是枝裕和監督の「そして父になる」が
第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞に輝いた。
生後とり間違われた2組の子供の家族を題材にした話らしい。
間違えと言えば多少話が違うが、
アンデルセン童話のThe Ugly Duckling=みにくいアヒルの子
アヒルの家族の中で一羽だけ毛色の違う雛があう不遇。
現代で言えば差別と虐めであろうか。
かくいう私も幼少期は悪さをすると
「お前はうちの子じゃない! 橋の下から拾って来た!」
などと、言われたものだ。
ただでさえ子供が多く、増してそれほど裕福でもない家族に
それほどの余裕が有るとも思われないのだが・・・。
さらには、兄弟の顔を見比べても順にグラデーションの掛かった様な
男ばかりの4つの顔が順に食卓に並んでいた。
今も冠婚葬祭があれば「ああ、兄弟だな」と誰もが納得するこの顔が並ぶ。
お陰さまで、皆それぞれ色々とありはしたが、
誰ひとり迷子にもならずに集えることが幸せである。
みにくいアヒル(自分)はやはり白鳥ではなく
アヒルの子であったと父の遺影を前に思うのである・・・。