睘 カン 目部
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解字 金文は「目+〇(輪の玉)+衣」の会意。衣は〇の上下に別れる。死者の衣のえりもとに輪の玉を置いて、死者がよみがえることを願って見つめているかたちを表わす[字統]。衣の中の輪の玉は円形なので元に戻る意味がある。篆文で衣の上部が土に変化したが、楷書は一になった。新字体では衣あしのレは 丨 になるが、手書きではレも認められている。(『改訂常用漢字表』の「明朝体と筆写の楷書との関係について」を参照)
睘は、「よみがえる」「輪のかたち」のイメージがある。
イメージ
「よみがえる」(還)
「輪のかたち」(環・鐶・寰・鬟・圜)
音の変化 カン:還・環・鐶・寰・鬟・圜
よみがえる
還 カン・ゲン・かえる 辶部
解字 「辶(ゆく・くる)+睘(よみがえる)」の会意形声。よみがえってくること。現代字は衣あしの下部がレ⇒ 丨 になっているが、手書きではレも認められている。
意味 (1)かえる(還る)。かえす(還す)。もとにもどる。「還元カンゲン」(元にもどる)「還俗ゲンゾク」(出家した僧が再び世俗の人間にかえる)「返還ヘンカン」「往還オウカン」(①ゆきかえり。②ゆききする道) (2)また。ふたたび。
輪のかたち
環 カン・たまき・わ・めぐる 王部たま
玉環
解字 「王(玉)+睘(輪のかたち)」の会意形声。輪のかたちをした玉。また、輪のかたち・輪のかたちにめぐる意となる。現代字は衣あしの下部がレ⇒ 丨 になっているが、手書きではレも認められている。
意味 (1)たまき(環)。輪の形をした玉。「玉環たまき」 (2)わ(環)。輪のかたち。「環状カンジョウ」「環礁カンショウ」(環のかたちに海面を囲んでいるサンゴ礁)「金環キンカン」(金の輪)「金環蝕キンカンショク」(太陽の光が環状にみえる日食) (3)めぐる(環る)。めぐらす。まわる。かこむ。「環境カンキョウ」(人間を取り巻いている外界)「環流カンリュウ」(流れが元のほうへ戻る。巡って流れる。)「環視カンシ」(多くの人がまわりを囲んで見ている)「衆人環視シュウジンカンシ」「循環ジュンカン」(一回りして元にかえる)「血液循環ケツエキジュンカン」
鐶 カン・わ 金部
解字 「金(金属)+睘(輪のかたち)」の会意形声。金属の輪。
意味 わ(鐶)。かなわ。たまき。古代の腕飾りの一種。金属でできた輪。「刀鐶トウカン」(刀の頭部の輪)「指鐶シカン」(指輪)「耳鐶ジカン」(耳輪)「鐶付カンつき」(釜の鐶を付けるところ)
寰 カン 宀部
解字 「宀(建物)+睘(=環。めぐる。かこむ)」の会意形声。まわりに塀をめぐらした建物の意で宮殿をいう。さらに意味が拡大し、宮殿(天子)の領地から、天下・世界をいう。
意味 (1)宮殿。また、直轄の領地。「寰内カンナイ」(①天子の領域内。②天下)「寰中カンチュウ」(①天子の直轄地。②天下) (2)天下。世界。世の中。「寰宇カンウ」(天下)「人寰ジンカン」(人の住んでいる所。世の中)「塵寰ジンカン」(けがれた世界。俗世間)
鬟 カン・わげ・みずら 髟部
みずら
解字 「髟(かみ)+睘(輪のかたち)」の会意形声。輪のかたちに結った髪。
意味 (1)わげ(鬟)。髪を輪に結んだもの。 (2)みずら(鬟)。分けた髪を左右の耳のあたりで輪にした形で、日本古代の男性の髪の結い方。
圜 カン・エン・めぐる・まるい 囗部くにがまえ
解字 「囗(かこむ)+睘(輪のかたち)」の会意形声。輪のかたちにかこむこと。めぐる・めぐらす・まるい、などの意となる。
意味 カンの音。(1)めぐる(圜る)。めぐらす。かこむ。「圜繞カンジョウ」(ぐるりと取り囲む)「圜流カンリュウ」(ぐるりと回って流れる) エンの音。(2)まるい(圜い)。まる。「圜丘エンキュウ」(まるい丘)「圜視エンシ」(目をまるくして視る)「圜方エンポウ」(まると四角=円方)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
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解字 金文は「目+〇(輪の玉)+衣」の会意。衣は〇の上下に別れる。死者の衣のえりもとに輪の玉を置いて、死者がよみがえることを願って見つめているかたちを表わす[字統]。衣の中の輪の玉は円形なので元に戻る意味がある。篆文で衣の上部が土に変化したが、楷書は一になった。新字体では衣あしのレは 丨 になるが、手書きではレも認められている。(『改訂常用漢字表』の「明朝体と筆写の楷書との関係について」を参照)
睘は、「よみがえる」「輪のかたち」のイメージがある。
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「よみがえる」(還)
「輪のかたち」(環・鐶・寰・鬟・圜)
音の変化 カン:還・環・鐶・寰・鬟・圜
よみがえる
還 カン・ゲン・かえる 辶部
解字 「辶(ゆく・くる)+睘(よみがえる)」の会意形声。よみがえってくること。現代字は衣あしの下部がレ⇒ 丨 になっているが、手書きではレも認められている。
意味 (1)かえる(還る)。かえす(還す)。もとにもどる。「還元カンゲン」(元にもどる)「還俗ゲンゾク」(出家した僧が再び世俗の人間にかえる)「返還ヘンカン」「往還オウカン」(①ゆきかえり。②ゆききする道) (2)また。ふたたび。
輪のかたち
環 カン・たまき・わ・めぐる 王部たま
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解字 「王(玉)+睘(輪のかたち)」の会意形声。輪のかたちをした玉。また、輪のかたち・輪のかたちにめぐる意となる。現代字は衣あしの下部がレ⇒ 丨 になっているが、手書きではレも認められている。
意味 (1)たまき(環)。輪の形をした玉。「玉環たまき」 (2)わ(環)。輪のかたち。「環状カンジョウ」「環礁カンショウ」(環のかたちに海面を囲んでいるサンゴ礁)「金環キンカン」(金の輪)「金環蝕キンカンショク」(太陽の光が環状にみえる日食) (3)めぐる(環る)。めぐらす。まわる。かこむ。「環境カンキョウ」(人間を取り巻いている外界)「環流カンリュウ」(流れが元のほうへ戻る。巡って流れる。)「環視カンシ」(多くの人がまわりを囲んで見ている)「衆人環視シュウジンカンシ」「循環ジュンカン」(一回りして元にかえる)「血液循環ケツエキジュンカン」
鐶 カン・わ 金部
解字 「金(金属)+睘(輪のかたち)」の会意形声。金属の輪。
意味 わ(鐶)。かなわ。たまき。古代の腕飾りの一種。金属でできた輪。「刀鐶トウカン」(刀の頭部の輪)「指鐶シカン」(指輪)「耳鐶ジカン」(耳輪)「鐶付カンつき」(釜の鐶を付けるところ)
寰 カン 宀部
解字 「宀(建物)+睘(=環。めぐる。かこむ)」の会意形声。まわりに塀をめぐらした建物の意で宮殿をいう。さらに意味が拡大し、宮殿(天子)の領地から、天下・世界をいう。
意味 (1)宮殿。また、直轄の領地。「寰内カンナイ」(①天子の領域内。②天下)「寰中カンチュウ」(①天子の直轄地。②天下) (2)天下。世界。世の中。「寰宇カンウ」(天下)「人寰ジンカン」(人の住んでいる所。世の中)「塵寰ジンカン」(けがれた世界。俗世間)
鬟 カン・わげ・みずら 髟部
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解字 「髟(かみ)+睘(輪のかたち)」の会意形声。輪のかたちに結った髪。
意味 (1)わげ(鬟)。髪を輪に結んだもの。 (2)みずら(鬟)。分けた髪を左右の耳のあたりで輪にした形で、日本古代の男性の髪の結い方。
圜 カン・エン・めぐる・まるい 囗部くにがまえ
解字 「囗(かこむ)+睘(輪のかたち)」の会意形声。輪のかたちにかこむこと。めぐる・めぐらす・まるい、などの意となる。
意味 カンの音。(1)めぐる(圜る)。めぐらす。かこむ。「圜繞カンジョウ」(ぐるりと取り囲む)「圜流カンリュウ」(ぐるりと回って流れる) エンの音。(2)まるい(圜い)。まる。「圜丘エンキュウ」(まるい丘)「圜視エンシ」(目をまるくして視る)「圜方エンポウ」(まると四角=円方)
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