評価:★★★★【4点】
例のペースメーカーを普通に買えちゃった富裕層の悲劇。
◇
2人の子を持つ播磨薫子だったが、
IT機器メーカー社長の夫・和昌とは別居中で、
娘・瑞穂の小学校受験が終わったら離婚することになっていた。
そんな時、その瑞穂がプールの事故で意識不明となってしまう。
医師からは回復の見込みはないと脳死を告げられ、
夫婦は苦渋の決断で臓器提供を受け入れる。
しかし薫子は直前になって翻意し、和昌の会社の研究員・星野の
ある研究成果に最後の望みを託すのだったが…。
<allcinema>
◇
【ネタバレあります。要注意!】
本作、篠原涼子という絶妙なキャスティングの段階で
イッキに注目度が上がったような気がする。
普段の天然なキャラクターが嘘のような演技力は流石である。
脳死状態となってしまった娘を前に最先端技術で
最後の望みを託す母親の姿が徐々に常軌を逸していく過程が
この映画の最大の見せ場でとにかく怖いのである。
原作を知らないので、先の展開がまったく読めないワタシは
このまま母親の姿をさらにホラー地獄に持って行くのか
最先端技術で娘をロボットのように動かし暴走させる方向なのか
どちらにせよハリウッド製B級SFホラーのように成り下がるのは
チョット勘弁してほしいと思っていたら、そうきましたか。
人としての尊厳とは。。。
夫の思いが揺れ動く姿がまさにそれで明確な答えなどないのだ。
ラスト20分は一瞬ギョッとしたけど涙腺決壊しましたよ。
【今週のツッコミ】
・あそこで折り合い(命日)を付けてしまう母の決断力がすごい。
・包丁のシーンは唐突でちょっと引くがその後のセリフに
アシュレイ・ジャッドの『ダブル・ジョパディー』思い出す。
・人間の尊厳という方向性が映画に品格をもたらした。
・脳死が確認されても心臓動いてたら希望を持つのが日本人。
心臓なら触ればわかるけど脳死は触っても分からないから
「先生、医療器具の不具合じゃないんですか?」と問うワタシ。
・あの最新技術で本当に生き返らせてみるのもいいじゃないか。
あの子役ならCGなしで繊細な演技が期待できそうだ。
・徐々に伸びゆく長い黒髪が日本人形のようでビビる。
・一同が一斉に泣きだすカオスに耐えられなくなった坂口健太郎。
高校球児ならともかく老若男女だったからね。
・冒頭の男の子がラストで空き地に行きそのままカメラは上昇
俯瞰映像になるとそこはかつてのあの場所だった。
都市伝説ってこういうところから広がっていくのだろうか。
---------------------------------------------------------------
監督:堤幸彦
脚本:篠崎絵里子
音楽:アレクシス・フレンチ
出演:篠原涼子/西島秀俊/坂口健太郎
『人魚の眠る家』
例のペースメーカーを普通に買えちゃった富裕層の悲劇。
◇
2人の子を持つ播磨薫子だったが、
IT機器メーカー社長の夫・和昌とは別居中で、
娘・瑞穂の小学校受験が終わったら離婚することになっていた。
そんな時、その瑞穂がプールの事故で意識不明となってしまう。
医師からは回復の見込みはないと脳死を告げられ、
夫婦は苦渋の決断で臓器提供を受け入れる。
しかし薫子は直前になって翻意し、和昌の会社の研究員・星野の
ある研究成果に最後の望みを託すのだったが…。
<allcinema>
◇
【ネタバレあります。要注意!】
本作、篠原涼子という絶妙なキャスティングの段階で
イッキに注目度が上がったような気がする。
普段の天然なキャラクターが嘘のような演技力は流石である。
脳死状態となってしまった娘を前に最先端技術で
最後の望みを託す母親の姿が徐々に常軌を逸していく過程が
この映画の最大の見せ場でとにかく怖いのである。
原作を知らないので、先の展開がまったく読めないワタシは
このまま母親の姿をさらにホラー地獄に持って行くのか
最先端技術で娘をロボットのように動かし暴走させる方向なのか
どちらにせよハリウッド製B級SFホラーのように成り下がるのは
チョット勘弁してほしいと思っていたら、そうきましたか。
人としての尊厳とは。。。
夫の思いが揺れ動く姿がまさにそれで明確な答えなどないのだ。
ラスト20分は一瞬ギョッとしたけど涙腺決壊しましたよ。
【今週のツッコミ】
・あそこで折り合い(命日)を付けてしまう母の決断力がすごい。
・包丁のシーンは唐突でちょっと引くがその後のセリフに
アシュレイ・ジャッドの『ダブル・ジョパディー』思い出す。
・人間の尊厳という方向性が映画に品格をもたらした。
・脳死が確認されても心臓動いてたら希望を持つのが日本人。
心臓なら触ればわかるけど脳死は触っても分からないから
「先生、医療器具の不具合じゃないんですか?」と問うワタシ。
・あの最新技術で本当に生き返らせてみるのもいいじゃないか。
あの子役ならCGなしで繊細な演技が期待できそうだ。
・徐々に伸びゆく長い黒髪が日本人形のようでビビる。
・一同が一斉に泣きだすカオスに耐えられなくなった坂口健太郎。
高校球児ならともかく老若男女だったからね。
・冒頭の男の子がラストで空き地に行きそのままカメラは上昇
俯瞰映像になるとそこはかつてのあの場所だった。
都市伝説ってこういうところから広がっていくのだろうか。
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監督:堤幸彦
脚本:篠崎絵里子
音楽:アレクシス・フレンチ
出演:篠原涼子/西島秀俊/坂口健太郎
『人魚の眠る家』
ワタシも子の親としてどう対応するのが妥当なのかと夫の西島秀俊の行動に毎回「ですよね!」と膝を叩いてましたが
妻の篠原涼子からかなり厳しい言葉を受け「え、ダメなの?」とこれまた西島パパと同じリアクションでしたよ。
そういう意味からすると夫にいちばん感情移入してたのかも(爆)
あの野球少年の帽子はベイスターズだったのね!まったく気づきませんでした(笑)
ここなつさんはベイスターズファンですから最初に目が行ったんですね(笑)
大変重たいテーマでした。
ですが一方、下世話な私は、広~い家に広~い庭、広~いリビング、…そりゃ社長のオウチだもんねぇ…、部下の仕事でなくたって金に糸目をつけずに実験したろうよ。とか考えてしまいました。あ、すみません、毒を吐いてしまいました。
でも結構な高さで注目していたのが、例の野球少年が被っていたのは横浜DeNAベイスターズの野球帽だったということ。
ベイスターズ…こんなメジャーになったなんて…と、いちファンとして感無量でしたよ。
問答無用で速攻ビンタですもんね!このとき母親は完全に逝っちゃってるなと思いました。
この家族の異様な空間をうまく表現していたのは坂口健太郎の恋人(なにも関わっていない一般人)の存在なんですよね。
この恋人が坂口に何度も裏切られ落胆するときのスマホの持ち手がかすかに震えるシーン印象的でした(笑)
こういったミステリー映画は我々未読者の方が着地点が分からない分面白く観られるのかもしれませんね。
“人魚”に例えた表現として門飾りが起点ですが最終的にあの男の子のメタファーなんだとラストで思いました。
あの不自然な状況を、不自然と言うことも許されず、何年も母親と過ごしているのですから。
夫は離婚していない、祖母はしょっちゅう来てても(住み込んでいたのか?)言ってみれば、母と息子の2人家族のようなもの。半分狂ってきているような(と、周りも感じている)母親と、人形のような姉。
ほんと、ホラー映画かと思います。
そうそう、わたしも原作は未読だったのですが、
何故、人形でなく、人魚の眠る家なんだろう?って思ったんです。冒頭の男の子が彼女のことを人魚のようだと思ったからなんですね。
なので脳死してても心臓動いてれば、あの母親のように希望持ちますね(笑)
篠原涼子はやはり演技上手いです。
ホント!ホラーになる一歩手前って感じでした(笑)
篠原涼子の演技がとても良かったです。
私も原作は未読なので先がわからず、一歩間違えたらホラーになりかねないですよね、、、