読売新聞の医療サイトyomiDr.で気になる記事があったので、以下転載させて頂く。
今の世の中がストレス社会であることは間違いないだろう。そんな中、仕事を持ちながら、心の健康を保って如何にしなやかにしたたかに(私流に言えば、細く長くしぶとく)生きていくか。
この病気を抱えていると、再発して治療がエンドレスになった時や、抗がん剤治療中の副作用がひどい時などにうつ病になるケースも少なくないと聞く。患者本人だけでなく、支える家族も含め、決して他人事ではないのだと思う。
とても長文なので、特に表題に関してなるほどと思った部分のみ、今の私と重ね合わせつつご紹介したい。
※ ※ ※(転載開始)
深層プラス for yomiDr.
ストレス社会でうつ病にどう向き合うか…「7つのストップ」と「3つのT」
ストレス社会でうつ病にどう向き合っていけばいいのか。うつ病にならないための「7つのストップ」と、うつ病になった時の「3つのT」など、精神科医で横浜相原病院院長の吉田勝明さんが、BS日テレ「深層NEWS」で分かりやすく解説した。(構成 読売新聞編集委員 伊藤俊行)
◆まじめな人が陥りやすい
日本では2つの「スタートの時期」があります。まず、お正月。「おめでとう」とスタートを切って、少し落ち着いた頃に、卒業、入学、入社式がある4月になります。そこでまた、新たな人間関係、新たな仕事、勉強等々と、新しいストレスが加わってきます。何とかうまく乗り切ろうとするけれど、うまくいかず、5月になっていっぱいいっぱいになってくる。こういう時期を、「スプリング・フィーバー」、つまり、5月の風邪とか、5月の発熱と呼んでいます。何とか成績や仕事で追いつかなければと思わず、「まあまあ、これぐらいでいいや」「7、8割でも合格だ」という思いでいられると、うつ病の予防にもなります。
(中略)
世代的には30代、40代、場合によっては50代、働き盛りの人にもかなり増えています。責任感が出てきて、上司、部下との関係に悩むことが多いと思います。
周りからみると、仕事ができる、何でもこなしているという方が、部下を育てなければいけない、同僚との人間関係を構築しなければいけないという新たな悩みが加わった結果、このようになっている事例が多くなっているようにも思います。
◆インターネットでコミュニケーション不和
インターネットの発達も、原因の一つかもしれません。電子メールで全てこなしてしまい、席が隣同士で話をしながら「お疲れさん」などと雑談するコミュニケーションが不足しています。隣席の同僚にメールで用件を送り、メールで返事する。目と目を合わせたコミュニケーションの機会が減ってくると、結果的にストレスになるのです。
(中略)
夜に考えることも、必ずしもいいとは思いません。まず、自分の仕事をオフの時間まで持ち込むことがよくありませんし、夜中の決断は、必ずネガティブ側に振れます。昼間考えているとポジティブな形に行きます。人生における重大な決断、例えば、離婚や会社をやめるといったことは、絶対に夜に決めてはいけません。ですから、僕はよく、夜9時以降は考えちゃいけないと助言します。
◆7つのストップと「不良長寿」
うつ病にならないために止めた方がいいことを「7つのストップ」として示しましょう。
(1) 完璧主義
(2) 自分に厳しい
(3) すべてをコントロール
(4) 体力や能力を過信
(5) 見栄を張る
(6) 努力・根性・責任・義務
(7) いつやるの?今でしょう!
「いつやるの?今でしょう!」を止めろというのは、責任感から「今日中に終わらせなければいけない」と、ついついオーバーワークになるからです。明日でもいいのに、家に持ち帰り、自宅でまでやるのはよくない。完璧主義も止めた方がいい。数学なら1+1は2ですが、我々が生きている世界では1+1は「おおむね2」でいいのです。自動車の運転でも、ハンドルに全く遊びがないと怖くて運転できません。多少の遊びがあるからうまくいくという感覚が大事です。努力・根性・責任・義務も、加減というものがあると考えることが大事です。
(中略)
症状が深刻になって一番困るのは、自責の念です。周りから「休んでいいよ、ゆっくりしていいよ」と言われても、そう言われること自体が申し訳ないと思ってしまう。ですから、精神科医として、薬を使ったり、いろいろな治療をしたりする前に、自責の念を取り除いてあげることが大事な要素なのです。
うつ病の人にどう接したらいいか、一言で教えてくださいと言われると、「愛ある無関心」と答えています。無関心がネグレクト(無視)ではいけませんが、かといって過干渉でも困ります。絶対に見捨てず、愛情をもった形で「好きにやっていていいよ」「心配してないよ」「自由にどうぞ」というのが、非常に良い距離感だと思います。
(中略)
うつ病と診断された場合、軽度であっても、隠すことで無理が生じますので、やはり、会社や学校に話すべきでしょう。また、会社の雰囲気として、それを受け入れることが必要です。患者さん本人は言いにくいところがあるでしょうから、産業医などが関与し、時間外勤務を制限するとか、ノルマを取り除くなどの対応をして、それ以上病気が進行せず、会社を休まなくても済むような仕組みがいいと思います。
(中略)
カウンセリングにあたっては、悩み、苦しみを解決する三つの「T」が大事だと考えています。Tear(涙)、Talk(話す)、Time(時間)。感情を素直に表していい、何でも話してください。そして、時間をかけること。時間が解決するのではなくて、時間をかけて解決するということです。
医者を選ぶ際に考えてもらいたいことは、名医にかかる必要はなくて、良医であればいいということです。名医は何十年勉強しても、なれるか、なれないか分かりませんが、良医は、一生懸命患者さんのことを考え、自分の手に負えなければ、他の医者に紹介できる人です。医者を選ぶのは患者さんの権利ですが、薬を飲んで1週間で「効かない」と言って医者を変えるのはよくありません。うつ病の薬は即効性がなく、少なくとも2週間、場合によっては4週間かけて、初めて効果が出るものが多い。もちろん、人間の関係ですから、「薬以外に治療法は分からない」などと言い、患者さんが何か聞くと面倒くさそうな表情をするような医者にはかからないといった基準ならば、いいと思います。薬だけでなく、気持ちの持ちよう、考え方、そして家族、同僚、皆で協力してやっていくのが、今の時代だと思います。(2015年6月30日 読売新聞)
(転載終了)※ ※ ※
何度も書いているのだけれど、私はかなりの貧乏性だ。出来ることなら今日やれることは先延ばしにせず今日のうちにやってしまいたい、と思う。ずっと気になっているくらいならさっさと片付けてしまいたい。けれど、寄る年波と治療を続けていくための体力保持、体調管理を考えると、そうそう「今でしょう!」とは言っていられない。
ここで自分を「7つのストップ」に当てはめてみたら、無意識のうちにあらかた実践できているな、と思う。
(1) 完璧主義・・・には、恥ずかしながら今や程遠くなっている。齢を重ねてくれば「いい加減」ではなく、「良い加減」が望ましい。たとえばこのブログも、一時は毎日書くことを自らに課していたけれど、そんなのは自己満足以外の何ものでもない。話題がないのに無理に書くよりも、書きたいことがある時に書こう、という姿勢で随分楽になった。
(2) 自分に厳しい・・・得意の自己正当化でかなり甘くなっていると思う。と、同時に他人様に対してもそれほど厳しくなくなっているつもり。
(3) すべてをコントロール・・・特に出産後、そんなことは到底出来っこないことを十分自覚した。
(4) 体力や能力を過信・・・哀しいかな、もはや走ることも出来ないし、長い階段を上るのも苦しい。そんなことを言っている場合ではないトホホな状況である。
(5) 見栄を張る・・・仮に張ったところで生き辛くなること必至だし、張るべき相手もいない(と思う。)。
(6) 努力・根性・責任・義務・・・かつては好きな言葉だったけれど、これも今の自分にフィットするレベルでほどよく(良い加減に)実行中、のつもり。
(7) いつやるの?今でしょう!・・・出来ればそれにこしたことはないけれど、(4)のように能力を過信せず、無理はしないのがモットー。
こう見てくると、幸いにもうつ病にはなる因子がひとつとしてないなと思う。
そして、最後のパラグラフにある、医者を選ぶ際に良医を選ぶ、とあるが、まさに私は主治医に恵まれているということがとても大きいのだろう。この出逢いに感謝である。
さて、2015年も折り返し地点、2015年度も第1四半期終了。明日からは文月7月。本当に早いものだ。梅雨の季節も後半になるが、まだまだ平年の半分位の降水量だそうだから、これからが本番か。ジメジメした時期、気持ちだけはパリッと乾かして上手にリフレッシュしながら乗り越えたいものだ。
そして、明日は通院日である。
今の世の中がストレス社会であることは間違いないだろう。そんな中、仕事を持ちながら、心の健康を保って如何にしなやかにしたたかに(私流に言えば、細く長くしぶとく)生きていくか。
この病気を抱えていると、再発して治療がエンドレスになった時や、抗がん剤治療中の副作用がひどい時などにうつ病になるケースも少なくないと聞く。患者本人だけでなく、支える家族も含め、決して他人事ではないのだと思う。
とても長文なので、特に表題に関してなるほどと思った部分のみ、今の私と重ね合わせつつご紹介したい。
※ ※ ※(転載開始)
深層プラス for yomiDr.
ストレス社会でうつ病にどう向き合うか…「7つのストップ」と「3つのT」
ストレス社会でうつ病にどう向き合っていけばいいのか。うつ病にならないための「7つのストップ」と、うつ病になった時の「3つのT」など、精神科医で横浜相原病院院長の吉田勝明さんが、BS日テレ「深層NEWS」で分かりやすく解説した。(構成 読売新聞編集委員 伊藤俊行)
◆まじめな人が陥りやすい
日本では2つの「スタートの時期」があります。まず、お正月。「おめでとう」とスタートを切って、少し落ち着いた頃に、卒業、入学、入社式がある4月になります。そこでまた、新たな人間関係、新たな仕事、勉強等々と、新しいストレスが加わってきます。何とかうまく乗り切ろうとするけれど、うまくいかず、5月になっていっぱいいっぱいになってくる。こういう時期を、「スプリング・フィーバー」、つまり、5月の風邪とか、5月の発熱と呼んでいます。何とか成績や仕事で追いつかなければと思わず、「まあまあ、これぐらいでいいや」「7、8割でも合格だ」という思いでいられると、うつ病の予防にもなります。
(中略)
世代的には30代、40代、場合によっては50代、働き盛りの人にもかなり増えています。責任感が出てきて、上司、部下との関係に悩むことが多いと思います。
周りからみると、仕事ができる、何でもこなしているという方が、部下を育てなければいけない、同僚との人間関係を構築しなければいけないという新たな悩みが加わった結果、このようになっている事例が多くなっているようにも思います。
◆インターネットでコミュニケーション不和
インターネットの発達も、原因の一つかもしれません。電子メールで全てこなしてしまい、席が隣同士で話をしながら「お疲れさん」などと雑談するコミュニケーションが不足しています。隣席の同僚にメールで用件を送り、メールで返事する。目と目を合わせたコミュニケーションの機会が減ってくると、結果的にストレスになるのです。
(中略)
夜に考えることも、必ずしもいいとは思いません。まず、自分の仕事をオフの時間まで持ち込むことがよくありませんし、夜中の決断は、必ずネガティブ側に振れます。昼間考えているとポジティブな形に行きます。人生における重大な決断、例えば、離婚や会社をやめるといったことは、絶対に夜に決めてはいけません。ですから、僕はよく、夜9時以降は考えちゃいけないと助言します。
◆7つのストップと「不良長寿」
うつ病にならないために止めた方がいいことを「7つのストップ」として示しましょう。
(1) 完璧主義
(2) 自分に厳しい
(3) すべてをコントロール
(4) 体力や能力を過信
(5) 見栄を張る
(6) 努力・根性・責任・義務
(7) いつやるの?今でしょう!
「いつやるの?今でしょう!」を止めろというのは、責任感から「今日中に終わらせなければいけない」と、ついついオーバーワークになるからです。明日でもいいのに、家に持ち帰り、自宅でまでやるのはよくない。完璧主義も止めた方がいい。数学なら1+1は2ですが、我々が生きている世界では1+1は「おおむね2」でいいのです。自動車の運転でも、ハンドルに全く遊びがないと怖くて運転できません。多少の遊びがあるからうまくいくという感覚が大事です。努力・根性・責任・義務も、加減というものがあると考えることが大事です。
(中略)
症状が深刻になって一番困るのは、自責の念です。周りから「休んでいいよ、ゆっくりしていいよ」と言われても、そう言われること自体が申し訳ないと思ってしまう。ですから、精神科医として、薬を使ったり、いろいろな治療をしたりする前に、自責の念を取り除いてあげることが大事な要素なのです。
うつ病の人にどう接したらいいか、一言で教えてくださいと言われると、「愛ある無関心」と答えています。無関心がネグレクト(無視)ではいけませんが、かといって過干渉でも困ります。絶対に見捨てず、愛情をもった形で「好きにやっていていいよ」「心配してないよ」「自由にどうぞ」というのが、非常に良い距離感だと思います。
(中略)
うつ病と診断された場合、軽度であっても、隠すことで無理が生じますので、やはり、会社や学校に話すべきでしょう。また、会社の雰囲気として、それを受け入れることが必要です。患者さん本人は言いにくいところがあるでしょうから、産業医などが関与し、時間外勤務を制限するとか、ノルマを取り除くなどの対応をして、それ以上病気が進行せず、会社を休まなくても済むような仕組みがいいと思います。
(中略)
カウンセリングにあたっては、悩み、苦しみを解決する三つの「T」が大事だと考えています。Tear(涙)、Talk(話す)、Time(時間)。感情を素直に表していい、何でも話してください。そして、時間をかけること。時間が解決するのではなくて、時間をかけて解決するということです。
医者を選ぶ際に考えてもらいたいことは、名医にかかる必要はなくて、良医であればいいということです。名医は何十年勉強しても、なれるか、なれないか分かりませんが、良医は、一生懸命患者さんのことを考え、自分の手に負えなければ、他の医者に紹介できる人です。医者を選ぶのは患者さんの権利ですが、薬を飲んで1週間で「効かない」と言って医者を変えるのはよくありません。うつ病の薬は即効性がなく、少なくとも2週間、場合によっては4週間かけて、初めて効果が出るものが多い。もちろん、人間の関係ですから、「薬以外に治療法は分からない」などと言い、患者さんが何か聞くと面倒くさそうな表情をするような医者にはかからないといった基準ならば、いいと思います。薬だけでなく、気持ちの持ちよう、考え方、そして家族、同僚、皆で協力してやっていくのが、今の時代だと思います。(2015年6月30日 読売新聞)
(転載終了)※ ※ ※
何度も書いているのだけれど、私はかなりの貧乏性だ。出来ることなら今日やれることは先延ばしにせず今日のうちにやってしまいたい、と思う。ずっと気になっているくらいならさっさと片付けてしまいたい。けれど、寄る年波と治療を続けていくための体力保持、体調管理を考えると、そうそう「今でしょう!」とは言っていられない。
ここで自分を「7つのストップ」に当てはめてみたら、無意識のうちにあらかた実践できているな、と思う。
(1) 完璧主義・・・には、恥ずかしながら今や程遠くなっている。齢を重ねてくれば「いい加減」ではなく、「良い加減」が望ましい。たとえばこのブログも、一時は毎日書くことを自らに課していたけれど、そんなのは自己満足以外の何ものでもない。話題がないのに無理に書くよりも、書きたいことがある時に書こう、という姿勢で随分楽になった。
(2) 自分に厳しい・・・得意の自己正当化でかなり甘くなっていると思う。と、同時に他人様に対してもそれほど厳しくなくなっているつもり。
(3) すべてをコントロール・・・特に出産後、そんなことは到底出来っこないことを十分自覚した。
(4) 体力や能力を過信・・・哀しいかな、もはや走ることも出来ないし、長い階段を上るのも苦しい。そんなことを言っている場合ではないトホホな状況である。
(5) 見栄を張る・・・仮に張ったところで生き辛くなること必至だし、張るべき相手もいない(と思う。)。
(6) 努力・根性・責任・義務・・・かつては好きな言葉だったけれど、これも今の自分にフィットするレベルでほどよく(良い加減に)実行中、のつもり。
(7) いつやるの?今でしょう!・・・出来ればそれにこしたことはないけれど、(4)のように能力を過信せず、無理はしないのがモットー。
こう見てくると、幸いにもうつ病にはなる因子がひとつとしてないなと思う。
そして、最後のパラグラフにある、医者を選ぶ際に良医を選ぶ、とあるが、まさに私は主治医に恵まれているということがとても大きいのだろう。この出逢いに感謝である。
さて、2015年も折り返し地点、2015年度も第1四半期終了。明日からは文月7月。本当に早いものだ。梅雨の季節も後半になるが、まだまだ平年の半分位の降水量だそうだから、これからが本番か。ジメジメした時期、気持ちだけはパリッと乾かして上手にリフレッシュしながら乗り越えたいものだ。
そして、明日は通院日である。