ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

円山応挙の4作品  読んでみたくなる解りやすい解説  福田美術館「ゼロからわかる江戸絵画」より

2023-11-13 10:45:39 | 絵画展覧会

先日、京都・嵐山の福田美術館と嵯峨嵐山文華館が合同で開催している「ゼロからわかる江戸絵画」を楽しんだ。福田美術館はギャラリー1と2で江戸時代に京都で活躍した円山応挙や伊藤若冲、そして今回の展覧会の目玉となる52年ぶりに再発見された『大黒天図』を描いた長沢芦雪など、自由奔放に描いた彼らのオリジナリティあふれる絵が展示されていた。2階のギャラリー2では、狩野派や琳派による美しい屏風絵などが並んでいた。

 

同美術館のギャラリー1、2に展示されていた絵を撮影し、解説もすべて絵と一緒に掲示されていたものをほぼそのまま転載し紹介する。今回は、円山応挙の4作品。

 

 

巖頭飛雁図 1767年 ―応挙の「写生」が花開く―

この絵は風によって波しぶきをあげる水面に、今まさに着水しようとする雁と、それにつづき2羽を描いています。羽を大きく上げて躍動感あふれる雁は、応挙が得意とした「写生」の成果のひとつです。応挙35歳の時の作品。

 

 

竹に狗子図 1779年 ―笑みがこぼれるコロコロわんこ―

竹と犬を描いた作品は、漢字の「竹」と「犬」を組み合わせると「笑」という漢字に似ていることから「一笑図」と呼ばれます。応挙の描く仔犬は、先端が垂れた耳や背中側に曲がる尻尾といった特徴から、紀州犬を写したといわれます。応挙47歳の時の作品。

 

 

 

龍図 1788年 ―弟子の家の小襖代は約10万円―

激しい風の中で身を躍らせる龍。雲に隠れるように描かれるのが一般的ですが、この龍は尻尾以外の全身を見せています。墨の濃淡を絶妙に変化させることで、湿気を多く含んだ真っ黒な雨雲と波しぶきを見事に表現しています。応挙56歳の時の作品。

 

 

陶淵明図屏風 1778年 ―さも見てきたかのよう―

全面に金箔が貼られた画面に、中国風の服を着た人物が描かれています。一番左に長いひげを生やし、頭巾をかぶって、手を後ろに組んでいるのが中国の文学者、陶淵明(とうえんめい)です。描かれた人物は全員、理想化された端正な顔立ちをしています。応挙46歳の時の作品。

 

 

写真/ 渡邊雄二

解説/ 福田美術館

 

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歌川国芳の「神仏曼荼羅浮世絵図」 【神戸ファッション美術館-浮世絵Ⅲ】

2023-08-15 15:04:57 | 絵画展覧会

歌川国芳の左甚五郎

 

 

タイトルの「左り甚五郎」とは江戸時代初期の伝説的な宮大工で、左利きであったためこのように呼ばれた。図の中央で聖徳太子像を彫る人物がその甚五郎であるが、実はこの絵の作者である歌川国芳本人でもある。肩にかけている手拭や座布団には、国芳のトレードマーク「芳桐紋」。傍らにいる三毛猫は猫好きで有名な国芳の飼い猫だろう。地獄変相図のどてらは、国芳の愛用品として知られている。

国芳=甚五郎が作っているのは、不動(明王)と制多迦(せいたか)・矜羯羅童子(こんがらどうじ)、関羽、福禄寿、百衣観音、釈迦(如来)、雷神、閻魔(えんま)、仁王などの神仏像。これらが全て役者の似顔になっている。

(以上は、神戸ファッション美術館に展示されている同浮世絵の解説文を転載)

 

この浮世絵を見て、まっさきに頭に浮かんだタイトル(独断と偏見)が「神仏曼荼羅浮世絵図」。聖徳太子像を彫る左甚五郎を国芳本人に見立て、周りに人気役者の似顔でバリエーションに富んだ神仏を描いている。不動明王とその従者である両童子は考えられるが、中国・三国志に登場する関羽、そして七福神の福禄寿は想像もつかない異質な題材である。さらに、お釈迦さんに雷神や閻魔までが登場している。想像を絶するユニークな浮世絵というしかない。まさに “国芳イマジネーション” の世界である。

 

江戸時代の娯楽の一つ「浮世絵」は、町人を楽しませる江戸メディアを代表するアート作品として大人気を博した。

 

 

中央部分/左甚五郎(国芳本人)、聖徳太子、福禄寿、達磨、そして猫一匹など

 

 

右部分/関羽、普賢菩薩、観音菩薩、不動明王など

 

 

左部分/金剛力士像、雷神、閻魔大王など

 

 

リポート&写真/ 渡邉雄二

浮世絵/ 神戸ファッション美術館「花のお江戸ライフ」

 

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燃える赤富士の周りに、ひとあし早く「しだれ桜」満開 【伊藤弘之個展<私の視点7>】

2023-01-20 13:54:52 | 絵画展覧会

 

神戸南京町では来る22日(日)、27日(金)~29日(日)春節祭の催しが行われる。もうすでに南京町は飾りつけされ、多くの観光客などで賑わいをみせている。

昨日、その南京町に久しぶりに行ってきた。

何度も紹介している洋画家の伊藤弘之先生の個展「私の視点7」が、昨日から24日(火)まで南京町通りの南京町ギャラリーで開催されている。

 

今回の「視点7」では、ギャラリーの入口を入り壁の中央に「赤富士(20F)」がメイン展示として飾られてある。山頂付近に少し雪をかぶる富士の山肌が赤く染まっている。そして、麓に広がる白雲が富士を支える台座のように見える。夕闇の中に白と赤のコントラストが、この富士の迫力をさらにかもし出している。

 

この赤富士の周りを彩るのが、伊藤弘之先生独特の「桜風景」。しだれ桜の下にメリーゴーランドが幻想的に描かれている。また、メリーゴー-ランドから抜け出した馬が桜の中で力強く翔けている。

冬本番のさ中であるが、季節が移ろうなかで初春の温もりがこの絵から伝わってくる。春のうららの南京町の一隅では燃える赤富士としだれ桜がひとあし早く楽しめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リポート&写真/  渡邉雄二

 

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尾道・文化紀行 https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/

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