15.2 鳥によって創られたもの
小鳥の巣は、レベルの高い構築物であり、卵を温め、ヒナを育てるために、限れれた材料によって、雨や風を防ぐ立地、外敵から卵やヒナを守りながら、卵を温めるための断熱性を保ち、病原菌などから守るために乾燥状態をたもって、そして強度と心地良さをそなえていなければならない。
この巣はツガイの親鳥によって約2ヶ月に渡って使用される。鳥が巣を作るタイミングは、春から初夏にかけてであり、秋の渡りの時期には、独り立ち出来ていなければならない。
孵化から巣立ちまでの1ヶ月は、すざましいヒナの食欲と成長のために、猛烈にエサを確保しなければならない。ヒナを育てることは、親鳥の体力と知能とツガイの強い連繋を要求する。産卵や出産後に子育てを行うのは、基本的には鳥類と哺乳類だけである。
鳥類は、精巧な巣造り、求愛のダンスやさえずり、高度な狩り、群れでの渡りなど、脳の大きさに比して高等な知能を持っている。鳥類は哺乳類と同等な知能と長寿を持っている。それは、鳥類が縄張りを確保し、巣を造り、卵を温め、ヒナの成長にあわせてエサを与え、ヒナの糞を排出し、巣立ちへのトレーニングを行い、時には外敵に対して擬態まで行なって、ヒナを守ることによって、その知能は発達したと考えられる。
では、この知力、体力(エントロピーに逆走して、ある目的のために、幾つかの行為を集積する力)は、何によって生まれるのだろうか。鳥類は空を飛ぶために、強力な筋力と強制空気交換される肺、高い代謝率、雌雄の分化、ツガイによる子育て、長距離の渡りによって、筋力と知能を鍛えた。
鳥類の肺は前後に2つの気嚢を持つ。それぞれに肺に繋がる管と、排気(気管)に繋がる管と弁を持つている。気管から入った空気の半分は、直接後部の気嚢に入り、残りの半分は、肺を通って、前部気嚢に入り、次に排気される。後部気嚢に入った空気は、肺を経由して排気される。
空を飛ぶことは、高度な運動能力とバランス感覚と徹底した効率の消化気管、循環器と栄養価の高い昆虫、小魚、果実を食べる必要がある。森に多くの鳥がいて、賑やかな鳥のさえずりが聞こえることは、豊かな森の象徴であり、エントロピー逆走の頂きでもある。(第22回)
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