寺院を訪れるのは、その寺院に祀られている本尊を参拝することが第一の目的であるのは言うまでもない。
それ以外に寺院が所蔵する文化財を観に行く人、また雰囲気や空気感が好きで訪れる人も多くいる。
そして、私のように仏像に興味を持つ人たちも多いだろう。
奈良東大寺はなんといっても “奈良の大仏さん” で知られている寺院である。
鎌倉時代の初頭に南大門は再建され、そのあとすぐ、その門内に安置する金剛力士像(仁王像)は造像された。
その製作にかかわったのが運慶・快慶らと慶派の仏師たちである。
仏像の中でもとくに仁王像の魅力は、やはり大きさと迫力ある頑強な造形美であろう。
その中でも東大寺・南大門の仁王像は見事というしかない。
風雨にさらされる門内安置としては唯一の国宝指定を受けている像である。
通常、仁王像は二体とも門内で本堂を背に正面を向いているが、南大門の阿形像と吽形像は向きあっている。
これも珍しいとされている。
それは、風雨の被害をできるだけ避けるため仁王像同士が対面しあうように安置され
南側は閉鎖し保護されているわけである。
新型コロナウイルス感染騒動が終息した折に、奈良を旅されることがあれば、ぜひ東大寺へ。
そして南大門でしっかり本堂を警護する仁王像とご対面されるのも新たなご縁が生まれるはずである。
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