


人びとの苦しみには原因があり、
人びとのさとりには道があるように、
すべてのものは、みな
縁によって、生まれ、縁によって滅びる。
雨の降るのも、風の吹くのも、
花の咲くのも、葉の散るのも、
すべて縁によって生じ、
縁によって滅びるのである。
この身は父母を縁として生まれ、
食物によって維持され、またこの心も
経験と知識によって育ったものである。
だから、この身も、この心も、
縁によって成り立ち、縁によって
変わるといわなければならない。
網の目が、互いにつながりあって網を作っているように、
すべてのものは、つながりあってできている。
一つの網の目が、
それだけで網の目であると考えるならば
大きな誤りである。
網の目は、他の網の目とかかわりあって、一つの網の目といわれる。
網の目は、それぞれ、ほかの網が成り立つために、役立っている。
花は咲く縁が集まって咲き、葉は散る縁が集まって散る。
ひとり咲き、ひとり散るのではない。
縁によって咲き、縁によって散るのであるから、
どんなものもみなうつり変わる。
ひとりで存在するものも、常にとどまるものもない。
すべてのものが、縁によって生じ、
縁によって滅びるのは永遠不変の道理である。
だからうつり変わり、常にとどまらないということは、
天地の間に動くことのない、まことの道理であり、
これだけは永久に変わらない。
(仏教聖典より)