Portrait=肖像
写真の創世記には一枚を写すのに長い露光を要した。
数分間撮られる方は身動き出来ず
じっと同じ姿勢を保たなければいけなかった。
撮る方もまた真剣勝負でもあった。
撮る方と撮られる側まさに魂の対話でもある。
そのようなことであるから
時として写真は魂を取られるとも思われた訳である。
いま、手軽に撮影を出来る時代ではあるが。
映し出される像にはその人の物語や人となりが
投影された写真が本物のポートレイトなのではないかと思う。
互いに心を通じ合えた時に一枚の写真に封じ込めることが出来る。
ただカメラの前に立ち「ハイ!ニコ」ではつまらない。
家族や友を前にシャッターを切る前に
対象者に対する深い考察と愛情を注いで欲しいものである。
それは、たとえペットであっても変わらないのである。
撮らせてもらって「ありがとう」の感謝があれば通じるものである。