薪ストーブ令和新撰組屯所 炎火
ドラキュラも溶けゆくさだめ霜柱
年用意思ひも染みる筑前煮 さくら
ロングブーツ女性車輛の闊歩かな
下駄箱の木製列車冬日向 豊春
冬ざれや茶箪笥飾る志野徳利
大晦日余白の多き手帳かな 光子
一人居のチャチャチャのチャッと大掃除
蓑虫や庭の手入れに切りをつけ 洋子
野ぼたんや毎日咲きて毎日かなし
クリスマス何度聴いてもあきぬ歌 凛
数え日や仕上げを急ぐ合唱団
残照の破片むさぼる鴨の河 薪
数え日を搦め綿菓子太らせる
犬死にも英霊となれり開戦忌 鯨児
風一陣茜の波や冬夕焼
家中の時計の針や年惜しむ 裕
数へ日や隣人もまた無精髭
よく売れるパン屋の横のみかん小屋 鞠
数え日の切腹最中でお茶事かな
朝日浴びふくら雀となりにけり 歩智
カレンダー最後の一枚寂し気に
短日や日の出一分遅くなり パピ
冬花火輝き沸き上がる拍手
玉柘植にイルミネーション聖夜かな 余白
文士村柿熟してももぎ手なし
数え日の踊りおさめのタンゴかな 稱子
嫁入りの包丁健在のっぺ汁
数え日や思わぬ奇跡が起きにけり 黄玉
数え日や満天星と流星
冬ざるる地震竜巻地の果ても 沙会
夕映の冬山紅葉拝みをり
数え日を残し射したる朝日かな イヨ
さざんかの花道続くを風去りぬ
黄を増して日に日に柚子の輝けり 雲水
朝焼けや霜にまみれし青菜摘む
初雪や窯の余熱はこころにも 雲水