性正社員の半分以下、パートなのに3人に1人は週1回以上、残業!。4~6歳児の母親の3人に一人は主婦パート、夫の1日の火事・育児時間、最短なのは主婦パートの夫・わずか28分などなど、主婦パートはなぜつらいかのオンパレードである。「サラリーマンの夫に扶養されているお気楽な短時間ワーカー」という像は過去のもの、企業から正社員なみの貢献を求められているにもかかわらず、歪んだ社会保障制度の作り上げた低賃金・低待遇は放置され、彼女たちは疲弊していくばかり。企業と家庭を下支えしている主婦パートの苦境を無視したときに起きる危機を回避するための処方箋の書だ。私の職場でもアルバイトさんたちに負っている部分がとても大きい。職員がどんどん異動、退職する一方で、アルバイトさんが過去の経緯も知っているのは事実だが、監査のときに「それはアルバイトさんがやっています。」と言い放つ職員がいる事態はなんともはや、である。
 3冊目は白波瀬佐和子さんの「生き方の不平等―お互いさまの社会に向けて」(岩波新書)。「なぜ、こうも生きにくいのか? 子ども・若者・勤労者・高齢者、それぞれに見る『日本の不条理』」との帯。終章での著者の主張「社会的想像力のすすめー追体験できない我が身をしっかり受け止め、他者をおもんぱかること。他者を他者とし、当事者でないことの限界を感じつつ、他人ごととしてでなく、社会の問題をとらえようとすることこそ、我々に切に求められている社会的想像力ではないか。」「教育を受けることの最終的な目標の一つは、この社会的想像力を研ぎ澄ますことだと考える。人はすべての現実に関わることが出来ないからこそ、そうした現実をどれほど見ようと努力し、感じようと試みるかが重要になる。これこそが私が考える『学問のすすめ』である。」にはとても納得した。

 今日もおやつの時間間近ではあったが、ランチタイムに滑り込みで間に合った。3食後ヒスロンを飲むために暑くてもきちんと3食しっかり食べている。
 息子のキャンプは順調に進捗しているようだ。学校のホームページに昨日の訪問先や宿での写真が掲載されていた。3年目で初めて息子らしき姿が写っていたのを夫と2人で確認した。

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2010.7.20 ささやかなお手伝い

2010-07-20 19:21:08 | あけぼの会
 昨日「私たちの手は何のためにあるのか。それは人を助けるためにある。困っている人に差し伸べよう。」と英語のイベントで言われたばかりだが、今の私に出来ることって、一体何だろう・・・と考えた。

 先日、虹のサロンで知り合ったSさんからメールがきた。3年前に温存手術をされた支部のお仲間が、PET検査で肝転移を告げられたとのこと。セカンドオピニオンを取ることも希望しておられ、Sさんは先日の講演会でお話くださった渡辺先生を薦めたとのことだった。
 ひとくちに遠隔転移とはいっても、転移した臓器の部位により治療方法等はさまざまだから、「再発している」ということだけではなかなか具体的なコメントができないことも多い。一般的にこの病気が転移しやすい部位としては脳、肺、骨、肝臓だ。私は両肺と胸骨、鎖骨。それに縦隔リンパ節、局所再発もあった。なんとなく胸の周りに限られているからまだ局所的というような感じはするが、紛れもない遠隔転移である。

 どなたか肝転移のある方を知りませんか、とのこと。骨や肺、皮膚に転移して治療中の方たちのお顔はすぐに何人か思い浮かんだけれど、肝臓の方はなかなかいらっしゃらなかった。ふと、あけぼの会のHPで治療日記を書いておられるNさんがお歳も近いし、セカンドオピニオンもとっていたし、肝転移の治療を続けていることを思い出した。私も昨年の秋の大会の後、一度メールのやりとりをしただけだけれど、そこはずうずうしく「よろしければ仲介しましょうか。」と連絡した。
 早速メールしたところ、Nさんから快諾を頂いた。「メールですとなかなか思いが伝わらない事もありますので、夜でしたら、電話頂いても大丈夫です。転移を告げられた時の気持ちは、経験したものでなければ分からない辛さがありますよね。少しでもお力になれたらいいな、と思います。」と。

 このネットワークはやはり凄いと心強く思う。

 乳がんは全身病だから、長期にわたって常に再発するかもしれない、という不安や怖れがある病気だ。しかし、「いつか再発するかもしれない・・・」と思い患うことと、実際に「再発・転移した」という事実を突き付けられることは、当然のことながら「全く違う」ことだ。
 私も再発・転移を告げられた時に、誰か前を歩いている患者さんの先輩がいたらどれだけ心強かったか、と今も思う。
 だが、後ろを振り返ってみても始まらない。とにかく、今は、こうしたネットワークに入れたことがとても嬉しく、少しでも前を向いて行きたい。そして入会してまだ1年でもこんなつながりが持てたことをとてもありがたく思う。

 去年の会の集まりのときに、「再発治療中の人限定」というグループに「実際再発はしていないけれど、心配なので話を聞きたくて・・・」という方が何人か入ってこられて、司会の方が何度かやんわりと退室を促したものの、結局そのままそのグループから退席せずに皆さんのお話を聞いていらした。
 こちらとしてはやはり違和感があった。Sさんのお話によると、毎回そういう方がいらっしゃるようだ。不安でいてもたってもいられないのだろう。
 もし可能なら「再発治療中」とは別に「まだ再発はしていないけれど、再発することが不安で、不安で仕方ない」というグループを作ればいいのにね、と内輪でお話したこともある。

 とにかくSさんのお友達がNさんと無事やりとりできて、少しでも前向きにこれからの治療にあたってくださることを陰ながら祈ってやまない。

 さて、あまりの暑さに観念して、職場に初めてショートカットのかつらを被っていった。もうミディアムロングには戻れない。週末にはサロンでかつらのお手入れの予約が入っている。ここでカットしてもらって、ある程度スタイルが出来たら、いよいよ自毛デビューの算段なのだが。
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2010.7.19 English Carnival 2010

2010-07-19 21:53:41 | 日記
 受験生の年の夏に府中の会場で参加して以来、ずっとご無沙汰だった英語のイベント。毎週のテレフォンイングリッシュのレッスンだけは細々と続けているのでポイントもたまり、ご招待の形で3年ぶりに息子と2人で出かけてきた。今回は、最寄駅から2つ離れたところにある、息子の合唱コンクールの会場でもある行き慣れたホールだったので、ありがたかった。

 3歳直前でデビューした英語のイベント。小さい頃は夫も一緒に家族総出で、都内といわず近県までも出かけて行ったけれど、小学校高学年になるとすっかり頭一つ図抜けて大きくなってしまい(だからといってうんと英語が上手なわけでもなく)目立ちすぎることもあり、少人数の参加型イベントは殆どパスしていた。

 今回は、劇場でのミュージカル形式で、座ったまま(その場で立って歌うことはあるが)席で観賞できる。年に一度、普段は会えない有名どころの先生と一緒に写真が撮れるお値打ちもの。どの先生も歌も踊りも本当にお上手。汗びっしょりになりながらの2時間。いつもながらの大熱演だった。
 小学校低学年の時にキャンプでご一緒した先生も来ていらして、あまりに大きくなっているのでわからないかな・・・、と思ったけれど、ご挨拶したらわかってくださった。とても懐かしい。しっかりツーショットで写真を撮ってきた。
 今回のテーマはONE WORLD。“We are One World! We are Family! One World Family!”この主題歌にCEOのマーク先生の熱い思いが溢れている。「私たちに手があるのは、困った人たちを助けるため。だから手を差し伸べよう。喧嘩も戦争もいけない。なぜなら何も生まれないから、私たちはみなファミリーなのだから」ということをインド、ブラジル、アメリカ、スイス、ジャマイカ、フィンランドの国を背負った7人の先生たちが体現した。息子いわく「毎回テーマは重いけれど、とても判りやすく伝わるんだよね。楽しかった。」とのこと。
 自宅の参加記録ノートをみると、このEnglish Carnival は2000年から2007年まで毎年参加していて、今回で9回目。これまでも人種差別や仲間はずれ等など、その年々の重いテーマを彼なりに理解してきたのだろう。久しぶりに私も懐かしいテーマソングを歌い(大分忘れていてしどろもどろのところはあったけれど)、沢山の元気をもらってきた。

 さて、息子は明日から学校のキャンプで志賀高原行き。3泊4日、鬼の居ぬ間に夫と2人、再び“老境”の穏やかな日が過ごせる予定だ。
 カーニヴァルの舞台の後は、夫も合流して明日からのキャンプが無事に過ごせるよう祈りつつ、外食した。
 その後、息子は先日祖父母からもらったお小遣いで前から欲しがっていたバット、ケース、手袋を買い、ご機嫌で帰宅した。夫いわく「自分もこんな子ども時代が送ってみたい・・・」だそうだ。全く同感だ。


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2010.7.18 ちょっと変な趣味

2010-07-18 09:11:28 | 日記
 ちょっと変な趣味・・・などと書くと、一体何・・・?と引かれてしまう向きもあるかもしれないけれど、旅先でちょっと鄙びたスーパー等を冷やかしつつ、東京では見かけないものを見たり探したりするのが結構好きである。

 かたや夫は食品Gメンの行動が骨まで染みついているのか、特に食料品の表示をチェックしたり、珍しい地元の食品を探したりするのが好き。外国に行けば、必ず市場やスーパーマーケットに行きたがる。これは実際のところワーカホリックではないか、と思うけれど。

 先日、温泉に一泊した際のこと。ホテルから通りを渡ってすぐのところに地元の大きなショッピングセンターがあった。駅前で買い求めた朝採りの桃を剥くためのフルーツナイフが欲しかったのと、食後すぐでまだお風呂には早いし、お腹ごなしに、と称して横断歩道を渡っていそいそと覗きに行った。ちょっと仄暗い店内は、セール中だったこともあり、驚くほど安くなっていた。

 送料をかけてもいいからこのお中元の半額品を自宅に送ろうか、と言ってみたり、絶対着ないよな・・・と思うような衣類を手にとってみたり、と歩いた。幸いにも大きなお金やカード類は部屋のセーフティボックスに入れていたので、ほんの小銭しか持って出なかったから、無駄遣いをせずに済んだのかもしれないけれど。東京にいると絶対触手を動かされないものを、その場のノリで買ってしまったりすることがある。もちろんそんな大枚をはたく、という話ではないけれど。

 夫とうろうろしながら、「へええ、こんなものもあるよー、面白いね~」等と言いあった後に、しみじみ夫が言った。「(こういうことをするのは)2人だから面白いんだよね・・・」と。

 やっぱりまだまだ長生きしなくては・・・、との思いを新たにしたショッピングセンターのそぞろ歩きであった。

 さて、なんとか週に1度は通いたい、と思っているヨガ・スタジオ。マンスリーメンバーなので、月に何日でも通いたいだけ通えるのだが、平日、仕事が終わってからはとても体力がないし、時間もない。さらに土日に出かけてしまうと、そうそうは通えないものだ。
 今日はこれから半月ぶりでリンパプラスヨガに参加予定だ。セルフマッサージ(リンパドレナージュ)中心の、体力的にはきつくないプログラムだが、ハーブスチームが焚かれた室内で、半端じゃない汗がかけるお気に入りのコースだ。たっぷり汗をかいてたっぷり水分をとり、気持ちよくデトックスに努めよう。

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2010.7.17 校友会音楽祭練習スタート

2010-07-17 21:11:31 | 合唱
 昨年の秋、卒業25周年で思い切って参加したホームカミングデーの校友会音楽祭の練習が今年もまた始まった。 先週11日が初回練習だったが、出かけていたので参加できず、私にとっては今日が初日だ。

 初回練習の日、去年一緒に出演した同期の友人からメールが入った。結局一緒に舞台に乗った6人のうち今年も参加出来そうなのは私ともう1人の模様。やはり皆、まだまだ公私ともに忙しい年頃である。

 この音楽祭は今年で3回目を迎える。第1回目の時、懐かしい大学の講堂で懐かしい先生の指揮で歌える、という触れ込みだったが、体調に自信がなく、抗がん剤治療も控えていたので参加を見送った。
 そして、去年。実際は参加団体が多く、大教室が舞台になった。今年こそ、講堂で!ということで今から楽しみにしている。この講堂は入学して2ヶ月間、4年生が勤める新入生指揮者の指導のもと1年生だけで練習に励み、6月に開催されるコンサートの会場だった思い出深いところだ。今回の曲の中にはちょうど学生時代に歌った曲もあり、懐かしさでいっぱいだ。

 既に初回練習日にあわせて楽譜と音源のCDが送付されてきており、昨夜一通り音取りの確認。私は所属していた合唱団の35期の卒業なのだが、53期(!)の学生指揮者を経験した方が今年も練習にお付き合いくださる。去年は「もう年で、30歳で・・・」、などと彼が言うたびに同期一堂顔を見合わせて苦笑した。実際に指揮者の先生の練習が始まるのは10月になってからか。今日を含めて本番まで8回の練習。月2回の無理ないペースだ。

 今日は、当初の日程では夕方から夜にかけての練習だったが、昼過ぎから夕方までに時間が変更されたので、午前中の用事を済ませてから1時間半遅刻しての参加だった。男性も女性も10人ほどの参加で、こじんまり、というか殆ど一人一人の声が聞こえるほど。特にソプラノは今年卒業した社会人1年生の60期生と私だけ。冷や汗ものであった。
 他にはパートは違うが一期上の先輩がお二人。お一人の女性はお目にかかったのは本当に卒業以来だったけれど、殆ど変わっていらっしゃらず、帰りは最寄駅までご一緒した。高3のお嬢さんと中3の坊ちゃんという2人の受験生を抱えたお母様だそうだ。我が家の息子と同級生ですね、とお話ししつつ、本当に勉強しなくて・・・、という母の話題になった。

 朝からすっかり夏空で気温がぐんぐん上がったと思ったら、案の定梅雨明けとのこと。これから1週間は連日真夏日、猛暑日の予報だ。しっかり水分、睡眠をとって夏ばてしないように過ごしたい。

 出かける時、ポストにはあけぼの会からニュースレターと新しい会員名簿が届いていた。この1年で知り合うことができた方たちを名簿で確認し、本当にネットワークが広がったなあ、と思う。10月の大会参加が今から楽しみだ。
 校友音楽祭とあわせて今年も充実した秋になりそうだ。

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