世界の中の極々小さな断片

田舎暮らしの日常と地元を走るローカル線を短いエッセイと写真で綴る。
※ブログのタイトルが変わりました。

冬への序章

2017-11-02 08:54:03 | 日記






































































































































































































































深まる秋。
朝夕の気温もぐんと下がり
高い山には早くも白いものを纏うころ。

里の樹々も緑だった葉を
黄色やオレンジ、赤へと衣替えを済ませる。
冷たい雨は葉を濡らし一層色を濃くしていた。

県境へと続くの豊かな自然が残る街道を辿ると
山間にひっそりと静かな温泉地がある。
古くから湯治場として親しまれた温泉は
稀にみる名泉であり、
その優れた泉質に遠くから訪れる人々も少なくない。

かつては、秋の農繁期を終えた人々が
その労を癒しに手鍋を下げ自炊で長逗留をする
多くのにぎやかな姿があった。

今は落ち着いた温泉宿が数軒で
秘湯とも言われる静かな宿として静かに温泉を楽しむ
落ち着いた雰囲気で営業し、しばし下界を忘れ
癒しの時を提供する宿となっている。

宿から眺める自然の景観もまた静かなもてなしの魅力でもある。
そんな宿では何もせず静かに心と身体に向き合い
心身ともに自分のケアをするには絶好である。

今日のように雨の日こそ
外にも出掛けずに静かに過ごせる
最適な日なのではないだろうか。

この地はまた豪雪地でもあり
白く閉ざされた季節は一段と静かさに包まれ
雪景色を眺めゆったりとした時間を味わえる。

そういう時間を過ごせる宿こそ真の
湯治場の有り様を備えた所かもしれない。

観光名所を巡る旅も良いが
時には宿から眺める四季の風情を愛でながら
そんな時間を過ごす旅も良いものである。

季節は秋から冬へと流れ
もうすぐあの白く静かな時間が訪れる。










Posted by I.Tachi at November 2, 2017
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