先月31日に行われた九電電気料金値上げ公聴会に出席、その原発依存体質を嫌と言うほど感じさせられた。瓜生社長、開口一番「福島原発のあの事象(爆発の映像)が頭に残っておられて…インパクトも強いので…原発に対する不安もおありでしょうが…」と、まるで原発事故がどこか遠い国で起きたような話しぶりに、まず驚いた。うちはあのような事故はしませんよ、と言わんばかりに「世界最高水準の原子力をつくる」とまで発言。原発に洗脳された電力会社の姿を目の当たりにした。と同時に、福島の原発事故によって起こった環境の変化に、九電はついていけていない、という郷原氏の言葉を思い出した。
公聴会では、瓜生社長が「今回の値上げは33年ぶりであり、この間30%の値下げを行ってきた。2年間(1兆円ともいわれる)内部留保を取り崩ししのいできた」としきりに繰り返し、値上げに理解を求めていた。それに対し、多くの陳述人が、九電の地域独占体制や総括原価方式、高額な役員報酬、再稼働を前提とした値上げ申請を批判。中でも、原発に依存してきた九電にこそ問題があるのであって、経営が悪化したからとそのツケを国民が支払うのはおかしい、という意見が数多く出た。ごもっともな意見陳述に幾度も拍手が起きた。(静止命令はでなかった)原発は稼働していなくとも多額のコストがかかる。しかし、今まで原発は安価だと、多くの国民が騙されてきた。安易に電気料値上げを許すということは、原発依存そのものを許すことになる。このまますんなり認可させることがあってはならないのである。
電気料値上げは、中小零細企業や社会的弱者に大きな負担を強いる。公聴会で心に残る意見陳述があった。中小企業で代表の方、苦しい経営状況の中で必死に頑張っている同志の思いを代弁。途中、言葉に詰まり涙声になりながらも切々と訴えておられた。また車椅子に乗ってこられた障害者の方、今の生活が一杯一杯、電気料金が上がれば命にかかわる、とすがるような眼差しで訴えておられた。あの方々の思い、瓜生社長に一体どれだけ届いただろうか。
公聴会のようす、質問に答える瓜生社長(写真右)
議事進行人は、安念潤司(中央大学法科大学院教授)電気料金審査専門委員会委員長
あまりの調子の良さに違和感を感じた(写真左)
報道陣も勢ぞろい、大半は午前中に引き上げた(写真は午後)
NHKニュースに私が、、とても厳しい顔で映っていた
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