「サッカー文化の後進的資本主義」を唱える節を見た覚えがあります。20年以上前のことだったでしょうか? もう遠い昔のことと感じますが、サッカーそのものが資本主義の後進性を表す物とは思えません。野球が先進的資本主義の象徴とする意見でもありました。
その話は特にどうでも良いので深くは触れませんが、野球と日本人の相性の良さは日頃の風景を見るまでもなく明らかですね。
過去に幾度となく申し上げてきた私の持論ですが、それが「日本人の血は野球で出来ている」です。
NPBの人気に陰りが見えてきたと言われて久しいのですが、さて本当にそうでしょうか? それはあくまで巨人戦が視聴率を稼げるコンテンツでなくなったに過ぎないと感じます。NPBそのものの人気はむしろ上昇しており、球場に足を運ぶ人の数は増加の一途を辿っています。NPBの開催可能な球場が地方のどこに行っても存在することが野球と日本人の関わりの奥深さを示しています。
それに対して、Jリーグ開催可能なスタジアムは多くありません。地方の多くは陸上競技場であって、サッカー専用スタジアムを望む声が多くあっても中々実現しません。それが野球とサッカーの立ち位置の大きな差です。代表戦をテレビで観戦する人が多くても、Jリーグに興味を持つ人が増えないのが、日本にとってのサッカーの地位が上がらない理由の一つです。
日本でこれだけ人気の高い野球が世界的広がりを見せない最大の理由は欧州に受け入れられないことです。「サッカー文化の後進的資本主義」は即ち「ヨーロッパの資本主義の後進性」を示しているという論調が強ち空論でもなさそうです。サッカーの単純明快な競技ルールに比較して、野球のルールの複雑怪奇さがヨーロッパに受け入れられないとも言われますが、その複雑怪奇なルールが日本人には受け入れられました。フォースプレーとタッチプレーの違い、タッチアップに代表されるアピールプレーの難易度の高さ、インターフェアの種類の多さ、インフィールドフライとは何ぞや、振り逃げの可能な場面と認められない場面。ルールブックの分厚さがそれを物語っています。
「ヨーロッパの資本主義の後進性」とサッカー文化の関連と信憑性はともかくとして、野球が日本人の骨の髄まで浸透してしまっていることは間違いないことだと思います。サッカーの中継がない日は多いですが、野球はほぼ毎日目にします。
それは仕方ないとして、私にとっては現実の生活の中にJリーグが根差してしまった現状がありますので、岡もっちゃんがCMで言うところの「野球一本」にはなりませんが、スポーツおたくにとってはどんな競技にも首を突っ込んでいかないといけませんね。
まだまだ、生きている間は楽しみたいものです。
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