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映画『東京家族』について

 『さきがけと政権交代』 1994年4月14日発行 (東洋経済新報社) 田中秀征 から  

2014年02月11日 | 清沢洌 (きよさわきよし)

・ “私は農本主義者なんですよ” 細川護熙 (p.160)



・ 「宮沢(喜一)総理に私や国民が期待しているのは、古い家に代わる新しい家を先頭に立って建ててくれることなんです」
  こう私がいうと、宮沢総理はつぶやくように、
  「私も古い家の住人だよ」

  (中略)

  本来、自分たちがやるべきことを、またもや宮沢さんの世代に押しつけることは、許し難い甘えではないか。 (pp.40-41) 


・ さきがけの政治理念について私が最も腐心したのは、われわれが目指す国家のイメージを表現することであった。(中略)

  背伸びをせずに自然体で内容本位の生き方に徹すること。自己の地位や利益ばかりを求めず、名よりも実を重んじること。固有の文化と伝統に誇りを持ち、それを尊重していくこと。外に向かっては大国主義や覇権主義に陥ることなく、力ではなく追求する価値によって尊敬されること。自己の生存と尊厳を脅かされたときは、毅然としてそれに立ち向かう勇気を備えること。美しい環境と簡素な生活様式を希求し、人々の美意識が日常風景にまで反映されること。自立、義務、責任、奉仕などの強靭な精神力によって支えられ、弱い立場の人たちが、自然に援護されていること。
 私は、二十一世紀の日本も世界も、いまよりずっと、のどかでおおらかであってほしいと願っている。 (pp.60-61)


・ われわれの政治理念を石橋湛山の「小日本主義」と同一視する人もいる。(中略)
  私は湛山思想、「小日本主義」の原点は、国民を信じる、日本人を信じるところにあると理解している。そうであれば、新党さきがけも、日本人の健全な判断力に対する確信に立脚しているゆえに、湛山思想とも一体性を持っていると言える。 (pp.68-69)


・ 宮沢さんに、持っていたさきがけの政治理念などの文書を見せると、彼はそれをじっくりと読み「立派だ」とほめてくれた。 (p.74)


・ 宮沢さんの(細川新総理への)申し送りは、NPT(核不拡散条約)問題についても、国連の常任理事国入り問題や当面する景気や日米関係についても、行政レベルをはるかに超えた高度の政治性を持った内容であった。むしろ、行政側には聞いてもらいたくない話と言っても良いだろう。自分はこの問題については、こういう気持ちで、こういう扱い方をしておいた。この部分はこういう理由でこんな形にしておいた。的が定まり、簡潔で気負いのない申し送りに、私はあらためて、宮沢さんの識見の高さと確固とした政治姿勢を感じさせられた。 (pp.77-78)












              
                                                          時雨螺鈿鞍 (鎌倉時代) 永青文庫蔵




































・ “私は理想こそが最終的に人を動かすものだと信じています。” 細川護熙 (p.181)










                                                         「円相図」 白隠慧鶴 (江戸時代) 永青文庫蔵














田中秀征【都知事選ウォッチ】 (ツイッター 2014.2.8)

新宿の最後の街頭は壮大なパノラマのようだった。舞う雪、光、何千もの人々、そこに元首相が二人、こんな光景は二度と見られないだろう。  細川さん、小泉さん、本当にごくろうさまでした。歴史は本気な挑戦を決して見捨てることはない。最後まで悔いのないように頑張ろう。














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