ツバキ(椿、海柘榴)は、花弁がバラバラに散るのではなく、多くは花弁が基部でつながっていて萼を残して丸ごと落ちる「落椿」。それが首が落ちる様子を連想させるために、入院している人間などのお見舞いに持っていくことはタブーとされている。
そんな不吉なツバキの花は、他家受粉で結実するために変種が生じやすく、古くから品種改良が行われてきた。どういう訳か、近世から茶花として好まれ、寛永年間には烏丸光広によって『椿花図譜』が著され、そこにはなんと619種のツバキが紹介されているという。
茶道で、梅や桜よりも椿を尊んだのは、人の命の短さを思い起させるためだったのかもしれない。
キブシ(木五倍子)キブシ科キブシ属、別名、キフジ(木藤)ともいう。