夏川草介著 『神様のカルテ』
評判の本だったけれども、題名が想像させるものが、
お涙ちょうだい的、またはファンタジー的なお話かなと、
勝手に思ってしまって読んでいなかったのですが、
文庫(小学館文庫)になったので、買ってみました。
予想とちがって、なかなか良かったです。
信州の病院で地域医療を実際にやっている医師が
地域医療の大変さと、その中でのやりがい、
患者さんや、スタッフ、友人とのつながり、
妻のお話、などなどを書いています。
地方医療だけでなく、日本の医療は、
こういう、非人間的とも思える医師の労働によって
なりたっているのだなというのが、よくわかります。
大学病院での医療がちょっと否定的に書いてあるけれども、
この前、旦那が入院した時にみた、大学病院のお医者様たちも、
みなさん、いつ休んでるのかと思うような感じでした。
この本の中で、医局制度の是非にも触れていますが、
今は医局制度をなくす方向になって、
さらに地方の医療の崩壊が進んでいる現状になっているわけで、
これから、どうなっていくのかなと思います。
そんなこんなで、著者は現在の医療の問題点を
もりこみながらも、上手に患者さんとのお話や
ちょっと変わってけど素敵な奥さんのお話を
感動とともに書いています。
深刻ではなく、だれでも読める軽い文体で書いていて、
とってもうまいなと思いました。
この本が売れているということで、
映画にもなるようなので、
医療の現場の大変さが、実感として広く知られて、
この著書の想いが通じたらいいなと思いました。
また、治るみこみがない病になった時に
どのような選択をするかを、きちんとしておかないとな
などと考えさせられました。
題名だけで、内容を判断してはいけませんね。
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ちょっとご紹介
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スパイになった昔の友人から、ある日メールが来て、
それを開いてみたら、大量の映像が送られてきて、
それを見たチャックは思いもかけないことに巻き込まれるという
お話なんだけど、チャックのお宅な感じがとってもいいし、
周りの描き方も丁寧な感じがして、面白いです。
24とかLOSTとかだと、息が詰まってしまうという私のような
気の弱い?視聴者には、ちょうどいい感じです
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次を借りようと思ったら、DVD半額の日だったので、
すべて借りられてしまっていました。はやく次が見たいな~~
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