コメント
活字 誤植 書体
(
菊池尚泰
)
2007-05-12 08:27:11
遅まきながら4月の記事のコメントで失礼します。
郡と都の誤植ですが。この硬券は52年でしょうか?硬券の印刷が
どのようにして行われて居たのか良く知りませんが、鉛の活字を
差し替えて行っていた可能性は有ると思います、であれば
活字を拾う時に都と郡を間違えて拾った、何ゆえ間違えたか
手書きの原稿の文字が略字で書かれていたあるいは乱雑に書かれて
いたと想定されます。
下手に略すと見違え易い文字です。
活字を拾う立場の人間は宇を拾い都を拾い宮を拾うのであって
宇都宮と読んでから三文字を拾う習慣は有りません、文章を拾う場合も同じで、原稿を見るのであって読んで仕舞っては活字の拾う速度は遅くなり、迅速な作業は出来ません。
寄って、略字で書かれた都は郡に読み違えられ拾われたと推察します、普通、活字を拾う人と、植字をする人は違うのですが、
文字を見るのであって読まないとする認識は同じで、活字を並べる事に集中するのが一流の職人です。
概ね、そのようなことが誤植の理由かと思います。
つまり、依頼の原稿の文字が拙かった。
訂正印の宇都宮の文字は隷書と篆書(てんしょ)の間 強いて言えば篆書と思います、多分手彫りでしょう。
この書体の活字は無かったはずですし、写植の文字盤にも当時は
この書体はまだ無いと思われますから、飽くまで 憶測の域をでませんが一つの見解として、お知らせ致します。
菊池尚泰さま
(
isaburou_shinpei
)
2007-05-15 00:56:46
コメントありがとうございます。
今回の券は特活ではなく、活字組版によるものと思われます。ただ、この券を印刷した東京印刷場は国鉄の乗車券専門の印刷場ですので、いくら原稿が醜かろうと宇都宮を「宇郡宮」と拾う職人は居ないとおもいます。一番考えられることは、かつてその活字をもとの収納場所へ戻すとき、「郡」の字を大変似ている「都」のところに戻してしまい、それが使用されたものと推測されます。
誤植
(
菊池尚泰
)
2007-05-17 07:32:32
isaburou shinpei 様
活字の返却の際の誤りは確かに怒り得ます、その確率は有る意味
濃厚です。
東京印刷場についての知識が無いのですが、印刷の工場などでは
使用した活字を1回でメツにして溶かして仕舞うケースもあります
再度利用する活字の場合はインクを綺麗にしてから、活字のケースに戻したと思いますが、出来立ての活字と違い使用した活字は光沢が無くなり、見づらい文字面となることは確かです。
凸版印刷の印刷博物館に行くと、今でも真新しい活字が沢山あり
活版印刷の基礎を学ことができます。
ダッチングマシーンの印字輪の再生のことで是非書きたいことが有りますが、慈善事業に近いのですが、商売であることに
違いはなく、無断でここに書き込みは遠慮します。
私の調べでは40社の民鉄が今でも338台のダッチングマシンを
利用しています。この印字輪の年号を如何に刷新するかのコメントが有るのですが、
許可がいただければ、次回記載させて頂きます。
活字返却ミスなるほど。
(
菊池尚泰
)
2007-05-17 08:27:20
今し方コメントしたのですが、誤植の件で誤字を書きました
怒りうるは間違い、起こりうるが正解です、お詫びとともに訂正いたします。
さて、手元に 金属活字活版印刷ものがたり、
内外文字印刷株式会社 活版工房 小林舎 様が自社で鋳込んだ
鉛の活字で作成された素晴らしい活字の見本帳があります。
isaburou shinpei 様の申される活字の誤返却の推測の件を文字帳から見ますと、邦 邪 邸 郊 郡 郭 郎 部 郵 都 郷と並びます、郡と都は6マスしか離れていないので、誤って郡を都の活字のマスに返却することは大いに有ります。納得
ちなみに小林舎 様は今でも活版印刷を請け負う、貴重な存在の
印刷屋さんであり、活字の製造元でもあります。
代表者 小林 敬 氏は活版印刷の生き字引の様な方です。
板橋区清水町に、工場とショールームがあります。
菊池尚泰さま
(
isaburou_shinpei
)
2007-05-19 02:53:47
以前拙ブログ
http://blog.goo.ne.jp/isaburou_shinpei/e/6bbd676f9e1d1d96e4a62a4dc913c85f
にも登場させましたが、我が家のダッチング君もある業者様の手によってオーバーホールし、平成(?)29年まで印字可能に生まれ変わりました。
実際に硬券を扱っている民鉄各社でも、ダッチングの故障や印字可能な年号が対応できないという理由から回転ゴム印による日付捺印が行われているようです。
おそらく、趣味で個人的にお持ちで、出来ればそのような改造をしたい方はおられると思います。もし慈善事業レベルのものであればご掲載ください。
ただし、その後のお取引につきましては当事者間によるものとし、トラブルその他には一切関知いたしません。
DATINGMACHINE
(
菊池尚泰
)
2007-05-21 11:55:27
isaburou shinpei 様からお許しが得られましたので、ダッチングマシーンの印字輪の日付の交換について、これまでの経緯を簡単に記載させて頂きます。
当方はゴム印、金属活字などを取り扱う専門のメーカーです。
特に特殊な精密ゴム印の依頼、金属活字の依頼には豊富な実績と経験を所有しております。
今年の2月に関東の大手民鉄様から、所有しているダッチングマシーンの印字輪が平成19年で無くなって仕舞うので、何とか対処出来ないかとのご相談を受けました、ダッチングマシーンとは何ぞやとインターネットを調べると、くしくもこちらのホームページに遭遇して色々と学ばせて貰いました。
取りあえず金属彫刻で30台ほどの見積りを提出いたしました。
テンコーの印字輪は亜鉛の鋳造で製造されていますが、鋳造の為の
金型は極めて高額で、しかも亜鉛の鋳造のロットは最低でも1万個
単位となり、このお引き合いの民鉄の数量の数十台では到底採用するに至らない製造手段でした。
そこで、民鉄の協会に加盟 非加盟にかかわらず民鉄各社に対し
ダッチングマシーンを現在も利用されているか?とのアンケートを
取りました、そして73社のご回答を頂き42社で357台のダッチングマシーンが現役で稼働していることを把握しました。
そこで、欧州の同業者と話しあい、特別に安いコストで亜鉛の鋳造による印字輪の見積りを貰い、ダッチングマシーンを利用しているとの回答を呉れた各社に破格の価格を提示しました。
硬券とダッチングマシーンは鉄道文化そのものであり、
これからも各民鉄に利用して貰いたいと考えた次第です。
最低受注数量250台で仮受注を5月15日で締め切りました、頂いた台数は6社で27台でした、この数では手の打ちようが有りません
、再度、各社に15日が締め切り日である旨の文面を FAX したところ50台15台と二社が仮注文に参加して呉れましたが、
250台にはほど遠い状況でした。
多くの民鉄は29年までは印字可能と、解釈していることと、当方の要求が前金50%の条件をクリヤーするのが難しい状態だったようです。
鋳造の金型の支払が50%前金であるので、当方もこの条件を
出さざるを得ませんでした。
29年まで印字輪があると判断されている、民鉄が多く有りますが
元号が変わった時は01.あるいは-1.などの表記に変わります。
この時点ですべてのダッチングマシーンは利用出来なくなります。
現在の当方の仮予約受付はあくまで250台を最低限度としています
250台の受注が無ければ倍の価格の彫刻した印字輪に見積りが
変更されます。
価格が高くなれば、注文は更に減少すると判断されます。
日本国内の鋳造業者では到底できない、安い価格と少ないロットを
提示したのですが、今のままで推移すると、ダッチングマシーンは
絶滅危惧種に成りそうです。
民鉄協会や大きな同好会などが、不足の台数を補填してくれれば
まだ、ダッチングマシーンは生き残れるチャンスはあるのですが。
ちなみに15日の締め切りを25日に切り替えたのですが、
その後の回答は不要が1社のみでした。
ダッチングマシーンが市場から消えた時、何とか印字輪を造ろうと
努力した会社が合ったことは、このホームページのファンの方々の記憶に留めて頂きたいと願う次第です。
ご迷惑な投稿であれば、削除頂いて結構です。
菅沼
(
菊池尚泰
)
2007-05-26 07:48:35
オークションに何と菅沼のダッチングマシーンが出ています
http://search5.auctions.yahoo.co.jp/jp/search/auc?p=+DATING+MACHINE++&auccat=2084007713&alocale=0jp&acc=jp
以前、偶然に神田の交通博物館で所蔵する菅沼のダッチングの
写真を見たことはありますが、オークションでは始めて見ます。
良く相場をご存知の依頼人のご様子。
ご参考になれば幸甚です。
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郡と都の誤植ですが。この硬券は52年でしょうか?硬券の印刷が
どのようにして行われて居たのか良く知りませんが、鉛の活字を
差し替えて行っていた可能性は有ると思います、であれば
活字を拾う時に都と郡を間違えて拾った、何ゆえ間違えたか
手書きの原稿の文字が略字で書かれていたあるいは乱雑に書かれて
いたと想定されます。
下手に略すと見違え易い文字です。
活字を拾う立場の人間は宇を拾い都を拾い宮を拾うのであって
宇都宮と読んでから三文字を拾う習慣は有りません、文章を拾う場合も同じで、原稿を見るのであって読んで仕舞っては活字の拾う速度は遅くなり、迅速な作業は出来ません。
寄って、略字で書かれた都は郡に読み違えられ拾われたと推察します、普通、活字を拾う人と、植字をする人は違うのですが、
文字を見るのであって読まないとする認識は同じで、活字を並べる事に集中するのが一流の職人です。
概ね、そのようなことが誤植の理由かと思います。
つまり、依頼の原稿の文字が拙かった。
訂正印の宇都宮の文字は隷書と篆書(てんしょ)の間 強いて言えば篆書と思います、多分手彫りでしょう。
この書体の活字は無かったはずですし、写植の文字盤にも当時は
この書体はまだ無いと思われますから、飽くまで 憶測の域をでませんが一つの見解として、お知らせ致します。
今回の券は特活ではなく、活字組版によるものと思われます。ただ、この券を印刷した東京印刷場は国鉄の乗車券専門の印刷場ですので、いくら原稿が醜かろうと宇都宮を「宇郡宮」と拾う職人は居ないとおもいます。一番考えられることは、かつてその活字をもとの収納場所へ戻すとき、「郡」の字を大変似ている「都」のところに戻してしまい、それが使用されたものと推測されます。
活字の返却の際の誤りは確かに怒り得ます、その確率は有る意味
濃厚です。
東京印刷場についての知識が無いのですが、印刷の工場などでは
使用した活字を1回でメツにして溶かして仕舞うケースもあります
再度利用する活字の場合はインクを綺麗にしてから、活字のケースに戻したと思いますが、出来立ての活字と違い使用した活字は光沢が無くなり、見づらい文字面となることは確かです。
凸版印刷の印刷博物館に行くと、今でも真新しい活字が沢山あり
活版印刷の基礎を学ことができます。
ダッチングマシーンの印字輪の再生のことで是非書きたいことが有りますが、慈善事業に近いのですが、商売であることに
違いはなく、無断でここに書き込みは遠慮します。
私の調べでは40社の民鉄が今でも338台のダッチングマシンを
利用しています。この印字輪の年号を如何に刷新するかのコメントが有るのですが、
許可がいただければ、次回記載させて頂きます。
怒りうるは間違い、起こりうるが正解です、お詫びとともに訂正いたします。
さて、手元に 金属活字活版印刷ものがたり、
内外文字印刷株式会社 活版工房 小林舎 様が自社で鋳込んだ
鉛の活字で作成された素晴らしい活字の見本帳があります。
isaburou shinpei 様の申される活字の誤返却の推測の件を文字帳から見ますと、邦 邪 邸 郊 郡 郭 郎 部 郵 都 郷と並びます、郡と都は6マスしか離れていないので、誤って郡を都の活字のマスに返却することは大いに有ります。納得
ちなみに小林舎 様は今でも活版印刷を請け負う、貴重な存在の
印刷屋さんであり、活字の製造元でもあります。
代表者 小林 敬 氏は活版印刷の生き字引の様な方です。
板橋区清水町に、工場とショールームがあります。
実際に硬券を扱っている民鉄各社でも、ダッチングの故障や印字可能な年号が対応できないという理由から回転ゴム印による日付捺印が行われているようです。
おそらく、趣味で個人的にお持ちで、出来ればそのような改造をしたい方はおられると思います。もし慈善事業レベルのものであればご掲載ください。
ただし、その後のお取引につきましては当事者間によるものとし、トラブルその他には一切関知いたしません。
当方はゴム印、金属活字などを取り扱う専門のメーカーです。
特に特殊な精密ゴム印の依頼、金属活字の依頼には豊富な実績と経験を所有しております。
今年の2月に関東の大手民鉄様から、所有しているダッチングマシーンの印字輪が平成19年で無くなって仕舞うので、何とか対処出来ないかとのご相談を受けました、ダッチングマシーンとは何ぞやとインターネットを調べると、くしくもこちらのホームページに遭遇して色々と学ばせて貰いました。
取りあえず金属彫刻で30台ほどの見積りを提出いたしました。
テンコーの印字輪は亜鉛の鋳造で製造されていますが、鋳造の為の
金型は極めて高額で、しかも亜鉛の鋳造のロットは最低でも1万個
単位となり、このお引き合いの民鉄の数量の数十台では到底採用するに至らない製造手段でした。
そこで、民鉄の協会に加盟 非加盟にかかわらず民鉄各社に対し
ダッチングマシーンを現在も利用されているか?とのアンケートを
取りました、そして73社のご回答を頂き42社で357台のダッチングマシーンが現役で稼働していることを把握しました。
そこで、欧州の同業者と話しあい、特別に安いコストで亜鉛の鋳造による印字輪の見積りを貰い、ダッチングマシーンを利用しているとの回答を呉れた各社に破格の価格を提示しました。
硬券とダッチングマシーンは鉄道文化そのものであり、
これからも各民鉄に利用して貰いたいと考えた次第です。
最低受注数量250台で仮受注を5月15日で締め切りました、頂いた台数は6社で27台でした、この数では手の打ちようが有りません
、再度、各社に15日が締め切り日である旨の文面を FAX したところ50台15台と二社が仮注文に参加して呉れましたが、
250台にはほど遠い状況でした。
多くの民鉄は29年までは印字可能と、解釈していることと、当方の要求が前金50%の条件をクリヤーするのが難しい状態だったようです。
鋳造の金型の支払が50%前金であるので、当方もこの条件を
出さざるを得ませんでした。
29年まで印字輪があると判断されている、民鉄が多く有りますが
元号が変わった時は01.あるいは-1.などの表記に変わります。
この時点ですべてのダッチングマシーンは利用出来なくなります。
現在の当方の仮予約受付はあくまで250台を最低限度としています
250台の受注が無ければ倍の価格の彫刻した印字輪に見積りが
変更されます。
価格が高くなれば、注文は更に減少すると判断されます。
日本国内の鋳造業者では到底できない、安い価格と少ないロットを
提示したのですが、今のままで推移すると、ダッチングマシーンは
絶滅危惧種に成りそうです。
民鉄協会や大きな同好会などが、不足の台数を補填してくれれば
まだ、ダッチングマシーンは生き残れるチャンスはあるのですが。
ちなみに15日の締め切りを25日に切り替えたのですが、
その後の回答は不要が1社のみでした。
ダッチングマシーンが市場から消えた時、何とか印字輪を造ろうと
努力した会社が合ったことは、このホームページのファンの方々の記憶に留めて頂きたいと願う次第です。
ご迷惑な投稿であれば、削除頂いて結構です。
以前、偶然に神田の交通博物館で所蔵する菅沼のダッチングの
写真を見たことはありますが、オークションでは始めて見ます。
良く相場をご存知の依頼人のご様子。
ご参考になれば幸甚です。