トレンチコート 革バックル修理やD型金具紛失

この時期はトレンチコートの修理紹介が多くなります。
季節的に総修理依頼数の半分以上はトレンチコートなのです。
まずはD型金具（Dカン）です。
一個紛失されたという事で、似寄りのものを４個１セットで販売しています。
実際には予備を１個お付けすることがほとんどですので、５個セットになります。
値段は４個分だけいただいています。
手作りなので開口の広さにばらつきもありますから、具合が良いものを選んで使っていただけたらと思います。
余った金具は再紛失に備えての予備ということで保存ください。
予備が一個あるのとないのでは、心の余裕がものすごく違いますから、また無くなったらという不安もなく安心してお使いいただけると思います。


クリーニング店に依頼したらボロボロにされたということで、ご相談受けました。
消費者センターまで介入して、修理品は依頼者様へ送り、請求はクリーニング店へというご希望でしたが・・・

すみません、私、何も悪いことしていないのに、
なぜこちらがそんな煩雑な作業を強いられるのか全く理解できませんでしたので、お断りしました。
すみません、嫌なことはきっぱり断るタイプですので。

依頼者様がクリーニング店に請求するのはご自由ですが、私がそのために事務作業強いられるのであれば、
それ相応の手数料をいただかないと、こちらも暇なわけでもないですし、困ってしまいます。
と、いうことで、請求の件は通常通りの処理で修理です。


革の色合いを合わせます。
黒っぽいですが、黒ではなく濃茶ですね。


革を剥くと芯棒にも顔料が付着しています。
バックルを作ってから塗装したものなので、こうなっているのです。
初回のクリーニングで剥がれたならクリーニング店の扱い方もあると思いますが、
数度目のクリーニングで剥がれるのはメーカーも承知していますので、決してクリーニング店だけが悪いとも思えません。
クリーニング店にしてみれば消耗品を弁償させられ災難だと思います。


修理できました。


アクアスキュータムです。
黒バックルですね。
これもバックルを後から顔料で塗装しています。


修理後のバックル取付です
ウエストは縫製せずに取り付けできました。


修理バックル３点、取り付けは袖の２か所となりました。


袖バックルにピン棒がないタイプです。


修理に使用する革を選びます。
ちなみに修理に使う革は染料または、染料＋顔料のセミアニリンと呼ばれる染色の革です。
顔料は表面をコーティングしますので、正直、傷だらけの悪い革でも作れてしまうのです。
染料は浸透して表面に膜を作りませんから、原皮の状態が良いものでないと使えません。


修理して取り付けました。


作業前、作業後の画像です。
顔料と染料の染めの違いが判ると思います。
顔料は表面に膜を作っているで、発色が良いと言えばよいのですが、メッキのような感じもあります。
対して染料は浸透していますので、表面は革の風合いが残って革らしく仕上がります。

実はウエストバックルの取付の縫製なのですが、微妙にずれた２本線で縫われていて恰好悪かったのです。
きれいにまっすぐだけ縫おうとしたのですが、そうすると針穴が残っているのが目立ってかえって格好悪かったので、
致し方なくライントレースしました。
決して下手なわけではありません。


バーバリーのトレンチコートです。
袖ベルトが縫い付けられているので、コートごと送られてきました。


バックルだけ取り外しました。


ピンをはずします。


革を剥がしました。
これも顔料仕上げですね。
ほんとトレンチのバックルって、原皮の状態の悪い革で作られているんだろうなと思います。


取り付けて完成です。


これはもう、革なのかどうかもわからないバックルですね。
一体なにで作られているのでしょうか？
紙っぽい感じがします。


色合いを調整して修理します。


修理完了です。

修理受付はメールかLINEでのみ受け付けます。
画像が無いと、今どのような状態なのかわかりませんので、お電話でのお問い合わせはご遠慮ください。
かならず作業対象の現品の画像を添えてご連絡ください。
また、色合い、バックルの形状、状態もその際に確認したいので、ご協力お願いします。

値段が気になる方は、弊社ホームページをご覧になってみてください。
こちらに価格を記載しています。

ブログだと年数経過して価格改定したり、消費税の税率が変わったりで更新しきれないので、ブログには価格を掲載しておりません。

納期はただいま、こちらへお荷物到着後１週間から10日程度です。
ベルトへの取り付け作業がある場合には、+1-2日いただく場合もあります。

コロナウイルスが心配な昨今、収束するまでの当面の間、持ち込みはお断りしています。
修理受付は現在宅配便のみになります。
よろしくお願いいたします。

ＬＩＮＥの場合、土日祝日でも時間があれば可能な限り返信してます。
しかし返信に時間が掛る場合もありますし、月曜まで返信できない場合もあります。
PCメールの場合は、土日のチェックはほぼ行いませんので、月曜になることが多いです。
よろしくお願いします。


伊東金属製作所
info@itokinzoku.co.jp
東京都足立区足立2-34-2
LINE ID:itokinzoku