社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

9月20日(金)

2013年09月25日 21時03分11秒 | 2013年

  4時起床。4時半過ぎに家を出て、羽田空港へ。空港で友人と待ち合わせたものの、乗る飛行機が違うので、10分ほどで再度別れて飛行機に乗る。

  羽田06:25発のJAL501便に乗り、新千歳空港へ。朝が早かったので離陸前に眠ってしまい、起きたら着陸のアナウンスが流れていた。瞬間移動だ。

  新千歳空港で、30分後の便で到着する友人を待つ間、花畑牧場の売店でキャラメルソフトクリームを食べる。これで、北海道食い倒れ旅行が正式に始まった。

  友人と合流し、札幌へ。久しぶりに乗る快速エアポート号は相変わらず快適で、札幌までの40分があっという間に感じられた。

  すぐに学会会場へは向かわず、二条市場へ。場内を散策してタラバガニやいくらの試食をしたりしてから、「どんぶり茶屋」で朝食兼昼食。私はむきたての生うに、いくら、炙り鮭の三色丼、友人は炙り鮭とぶどうえびの2色丼を注文し、シェアして食べる。生うにの新鮮な甘さ、脂ののった鮭、ぶどうえびの甘さ、いくらの絶妙なしょっぱさと、いきなり北海道のありがたみを存分に感じさせてくれた。

  タクシーに乗り、日本心理学会第77回大会の会場、札幌コンベンションセンターへ。運転手さんが日本ハムファイアーズのファンで、話が盛り上がった。

  受付を済ませ、友人の発表時間までは別行動。その前に、せっかくなので記念撮影。

  プログラムを見ながら散々迷った結果、午前中は遠藤寛子さん(筑波大学)の講演『怒りの維持過程の解明と筆記開示による低減効果に関する検討』を聞く。一時的ではなく継続的に感じてしまう怒りは、回避(考えないようにする)や他社への開示(人に聞いてもらう)では低減しないが、(構造的)筆記開示法を用いることで低減する、という内容の講演で、非常に面白かった。怒りの原因を冷静に分析し、思考の未統合感(理想と現実の不一致感)を解消し、言語的に感情を整理することで、怒りが低減するらしい。この講演は彼女の博士論文を元に構成されているようで、是非一度読んでみたいと思った。本になれば絶対に買うのに。一方で、やはり心理学というこれまで触れたことのない分野の講演だったため、専門用語がわからずに苦労した。いきなり「感情同定」とか言われても、ピンと来ない。

  友人の発表はポスター発表なので、掲示開始時間に会場へ向かう。当初は「誰も来なかったらどうしよう」などと心配していた彼だが、すぐに人が立ち止まり、しばらくすると彼と話をしたい人の列が出来ていた。そのため、私は邪魔をしないように遠くから様子を伺っていた。真剣に説明をする彼の姿を見ていて頼もしさを感じると同時に、純粋に羨ましかった。やっぱり、私もそっち側に行きたいなと思う。まあ、それはともかく、発表がうまくいって本当に良かった。

  友人の発表が盛況で、逆に私が暇になったので、もうひとつ講演を聞きに行くことにする。今度は、服部陽介さん(日本学術振興会/東京大学)の『抑うつ者の「考えない」はなぜ失敗に至るのか-抑うつ者の思考抑制の失敗を導く要因に関する検討-』。辛いことを考えたくなくて気晴らしをしても上手くいかないのは何故か、という研究である。結論から言うと、(1)抑制意図(考えないようとすること)と(2)ネガティブなメタ認知的信念(どうせうまく気晴らし出来ないだろう)が原因で、気晴らしは失敗する、ということだった。そして、その解決のために、マインドフルネス認知療法の応用が提言されていた。なるへそ。

  発表を終えて疲労感と達成感でいっぱいの友人と合流し、札幌中心部へ移動。「雪印パーラー」で、名物のアイスクリーム「スノーロイヤルスペシャル」を食べる。昭和43年に天皇・皇后両陛下のために開発されたアイスクリームで、普通のアイスクリームとは一味違った甘さが楽しめる。こういう例えが適切かはわからないが、イメージとしては「雪見だいふく」の味に近い。

  夕食は、回転寿司「とっぴー北海道」で。タラバ、ズワイ、カニ味噌が楽しめる「蟹三昧」に始まり、生うに、ほっき、紅鮭の筋子、生サーモンなど、北海道の海の味覚を食べ尽くす。どれも絶品だったが、やはり蟹が美味しかった。値段もお手頃で、こんなお店が関東にあったら、週1ぐらいで通いたいと思う。


活ほっき(左)と生サーモン(右)


青そい(左)とホタテ(右)

  地下鉄に乗り、すすきのへ。名物の歓楽街を見ようとやってきたわけだが、その存在感は想像以上だった。何がすごいって、ビル丸ごと風俗店というのが山ほどあるのだ。なんじゃこりゃ。小さなビルならわかる。しかし、100店舗ぐらい入っているのではないかというような大きなビルもある。これは、歌舞伎町よりもよっぽど迫力がある。天国とは、ここのことなのではないだろうか。

  友人は日帰りなので、タクシーに乗って札幌駅へ戻る。運転手さんから「ちゃんと抜いた?」と聞かれて、「いや、歩いただけなんです」と答えたら、「ダメだよー。ちゃんと出さなきゃ。」と言われて爆笑。札幌駅まで、延々風俗話で盛り上がる。このジャンルならここ、このジャンルならここと、充実した情報を頂いた。ちなみに、最近は店舗型よりデリバリー型の質が高いらしい。なるほどね。

  札幌駅で友人を見送り、じゃあもう一度すすきのへ、と思ったのだが、さすがに頭に彼女の顔が浮かび、すごすごとホテルへ戻る。不純なことを考えないようにと思えば思うほど頭に浮かび、今こそマインドフルネス認知療法が必要だと感じた。結局、療法を受けずとも誘惑には打ち勝ったのだが。そんな自分を褒めてあげたい(それが当たり前か)。