増訂しました。
匡 キョウ・コウ・ただす 匚部 kuāng
上は匡キョウ、下は狂キョウ
解字 上の匡キョウの金文は「竹や籐トウなどで編んだかご(右に開いた形)+「止(あし)+王(キョウ)」の形声字。「止(あし)+王(キョウ)」は下の狂キョウの甲骨文の左辺が本来のかたち。止(あるく)が意符で王オウ⇒キョウを声符(音符)とした形声で意味は、犬(犭)がぶらぶらとゆく意(噛みつく犬なので後に狂犬の意になった)。しかし、匡キョウの金文は左辺のかごの発音・キョウを表している。(金文以降の変化も狂の変化と一致している)
金文の意味は、①器の名、②人名(器の持ち主か)となっている[簡明金文詞典]。篆文の[説文解字]は「飯器(めしびつ)、筥キョ(竹製のまるいかご)也(なり)」としている。「匚+王=匡」に簡略化された楷書はキョウという発音の匡(うつわ)が原義である。
一方、器の形状が四角いことから、漢代初期の[爾雅ジガ]は「匡は方(正方形)也」とし、543年の[玉篇]は「方正ホウセイ也(きちんとして正しい)」としており、転じて「正しくする」意味が生じた。また、相手を正しくさせて救う意味ともなる。
意味 (1)ただす(匡す)。正しくする。「匡正キョウセイ」(ただすこと。なおすこと)「匡諫キョウカン」(悪い点を匡(ただ)し諌(いさ)める)(2)すくう。たすける。「匡困キョウコン」(貧困者を救う)「匡復キョウフク」(たすけて復興させる)(3)<原義> かご。はこ。ひつ。めしびつ。
イメージ
「ただしくする(転義)」(匡・框・眶)
本来の意味である「かご」(筐)
音の変化 キョウ:匡・框・眶・筐
ただしくする
框 キョウ・かまち 木部 kuàng
解字 「木(き)+匡(ただしくする)」の会意形声。ドアや窓などが歪(ゆが)もうとするのを、正しく保つため外側に取り付けてある木の枠をいう。また、柱の下部となる玄関の上り口や床の間の下部に渡す横木をいう。
①②
①ドアの框(「框(かまち)とは?」より)②玄関の框(かまち)(「かまち組とは」より)
意味 かまち(框)。(1)戸・窓・障子などの周囲の枠。「框戸かまちど」(木の枠組みがある戸)「窓框まどがまち」(窓などの周囲の枠)(2)玄関や床の間など、高くなった床端に取りつける水平材。「床框とこがまち」(床の間の前端の化粧横木)「上がり框かまち」(玄関の上り口の框)「縁框えんがまち」(縁側の外側にとりつけて縁の端をかくす横木)
眶 キョウ・まぶち 目部 kuàng
解字 「目(め)+匡(=框。周囲の枠)」の会意形声。目の枠すなわち、まぶち(目の周囲)をいう。
意味 まぶち(眶)。目のふち。目縁(まぶち)。「眼眶ガンキョウ」(まぶち)「眶(まぶち)は涙をたたえていた」「盈眶エイキョウ」(まぶちにあふれる)「熱涙盈眶ネツルイエイキョウ」(熱い涙がまぶちにあふれる)
かご
筐 キョウ・かご・かたみ・はこ 竹部 kuāng
解字 「竹(たけ)+匡(かご)」の会意形声。匡は、もともと竹などで編んだかごの意。匡キョウが、ただす意となったので、竹をつけて竹かごを表す。主に四角いかごをいう。日本では竹籠と書くが、中国では原義をたもち、筐と表示する。
上は中国の竹製筐(かご)、下は籐の筐(かご)(中国のネットから)
意味 (1)かご(筐)。竹や籐で編んだかご。四角いかご。大きな筐には食料・書物・衣服などを入れる。「筐筥キョウキョ」(筐は四角いかご、筥はまるいかご)「筐底キョウテイ」(はこの底、はこの中)「筐笥キョウシ」(筐も笥も四角いはこの意)(2)かたみ(筐)。目のこまかい竹かご。(3)はこ(筐)。「筐体キョウタイ」とは、パソコンやゲーム機など、ハードウェアを構成する部品をまとめて収納するケース)
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
匡 キョウ・コウ・ただす 匚部 kuāng
上は匡キョウ、下は狂キョウ
解字 上の匡キョウの金文は「竹や籐トウなどで編んだかご(右に開いた形)+「止(あし)+王(キョウ)」の形声字。「止(あし)+王(キョウ)」は下の狂キョウの甲骨文の左辺が本来のかたち。止(あるく)が意符で王オウ⇒キョウを声符(音符)とした形声で意味は、犬(犭)がぶらぶらとゆく意(噛みつく犬なので後に狂犬の意になった)。しかし、匡キョウの金文は左辺のかごの発音・キョウを表している。(金文以降の変化も狂の変化と一致している)
金文の意味は、①器の名、②人名(器の持ち主か)となっている[簡明金文詞典]。篆文の[説文解字]は「飯器(めしびつ)、筥キョ(竹製のまるいかご)也(なり)」としている。「匚+王=匡」に簡略化された楷書はキョウという発音の匡(うつわ)が原義である。
一方、器の形状が四角いことから、漢代初期の[爾雅ジガ]は「匡は方(正方形)也」とし、543年の[玉篇]は「方正ホウセイ也(きちんとして正しい)」としており、転じて「正しくする」意味が生じた。また、相手を正しくさせて救う意味ともなる。
意味 (1)ただす(匡す)。正しくする。「匡正キョウセイ」(ただすこと。なおすこと)「匡諫キョウカン」(悪い点を匡(ただ)し諌(いさ)める)(2)すくう。たすける。「匡困キョウコン」(貧困者を救う)「匡復キョウフク」(たすけて復興させる)(3)<原義> かご。はこ。ひつ。めしびつ。
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「ただしくする(転義)」(匡・框・眶)
本来の意味である「かご」(筐)
音の変化 キョウ:匡・框・眶・筐
ただしくする
框 キョウ・かまち 木部 kuàng
解字 「木(き)+匡(ただしくする)」の会意形声。ドアや窓などが歪(ゆが)もうとするのを、正しく保つため外側に取り付けてある木の枠をいう。また、柱の下部となる玄関の上り口や床の間の下部に渡す横木をいう。
①②
①ドアの框(「框(かまち)とは?」より)②玄関の框(かまち)(「かまち組とは」より)
意味 かまち(框)。(1)戸・窓・障子などの周囲の枠。「框戸かまちど」(木の枠組みがある戸)「窓框まどがまち」(窓などの周囲の枠)(2)玄関や床の間など、高くなった床端に取りつける水平材。「床框とこがまち」(床の間の前端の化粧横木)「上がり框かまち」(玄関の上り口の框)「縁框えんがまち」(縁側の外側にとりつけて縁の端をかくす横木)
眶 キョウ・まぶち 目部 kuàng
解字 「目(め)+匡(=框。周囲の枠)」の会意形声。目の枠すなわち、まぶち(目の周囲)をいう。
意味 まぶち(眶)。目のふち。目縁(まぶち)。「眼眶ガンキョウ」(まぶち)「眶(まぶち)は涙をたたえていた」「盈眶エイキョウ」(まぶちにあふれる)「熱涙盈眶ネツルイエイキョウ」(熱い涙がまぶちにあふれる)
かご
筐 キョウ・かご・かたみ・はこ 竹部 kuāng
解字 「竹(たけ)+匡(かご)」の会意形声。匡は、もともと竹などで編んだかごの意。匡キョウが、ただす意となったので、竹をつけて竹かごを表す。主に四角いかごをいう。日本では竹籠と書くが、中国では原義をたもち、筐と表示する。
上は中国の竹製筐(かご)、下は籐の筐(かご)(中国のネットから)
意味 (1)かご(筐)。竹や籐で編んだかご。四角いかご。大きな筐には食料・書物・衣服などを入れる。「筐筥キョウキョ」(筐は四角いかご、筥はまるいかご)「筐底キョウテイ」(はこの底、はこの中)「筐笥キョウシ」(筐も笥も四角いはこの意)(2)かたみ(筐)。目のこまかい竹かご。(3)はこ(筐)。「筐体キョウタイ」とは、パソコンやゲーム機など、ハードウェアを構成する部品をまとめて収納するケース)
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