





















樹々を鮮やかに彩った季節は過ぎ
冬枯れの峠道を訪れてみた。
山々には薄く白いものをまとい
やがて里にも初雪の訪れを思わせる頃。
クルマの窓を濡らす雨は
峠を進むにつれミゾレに変わり
人里離れた山間に差しかかかると
雪へと変わっていた。
行き交うクルマも少ない寂しい峠道。
やがてこの道も人を寄せ付けない
雪に覆われ閉鎖される。
真冬の県境を結ぶ交通手段は
豪雪の山間をぬって走る一本の鉄路だけとなる。
季節は足早に移ろう
人里離れた山間で本格的な冬の訪れの前に
寒さの中で保線を急ぐ
鐵道従事の方々の姿を目にすると
彼らの苦労が伺われる。
日も傾き寒さが増すと
風も少し強くなって来た…
刻々と変わる
移ろう季節の中で
いつまでも眺めていたいが
この時間を惜しむように
岐路を辿る。
若く輝く新緑や
錦に色付く晩秋の景色もいいのだが
なぜか、こんな寂しい季節に
心を奪われてしまうのはなぜなのだろう。
