かがり火の音たくましや鵜飼舟 信天翁
病葉を風のいたずら雨もつれ 〃
梅雨空や白亜のビルの塗装工 豊狂
卯の花や彼方利島の黒き影 〃
草笛の上手な叔父は征きしまま 凛
背伸びして園児無心に新茶摘む 〃
病葉の下から芽ぶく命あり 流水
青梅の向こう側からやって来し 〃
学童の田植えの列や水光る 心
アナベルや白一色に命がけ 〃
雨蛙てかてか照って雨遠し 黒薔薇
こころ隠してサングラスの自由よ 〃
病葉や溺れるごとく流れゆく 紅
こぼれくる雨の気配に夏匂ふ 〃
夢の中大きな大きなサクランボ コトリ
紫陽花をドッサと活けて待つ客人 〃
公園のヒキガエル死に土と化す 淡白
腰叩きウグイスを聴く掃除かな 〃
梅干しが大活躍のツユ弁当 伊豆山人
ミニトマトすくすく伸びて甘くなり 〃
虎尾草と蛍袋の恋心 釣舟
夏椿胡弓奏でる風の部屋 〃