人は悲(哀)しくて泣く、怒って泣く、悔しくて泣く、淋(寂)しくて泣く、そして嬉しくて泣く、何かに感動して泣く。この句の場合、どれだろうか。又、月を見ているのだから屋外だろうか室内だろうか。はっきりしていないから、それは、読者に委ねられている。・・・などと考えていたら、以下の作者の自句自解が送られてきた。
『月を表す言葉には、宵闇、月影、薄月、良夜、偃月、臘月、月華、月桂等々多くの呼び名がある。二十四節気の大寒を迎えての冬の月の高度は高く、寒さも一入厳しく湿度が低いために空気の透明度が高く、月は冴え冴えと見え、真夜中には真上近くになる。
冬の月の光は、物悲しく侘しい気持ちにさせる。寂寥感、涙する気持ちが湧く。この気持ちは、誰もがもつのだろうか?感情はコントロールできるのか。感情にとらわれないことの一つに無心になりたいと思うことだと・・・ソファーで楽曲を聴きながらボルドーの赤ワインで、平穏な一日に感謝』(黒薔薇、自句自解)
スイセン(水仙)