山は雲に隠れ
畦のネコヤナギが揺れて
田圃を渡る風も冷たい。
葉を落とし裸になった木々も
寂しく枝を揺らす。
重く鉛色の空を見上げると
本格的な雪国の冬が
もうそこまで来ていることを思わせる。
長い雪に閉ざされる時季
雪国に棲むものたちは
春から秋に収穫された作物や
野山からの恵みを蓄え
遠い先祖から伝えられた技術で
保存に耐えるものに加工をし冬に備え
じっと春を待ちわびる。
野の生き物が越冬をするように
自然のサイクルに抗うことなく
続けられて来た暮らしがここにもある。
豊かな恵みと祖先の知恵に感謝しよう。