祭りの夜裏で汗するボランティア 清海
白桃の滴る蜜をすすりけり
せせらぎでしばし涼まん犬の舌 洋子
初蝉や窯焚き仲間に加わりし
炎昼や読経野太き尼導師 豊春
背の赤子ネムネム眠れ合歓の花
姉妹に微妙なる距離遠花火 稱子
サングラス夏帽子さあ出掛けます
空海の修行の窟蝉時雨 炎火
猫二匹小犬一匹跳ねる蚤
からころと金魚の浴衣通り過ぎ 海人
夕暮の小川に蚊食鳥群れて
葉は眠りおん身は醒めて合歓の花 侠心
狐雨大虹かかる梅雨さ中
天上の楽きこえくる合歓の花 薪
夏雲が描く車窓の大画面
水をやるトマトの香り湧き出づる 余白
這い出した所で命定まる蝉
赤白の糸の眩しき夏の空 美部
遠囃子オヤジ早足子はスマホ
誰そ彼の初蜩や窯火燃ゆ 雲水
梔子の白を盗みし女かな