■2011.09.27-28 春先から狙っていた飛騨の名峰『笠ヶ岳』
日帰りではこの山の良さがわからないとテント泊で登る事にした。
この山、開山の歴史も古く、1683年に円空上人が初登頂し開山したが信仰も薄れ、1823年幡隆上人が再興した。
その際その頂上から天を衝く神々しい槍ヶ岳の姿を臨んで槍ヶ岳登頂の大願を起こし、5年後に槍ヶ岳を開山する。
更にこの山は丸いお椀型の隆起がなだらかな稜線の上に、ポッカリと突き出た特徴的な姿で、北は立山連峰、南は御嶽山からでも、一目でそれと分かる山容をしている。山名もその笠を伏せたような姿に由来している。
登るルートはクリヤ谷から入り笠新道で下山とする。
中尾高原口には20台ほど駐車できる。ここを目指しナビをセット、自宅を深夜1:45に出発。
6時前に中尾高原口の駐車場着、仮眠らしき車が一台あるのみでガラガラ。
軽く眠ってから準備をする、仮眠車もクリヤ谷からの登山者で途中まで一緒に行く。
(この御仁とは山荘前で再度ご対面する・・・?)
登山口は槍見温泉の裏手で登山届のみが設置されている。
旺文社のコースタイムでは9時間で標高差1,900mの長丁場です。
渡渉を何度か行い樹林帯の中を上って行く、途中見えるのはクライマーの世界、錫杖岳の大岩峰。
一か所、水量が多いと難しい渡渉ポイントがある。
登山道は明瞭だが幅が狭い所が多く笹も伸びている、北アルプスの中では利用者が少ないコースである。
今日は最悪15時までに笠ヶ岳幕営地に着けばよいのでゆっくり登っていると95Lザックの若者に会う。
この若者、舟窪小屋まで行くそうだ(納得)。しかしこのでデカザックを背負っていてもラグビーでもしているような体格でガンガン登って行く、結局、彼が先行し休憩中に追いつき又先行される形で幕営地まで行くことになる。
彼の情報では小屋では水400円/0.5Lとの事で最終水場(標高2,000辺り)で3.5Lを汲みザックに入れた。
これで一気にザックが重くなる。
そして雷鳥岩の肩に着くとここで初めて笠ヶ岳が姿を現す。・・・これは感動ものです。
本日このクリア谷を登っているのは、仮眠者のベテラン、デカザックの若者、年配の男性と私の4人である。
途中、年配の男性のザックショルダーがちぎれそうで困っているので安全ピンを渡し応急処置に利用して貰った。
装備は登山前に十分すべきと他山の石とせず今後はチェックしようと思う。
雷鳥岩の肩で昼食とし調理パンで腹ごしらえ。
14:10 笠ヶ岳山頂。
平日なのに山頂には十数名、残念、百名山だからな。
山頂では雲がちょうどかかり眺望がきかない事と人が多い事で、早々に笠ヶ岳山荘方面へ向かい小屋で受付しビールをGET。
小屋前には水の蛇口があり無料と書かれていた。
ガーン
3.5Lも担ぎ揚げたのに・・・まあ小屋の雨水よりクリア谷の沢水が美味いに決まっているので自分なりに納得する。
そして既に赤い顔の仮眠者のベテランさんと再開。
ザックのコップ出しな。
はい。
そして茨木の銘酒『一品』をつぎ込まれた。
テント場はガラ場だが整地された所が多い、防風の岩積みがされているサイトも数ヶ所有りそこに設営。ロケーションは目の前が槍・穂高連峰で我が家(テント)の庭を演出してくれる、水場はこの時期やはり枯れている。
ただし登山道がテント場の中を通っているので7月8月は遠慮したい。
18時頃にはこの時期必須アイテムのテントシューズを履いてシュラフに入る。
21時頃暑くてシュラフから半身抜け出しテントのジッパーを開け夜空を見上げる、そこは満天の星空。
1時間近くシュラフに半身入り上向きで星空を見上げていた。
流れ星・流れ星・流れ星・流れ星・流れ星・流れ星・・・・・
突然、携帯が鳴りテニス仲間から『お好み焼きパーティーの案内』が届く
山にテニスにお好み焼き 好きなもの3連ちゃん。
本日の幕営者は4名、朝まで快眠できたのはテントシューズ持参の私だけのようだ、そして朝を迎える。
朝日の方向には槍穂高連峰が鎮座している。常念岳や蝶ヶ岳の反対側が笠ヶ岳となり展望が良い、朝日は大キレットの起点、獅子鼻あたりから出てくる。
昨日は氷点下-1℃でフライシートはバリバリに凍っている。
今回の装備は-10℃対応で来ているので問題無し。
今回は7:30頃まで掛ってゆっくり撤収、最後の一人となった。本日は抜戸岳に寄り笠新道から4~5時間かけて下山するのみ。
抜戸岳の稜線散歩は雷鳥との遭遇を期待したが賑やかな早朝組が通った後なので逢えなかった、今年はキレット小屋の岩場の上で見た雷鳥1羽だけ。
この稜線から北部の黒部五郎・薬師・剣・立山・赤牛・水晶・三俣蓮華・双六など眺望できる。
抜戸岳も三角点がある山で眺望は抜群、基本的に測量の為必要となる場所で見晴らしは良い所に決まっている。
12:10 分岐から退屈な笠新道を3時間かけて登山口に着く。
ここから林道歩きは新穂高まで続く、そして濃飛バスで中尾高原口まで220円で車を回収。
寸志で入れる温泉を梯子しようと考えたが石鹸が使えずあきらめる。
「新穂高の湯」・栃尾温泉「荒神の湯」・平湯「民族資料館の湯」・下呂の「噴泉池」など
結局、温泉はいつもの『ひらゆの森』へ。
そこで山好きのトイレ掃除のおばちゃんと男子トイレで山談議。
帰路は時間があるのでR41で美濃加茂まで下道で。
R41もスキーで通った道で閉鎖された御嶽鈴蘭高原スキー場や舟山スキー場へは良く通った。
これは東海北陸道が開通したせいで交通量が激減しているようだ。
■コースタイム
6:30クリヤ谷登山口→14:10笠ヶ岳(休憩:1:30)
7:30笠ヶ岳(幕営地)→8:50抜戸岳9:10→12:10笠新道登山口
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