10月下旬にある校内研究会で、6年生が宮沢賢治の「やまなし」を教材に授業します。ここに向けて、私としてはバックアップのために「教務主任通信」を毎日発行しています。そこに書いているのが「やまなし」の教材研究です。文芸研の西郷竹彦先生が書かれた本を私なりに要約したり、引用しているだけですが、それでも若手の先生には財産になると思いますので、あえて公開します。
☆研究の仕方あれこれ
10月の研究授業に向けて、6年生最大の難関ともいえる「やまなし」が教材ですから、早めにいろんな情報を流しておこうと思います。
教材研究をする際に大事にしたいことがいくつかあります。思いつく順に10ばかりあげておきます。
(1)作者の生き方を知ること
(2)時代背景を知ること
(3)その上で、作者の考え方を知ること
(4)教師は最低でも30回は教材文を読み込むこと。
(5)読むたびに何か一つでも発見ができるような「読みのフック」をかけること。
(6)その作品に関する先行研究を読むこと
(7)他の先生が書いた指導案に目を通すこと
(8)指導書の中にある研究コーナーに線を引きながら読むこと
(9)指導書の授業計画欄を鵜呑みにしないこと
(10)教材について二人以上で何度もフリートークをすること
このほか最近の数年間、私が研究授業をする際に挑戦したことは、作品の生まれた地元へ足を運ぶことでした。「やまなし」の時はイーハトーブ、つまり岩手県の花巻にある「宮沢賢治記念館」へ。「ごんぎつね」の時は愛知県半田市の「新美南吉記念館」へ。「平和の砦を築く」では「第五福竜丸展示館」へ参りました。
作者を育んだ土地の空気を感じることが、これほどまでに作品の本質に迫る力になるのかと驚いたものです。現地でなければ手に入らない貴重な資料もありましたし、作品の中に出てくる言葉が実感を伴って理解できました。それ以上に、作品に対する愛情が深まったことが研究の大きなエネルギーとなりました。
☆「やまなし」研究は西郷竹彦氏の著書から
「文芸教育研究協議会(文芸研)」という国語の研究団体があります。一読総合法で有名な「児童言語研究会(児言研)」と並んで、日本の国語教育を支えてきた団体です。(なんとK先生が文芸研で学んでいるそうです!みなさん、K先生にもいろいろ教えてもらってね!)
この文芸研の中心者が西郷竹彦先生(1920~現在)です。授業者として宮沢賢治作品を学ぶには、西郷先生の研究書を読むことが、おそらく最高レベルなのではないかと私は感じています。
文芸研の教育の目的は、
「自己、および自己をとりまく状況を、よりよい方向に変革しようとする主体を育てること」
としています。このような目的を持っている団体だからこそ、教材研究に妥協をしない実践を積み上げてきたのでしょう。文芸研の数々の研究書は、半端じゃない内容の深さがありますので、読んだだけで不思議と授業力は上がります。何故上がるのかは分かりませんが(笑…K先生に聞いて下さい。)
読んでいただきありがとうございます。
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