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第96回アカデミー賞、結果発表。「君たちはどう生きるか」「ゴジラ-1.0」が受賞など

2024年03月11日 | 瓦版


▼第96回アカデミー賞、結果発表。「君たちはどう生きるか」「ゴジラ-1.0」が受賞

<作品賞>



日本時間の11日午前、第96回アカデミー賞の結果が発表された。
作品賞を制したのは13部門にノミネートされていた「オッペンハイマー」で、
監督賞、主演男優賞を含む最多7部門で受賞するなど2023年を代表する作品となった。

「落下の解剖学」
「バービー」
「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
「マエストロ:その音楽と愛と」
「オッペンハイマー」
「パスト ライブス/再会」
「哀れなるものたち」
「関心領域」
「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」
「アメリカン・フィクション」

原爆の父と呼ばれた米物理学者ロバート・オッペンハイマーの伝記映画で
オッペンハイマーを演じるのは「ダンケルク」などノーラン作品の出演歴の多いキリアン・マーフィ。
共演はエミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr、フローレンス・ピュー、
ジョシュ・ハートネット、ケイシー・アフレック、ラミ・マレック、ケネス・ブラナーと錚々たる顔ぶれ。
日本公開は2024年3月29日とまだこれから。

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<監督賞>

ジュスティーヌ・トリエ「落下の解剖学」
マーティン・スコセッシ「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
クリストファー・ノーラン「オッペンハイマー」
ヨルゴス・ランティモス「哀れなるものたち」
ジョナサン・グレイザー「関心領域」

接戦が予想されていた監督賞も「オッペンハイマー」のクリストファー・ノーランが受賞。
ノミネートされていた5作品全てが高評価の中、
ヨルゴス・ランティモスとの一騎打ちと言われていたが競り勝った。

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<主演男優賞>

ブラッドリー・クーパー「マエストロ:その音楽と愛と」
キリアン・マーフィー「オッペンハイマー」
コールマン・ドミンゴ「ラスティン:ワシントンの『あの日』を作った男」
ジェフリー・ライト「アメリカン・フィクション」
ポール・ジアマッティ「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」

主演男優賞も「オッペンハイマー」のキリアン・マーフィーが獲得。
近年は監督業でも成果を挙げているブラッドリー・クーパー、
曲者といえばのポール・ジアマッティ、安定感のジェフリー・ライトなど
個性豊かな顔ぶれの中での受賞。

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<主演女優賞>



アネット・ベニング「ナイアド ~その決意は海を越える~」
エマ・ストーン「哀れなるものたち」
リリー・グラッドストーン「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
ザンドラ・ヒュラー「落下の解剖学」
キャリー・マリガン「マエストロ:その音楽と愛と」

前哨戦と言われる映画賞でも圧倒的な強さだったエマ・ストーンが獲得。
「哀れなるものたち」は11部門ノミネートで4部門受賞と今回のオスカーのNo.2的な存在となった。
監督は私の大好きな映画「女王陛下のお気に入り」のヨルゴス・ランティモス。
共演はマーク・ラファロ、ウィレム・デフォー。

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<助演男優賞>

ロバート・デ・ニーロ「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
ロバート・ダウニー・Jr.「オッペンハイマー」
ライアン・ゴズリング「バービー」
マーク・ラファロ「哀れなるものたち」
スターリング・K・ブラウン「アメリカン・フィクション」

今回のオスカーで一番の大接戦と言われていた助演男優賞も「オッペンハイマー」のロバート・ダウニー・Jr.の手に。
デ・ニーロとダウニー・Jrとライアン・ゴズリングとマーク・ラファロが並ぶ豪華さはオスカーでも滅多にない。

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<助演女優賞>



ダニエル・ブルックス「カラーパープル」
ジョディ・フォスター「ナイアド ~その決意は海を越える~」
エミリー・ブラント「オッペンハイマー」
アメリカ・フェレーラ「バービー」
ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」

助演女優賞は、ノミネート発表時にはまだ日本公開が決まっていなかった
「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」のダヴァイン・ジョイ・ランドルフが獲得。
当BLOGでも紹介した「サイドウェイ」「ファミリー・ツリー」など
中年男性の心の琴線に触れる作品を多く手がけているアレクサンダー・ペイン監督が
「サイドウェイ」でも組んだポール・ジアマッティを主演に迎えて描いたドラマ。
1970年代のマサチューセッツの全寮制寄宿学校を舞台に
ポール演じる皮肉屋の教師が帰省できなかった生徒達と共に疑似家族としてクリスマス休暇を過ごす物語。
ダヴァイン・ジョイ・ランドルフは、寄宿学校の食堂で働く料理長を演じている。
日本公開は2024年6月21日。

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<脚本賞>



セリーヌ・ソン「パスト ライブス/再会」
アルチュール・アラリ、ジュスティーヌ・トリエ「落下の解剖学」
ブラッドリー・クーパー、ジョシュ・シンガー「マエストロ:その音楽と愛と」
デヴィッド・ヘミングソン「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」
サミー・バーチ、アレックス・メヒャニク「May December(原題)」

脚本賞を受賞したのは、現在日本でも劇場上映中の「落下の解剖学」。
雪山の山荘で起こった悲しい事故について調べていくと、恐るべき真実が次々と明らかになるミステリー。
第76回カンヌ国際映画祭では最高栄誉のパルムドールを受賞し、
ゴールデングローブ賞でも主要部門に複数ノミネートし、脚本賞など2部門を受賞した。
「May December」はナタリー・ポートマン、ジュリアン・ムーアなどが共演する話題の作品だが
未だに日本公開が聞こえてこない。このまま配信だろうか。



<脚色賞>



クリストファー・ノーラン「オッペンハイマー」
トニー・マクナマラ「哀れなるものたち」
グレタ・ガーウィグ、ノア・バームバック「バービー」
ジョナサン・グレイザー「関心領域」
コード・ジェファーソン「アメリカン・フィクション」

脚色賞はパーシバル・エベレットの小説を「ウォッチメン」の脚本家であるコード・ジェファーソンが
初メガホンをとって完成させた監督デビュー作。
カナダのトロント国際映画祭で最高賞にあたる観客賞を受賞したのを筆頭に
ゴールデングローブなどアカデミーの前哨戦でも存在感を発揮していた。
主演のジェフリー・ライト、助演のスターリング・K・ブラウン共にノミネートされていたが惜しくも逃してしまった。



<撮影賞>

エドワード・ラックマン「伯爵」
ロドリゴ・プリエト「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
マシュー・リバティーク「マエストロ:その音楽と愛と」
ホイテ・ヴァン・ホイテマ「オッペンハイマー」
ロビー・ライアン「哀れなるものたち」



<編集賞>

「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
「オッペンハイマー」
「哀れなるものたち」
「落下の解剖学」
「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」



<美術賞>

「哀れなるものたち」
「バービー」
「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
「ナポレオン」
「オッペンハイマー」



<衣装デザイン賞>

「哀れなるものたち」
「バービー」
「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
「ナポレオン」
「オッペンハイマー」



<メイクアップ&ヘアスタイリング賞>

「オッペンハイマー」
「哀れなるものたち」
「マエストロ:その音楽と愛と」
「雪山の絆」
「Golda(原題)」

美術・衣装・ヘア&メイクとビジュアル3部門を無双したのが「哀れなるものたち」。
これはもう、予告編を見ただけでも明らかなほどセンスの塊なので当然の結果と言える。



<作曲賞>

ジョン・ウィリアムズ「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」
ロビー・ロバートソン「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
ルドウィグ・ゴランソン「オッペンハイマー」
ジャースキン・フェンドリックス「哀れなるものたち」
ローラ・カープマン「American Fiction」



<歌曲賞>



「What Was I Made For?」(「バービー」)
「The Fire Inside」(「フレーミングホット!チートス物語」)
「I'm Just Ken」(「バービー」)
「It Never Went Away」(「ジョン・バティステ:アメリカン・シンフォニー」)
「Wahzhazhe (A Song for My People)」(「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」)



<音響賞>

「ザ・クリエイター/創造者」
「マエストロ:その音楽と愛と」
「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」
「オッペンハイマー」
「関心領域」



<視覚効果賞>



「ゴジラ-1.0」
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」
「ザ・クリエイター/創造者」
「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」
「ナポレオン」


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ノミネートされていた「ゴジラ-1.0」が見事に受賞。



<国際長編映画賞>



「PERFECT DAYS」(日本)
「雪山の絆」(スペイン)
「関心領域」(イギリス)
「Io capitano(原題)」(イタリア)
「ありふれた教室」(ドイツ)

国際長編映画賞では、日本から「PERFECT DAYS」がノミネートされていたが惜しくも逃し
主要部門にも複数ノミネートされていた「関心領域」が順当に受賞。
監督は今も強烈な印象が残っているSF映画「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」のジョナサン・グレイザー。
第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でもパルムドールに次ぐグランプリを受賞している。



<長編アニメーション賞>



「君たちはどう生きるか」
「マイ・エレメント」
「ニモーナ」
「ロボット・ドリームズ」
「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」

大注目だった長編アニメーション賞は、宮崎駿の監督復帰作である「君たちはどう生きるか」が獲得。
ゴールデングローブ、英国アカデミー賞に続きオスカーも制する偉業を達成した。
「千と千尋の神隠し」から21年振り、2度目の受賞が
多くの日本人にとって今回のオスカーで一番大きなトピックだったのではないだろうか。

【関連記事】映画「君たちはどう生きるか」私は40年、ずっと問われ続けてきたのかもしれない

公開初日の鑑賞記録で少し触れたのと同じ感想を、海外の方々も感じたのかと思うと嬉しい。
日本では「意味不明」「難解すぎる」「老いた」など、様々なマイナスな意見も飛び交っていたが
ポジティブな声よりもネガティブな声に支配されがちな日本のファンよりも
海外のファンの方が素直に作品のメッセージを受け止め、楽しむことが出来たということなのかも知れない。
ジブリが配給を請け負う海外アニメ作品は「キリクと魔女」「しわ」「レッドタートル」など
示唆に富んだ深いメッセージ性を持つ作品が多く、それらの作品に近い婉曲表現を多用した
「君たちはどう生きるか」が日本よりも海外で高く評価されたことは、ある意味で自然なことと言えるだろう。



<長編ドキュメンタリー賞>

「ボビ・ワイン:ゲットー・プレジデント」
「The Eternal Memory(英題)」
「Four Daughters(英題)」
「虎を仕留めるために」
「実録 マリウポリの20日間」

「虎を仕留めるために」はNetflixで視聴可能。



<短編ドキュメンタリー賞>

「The ABCs of Book Banning(原題)」
「The Barber of Little Rock(原題)」
「Island in Between(原題)」
「ラスト・リペア・ショップ」
「世界の人々:ふたりのおばあちゃん」

「ラスト・リペア・ショップ」「世界の人々:ふたりのおばあちゃん」はディズニープラスで視聴可能。



<短編アニメーション賞>

「Letter to a Pig」
「Ninety-Five Senses(原題)」
「Our Uniform(原題)」
「Pachyderme(原題)」
「WAR IS OVER! Inspired by the Music of John and Yoko(原題)」



<短編実写映画賞>

「彼方に」
「Invincible(原題)」
「Knight of Fortune(原題)」
「Red, White and Blue(原題)」
「ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語」

「ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語」「彼方に」はNetflixで視聴可能。



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定期的にここでチェックして、備えを万全にしておきたい。

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2018年の大阪府北部地震以降、我が家にも備えのトランクに防災グッズを詰め込んだものを用意するようになった。



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2 コメント

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ni.oさん ()
2024-03-12 15:43:30
こんにちは。

受賞はおめでたいですね。

今の日本って「最初にこういう伏線があって
それはこういう意味で、あれは●●のメタファーで」みたいな
隅々まで解説してくれないと楽しめないみたいな
鑑賞スタイルが広まりすぎかなと思います。
タイパ重視の現在、若い子にとっては
浜村淳みたいなエンドロール以外はほぼネタバレするような
解説者の方がありがたがられるのかなあと(笑)
返信する
Unknown (ni.o)
2024-03-11 17:54:01
コメント失礼します。

公開初日に観に行った
身としては、今回の
アカデミー賞受賞は
本当に嬉しい思いです。

万人向けのエンタメ作品が
一般受けする日本では
好き嫌いの反応が
両極端な印象でしたが

海外では絶賛されて
今回のアカデミー賞受賞に
なった事は本作のファンと
しては純粋に嬉しい思い
になりました。
返信する

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