翊ヨクを追加しました。
立 リツ・リュウ・たつ・たてる 立部
解字 甲骨文・金文が示しているように、「大(ひと)+一」の会意。大は立つ人の正面形、一は、その立つ所の位置を示す。立は一定の位置に立つ人の形で、立つ意。
意味 (1)たつ(立つ)。まっすぐ立つ。「起立キリツ」「立像リツゾウ」 (2)たてる(立てる)。さだまる。「建立コンリュウ」「立案リツアン」「確立カクリツ」 (3)はじまる。「立春リッシュン」
参考 立リツは、部首「立たつ・たつへん」になる。漢字の左辺および上・下部に付いて、立つ意および辛シン(針・刃物)の略体を表す。常用漢字で5字、約14,600字を収録する『新漢語林』で46字がある。主なものは以下のとおり。
端タン・はし(立+音符「耑タン」)
竣シュン(立+音符「夋シュン」)
竪ジュ・たて(立+音符「臤ケン」)
章ショウ・しるし(辛を含む会意)
童ドウ・わらべ(辛を含む会意)
竟キョウ・おわる(辛を含む会意)
※なお、章・童・竟は音符になる。
イメージ
「たつ」(立・拉・颯)
「一定の位置にたつ」(位・笠・粒・泣)
「その他」(翌・翊)
音の変化 リツ:立 リュウ:笠・粒 ラ:拉 イ:位 キュウ:泣 サツ:颯 ヨク:翌・翊
たつ
拉 ラ・ラツ・ロウ・ひしぐ 扌部
解字 「扌(手)+立(しっかり立つ) の会意形声。しっかり立って手でつかむこと。つかんで引っぱる、にぎりつぶす意となる。
意味 (1)ひく。ひっぱる。「拉致ラチ」(無理に連れて行く)「拉麺ラーメン」(ひっぱり延ばして作る麺) (2)ひしぐ(拉ぐ)。くじく。くだく。ひしゃげる。「拉殺ラサツ」(手でおしつぶして殺す) (3)地名に使う。「拉薩ラサ」(中国チベット自治区の区都)
颯 サツ・ソウ 風部
解字 「風(かぜ)+立(立つ)」の会意。風が起き立つこと。
意味 (1)風の吹くさま。「颯颯サツサツ」 (2)きびきびしたさま。「颯爽サッソウ」
一定の位置に立つ
位 イ・くらい イ部
解字 「イ(人)+立(一定の位置に立つ)」の会意。一定の場所に立つ人。どの場所に立つかによって位が変わる。
意味 (1)くらい(位)。階級。等級。「地位チイ」「位階イカイ」 (2)いる場所・方角。「位置イチ」「方位ホウイ」 (3)人を敬う語。「各位カクイ」
笠 リュウ・かさ 竹部
解字 「竹(たけ)+立(一定の位置に立つ)」の形声。頭の上(一定の位置)を占めてかぶる竹編みのかさ。
意味 (1)かさ(笠)。かぶりがさ。「花笠はながさ」 (2)かさの形をしたもの。「電灯の笠」
※柄のある、かさを「傘サン」という。
粒 リュウ・つぶ 米部
解字 「米(こめ)+立(一定の位置に立つ)」の会意形声。米の一つ一つが重ならずに一定の位置を占めていること。ひとつぶ、ひとつぶをいう。
意味 (1)つぶ(粒)。穀物のつぶ。米つぶのように小さいもの。「米粒こめつぶ」「顆粒カリュウ」(顆も粒もつぶを意味する) (2)つぶ状の物を数える言葉。「三粒みつぶ」
泣 キュウ・なく 氵部
解字 「氵(水)+立(=粒。つぶ)」の会意。水のつぶで涙の意。つぶが次々と流れて泣く意となる。
意味 なく(泣く)。涙を流す。また、涙。「号泣ゴウキュウ」「感泣カンキュウ」
その他
翌 ヨク 羽部
解字 甲骨文第一字は鳥の翼(つばさ)の一翼の象形。第二字は翼に立がつき、翼で飛び立とうとする形。いずれも翼ヨクの意だが、甲骨文の段階ですでに次の日を含む近い将来を指す語となっているという[甲骨文字辞典]。翼で次の段階へ飛び移ることから翌日の意に仮借カシャ(当て字)されたと思われる。金文は第二字にさらに日(ひ)がつき、翌日へ飛ぶ意を表している。篆文から、翼の形⇒羽に置き換えられた翊ヨクになり、現代字は立が下についた翌になった。発音のヨクは翼ヨク(つばさ)のヨクであり、現代字では甲骨文字の翼を継承した羽がヨクを引き継いでいる。立の役割は飛び立とうとする意を表し、厳密にいうと音符ではない。しかし、羽にヨクの音はないので全体で会意となる。
意味 あくる。次の。「翌日ヨクジツ」「翌週ヨクシュウ」「翌年ヨクネン」「翌々ヨクヨク」(次のその次)「翌々日」(あさって)
翊 ヨク 羽部
解字 「羽(はね)+立(たつ)」の会意。羽で飛び立つ意。翌と翊はもともと同じ字で異構の関係にあるが、現在では用法が少し異なる。
意味 (1)とぶ。鳥がとぶさま。「翊翊ヨクヨク」(①鳥が一斉に飛びたって用心するさま。②慎重なさま) (2)たすける。(=翼)「輔翊ホヨク」(たすける。輔も翊も、たすける意=輔翼)「翊賛ヨクサン」(=翼賛)」 (3)あくる日。「翊日ヨクジツ」(=翌日)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
立 リツ・リュウ・たつ・たてる 立部
解字 甲骨文・金文が示しているように、「大(ひと)+一」の会意。大は立つ人の正面形、一は、その立つ所の位置を示す。立は一定の位置に立つ人の形で、立つ意。
意味 (1)たつ(立つ)。まっすぐ立つ。「起立キリツ」「立像リツゾウ」 (2)たてる(立てる)。さだまる。「建立コンリュウ」「立案リツアン」「確立カクリツ」 (3)はじまる。「立春リッシュン」
参考 立リツは、部首「立たつ・たつへん」になる。漢字の左辺および上・下部に付いて、立つ意および辛シン(針・刃物)の略体を表す。常用漢字で5字、約14,600字を収録する『新漢語林』で46字がある。主なものは以下のとおり。
端タン・はし(立+音符「耑タン」)
竣シュン(立+音符「夋シュン」)
竪ジュ・たて(立+音符「臤ケン」)
章ショウ・しるし(辛を含む会意)
童ドウ・わらべ(辛を含む会意)
竟キョウ・おわる(辛を含む会意)
※なお、章・童・竟は音符になる。
イメージ
「たつ」(立・拉・颯)
「一定の位置にたつ」(位・笠・粒・泣)
「その他」(翌・翊)
音の変化 リツ:立 リュウ:笠・粒 ラ:拉 イ:位 キュウ:泣 サツ:颯 ヨク:翌・翊
たつ
拉 ラ・ラツ・ロウ・ひしぐ 扌部
解字 「扌(手)+立(しっかり立つ) の会意形声。しっかり立って手でつかむこと。つかんで引っぱる、にぎりつぶす意となる。
意味 (1)ひく。ひっぱる。「拉致ラチ」(無理に連れて行く)「拉麺ラーメン」(ひっぱり延ばして作る麺) (2)ひしぐ(拉ぐ)。くじく。くだく。ひしゃげる。「拉殺ラサツ」(手でおしつぶして殺す) (3)地名に使う。「拉薩ラサ」(中国チベット自治区の区都)
颯 サツ・ソウ 風部
解字 「風(かぜ)+立(立つ)」の会意。風が起き立つこと。
意味 (1)風の吹くさま。「颯颯サツサツ」 (2)きびきびしたさま。「颯爽サッソウ」
一定の位置に立つ
位 イ・くらい イ部
解字 「イ(人)+立(一定の位置に立つ)」の会意。一定の場所に立つ人。どの場所に立つかによって位が変わる。
意味 (1)くらい(位)。階級。等級。「地位チイ」「位階イカイ」 (2)いる場所・方角。「位置イチ」「方位ホウイ」 (3)人を敬う語。「各位カクイ」
笠 リュウ・かさ 竹部
解字 「竹(たけ)+立(一定の位置に立つ)」の形声。頭の上(一定の位置)を占めてかぶる竹編みのかさ。
意味 (1)かさ(笠)。かぶりがさ。「花笠はながさ」 (2)かさの形をしたもの。「電灯の笠」
※柄のある、かさを「傘サン」という。
粒 リュウ・つぶ 米部
解字 「米(こめ)+立(一定の位置に立つ)」の会意形声。米の一つ一つが重ならずに一定の位置を占めていること。ひとつぶ、ひとつぶをいう。
意味 (1)つぶ(粒)。穀物のつぶ。米つぶのように小さいもの。「米粒こめつぶ」「顆粒カリュウ」(顆も粒もつぶを意味する) (2)つぶ状の物を数える言葉。「三粒みつぶ」
泣 キュウ・なく 氵部
解字 「氵(水)+立(=粒。つぶ)」の会意。水のつぶで涙の意。つぶが次々と流れて泣く意となる。
意味 なく(泣く)。涙を流す。また、涙。「号泣ゴウキュウ」「感泣カンキュウ」
その他
翌 ヨク 羽部
解字 甲骨文第一字は鳥の翼(つばさ)の一翼の象形。第二字は翼に立がつき、翼で飛び立とうとする形。いずれも翼ヨクの意だが、甲骨文の段階ですでに次の日を含む近い将来を指す語となっているという[甲骨文字辞典]。翼で次の段階へ飛び移ることから翌日の意に仮借カシャ(当て字)されたと思われる。金文は第二字にさらに日(ひ)がつき、翌日へ飛ぶ意を表している。篆文から、翼の形⇒羽に置き換えられた翊ヨクになり、現代字は立が下についた翌になった。発音のヨクは翼ヨク(つばさ)のヨクであり、現代字では甲骨文字の翼を継承した羽がヨクを引き継いでいる。立の役割は飛び立とうとする意を表し、厳密にいうと音符ではない。しかし、羽にヨクの音はないので全体で会意となる。
意味 あくる。次の。「翌日ヨクジツ」「翌週ヨクシュウ」「翌年ヨクネン」「翌々ヨクヨク」(次のその次)「翌々日」(あさって)
翊 ヨク 羽部
解字 「羽(はね)+立(たつ)」の会意。羽で飛び立つ意。翌と翊はもともと同じ字で異構の関係にあるが、現在では用法が少し異なる。
意味 (1)とぶ。鳥がとぶさま。「翊翊ヨクヨク」(①鳥が一斉に飛びたって用心するさま。②慎重なさま) (2)たすける。(=翼)「輔翊ホヨク」(たすける。輔も翊も、たすける意=輔翼)「翊賛ヨクサン」(=翼賛)」 (3)あくる日。「翊日ヨクジツ」(=翌日)
<紫色は常用漢字>
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