呑む気オヤジ/蔵王山麓蓬莱庵便り

訳アリで山暮らしから都会に戻ったオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

呑む気父さんの読書感想文・その36「椿山課長の七日間」

2006-12-10 | 本の話
椿山課長の七日間

朝日新聞社

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♪「椿山課長の七日間」浅田次郎著 朝日文庫

身内が逝けば、残された者は嘆き、悲しむ。
「もう会えない、さぞかし無念だろう、心残りだろう」と悲しむ。
逝った者が若ければ若いほど、その思いは強くなる。
逝った者が現世に残してきた家族や、やり残した仕事が気になって
冥土から7日間だけ甦ることを許される。
そして姿を変えて家族や恋人に会い、自分の思いの丈を精一杯伝えようとするが・・・。
浅田次郎ならではのユーモアとペーソスたっぷりに死者の甦りが綴られる。
笑いながらもホロっとさせられる秀作だ。

この話しのように、死者に意識があり残った者の思いを理解してくれるなら
残された者はどんなに楽なことだろう。
私はこんなにあなたのことを想っている、こんなに悲しんでいる、
あなたが極楽で安らかに眠っているか心配している、あなたの分まで頑張る、
そのことを、逝ってしまったあの人は分かっていてくれる・・・。
それと本当に逝った者が僅か7日間でも、やり残したこと、思い残したことを
始末できる、整理できるとしたら、「死者」もどんなに幸せなことか。

「今では、相当の罪人でも講習を受け〈反省ボタン〉を押せば
大抵の人が極楽に往ける」らしい。
極楽では誰もが、会いたかった人々と満ち足りた生活が営める。
天涯孤独の重罪人だって、例外ではない。
自分の愛した者が、そんな極楽浄土に召されるのなら
人間の死なんて、怖くもないし悲しいことでもない。
みんなそうなるよう願っているんだけど
それが誰も確信できないから、悲しむんだよね。

追伸)
映画の方もぜひ観たい。
なにせエンディングテーマソングがコブクロの「あなたへと続く道」だよ!
最初この話を聞いたときに「なんで?」と思った。
でも本を読んでみれば、まさにぴったり!
自分は死んでしまった、でも現世に残してきたあの人に会いたい・・・。
「会いたくて、会いたくて、涙の海一人漕ぎ渡る・・・」
うぅ~、想像しただけで泣けてしまう・・・。
一緒に映画を観に行こうよ!誰でもいいからさぁ!





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4 コメント

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女房と行くのは吝かではないが (呑む気父さん)
2006-12-11 22:38:13
別に女房と行くのは全然構わないのですが
なんか女房の前では泣きたくないですね。
女房に弱みなんか見せられるか!てなもんです。
まりんさんの旦那さんも同じでしょう。
これが彼女なんかだったら、素直に涙流したりしてね!
もっともそんな相手は私にはいませんが・・・。
旦那さんはどうなんでしょう!?
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我が旦那 (まりん)
2006-12-11 07:38:00
この映画観たいらしいです まりんも 観たい



けど 映画館で泣くのは恥ずかしいので レンタルされるまで 待つ と めっずらしく 夫婦の意見が一致致しました



父さん 奥さまとは観に行かないの?



と 聞きましたが まりんは旦那と観に行く気は これっぽっちも ありませんでしたがね(苦笑)
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映画、観たい! (呑む気父さん)
2006-12-11 00:10:36
Kさん、コメントありがとう。
映画は観ていないんです。
本文には入れ忘れたけど、「あなたへと・・・」はこの話しにぴったりですね。最初はなんで?と想ったんだけど・・・。
「会いたくて、会いたくて、涙の海(冥土の海)ひとり漕ぎ渡る・・・」凄くぴったりで、映画なら泣けるだろうな。
あとで、本文に追伸します。
これからも宜しく!
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あなたへと続く道 (仙台のKです)
2006-12-10 21:50:19
なかなか深いコメントだね。
小説の方は結構考えさせられたよ。
その分映画はノリがよかったんだけど,エンディングのコブクロの「あなたへと続く道」でぐっときてしまったね。呑む気父さんは映画は観てないの?
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