おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(法人研修も)とカウンセリングを行う岩井俊憲です。
私は今、カール・ベーム指揮ウィーンフィルのCDを聴きながらこのブログを書いています。
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ベートーヴェン:交響曲第9番 |
ベーム(カール),ベートーヴェン,バラッチェ(ノルベルト), ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 |
ユニバーサル ミュージック クラシック |
昨日(12月29日)は、東京オペラシティ コンサートホールで ウクライナ国立歌劇場管弦楽団 の
ベートーヴェン 交響曲第7番 イ長調 作品92
ベートーヴェン 交響曲第9番 ニ短調 作品125 “合唱付き”
を聴いてきました。
あまたの演奏会が行われる中でこの楽団を選んだ理由は、第9のほかに私が一番好きな第7が演奏されるというぜいたくさからでした。
ミコラ・ジャジューラ(指揮)
清水 敬一(合唱指揮)、晋友会合唱団
オクサナ・クラマレヴァ(ソプラノ)
アンジェリーナ・シヴァチカ(メゾ・ソプラノ)
ドミトロ・クジミン(テノール)
セルゲイ・マゲラ(バス)
第7は、この曲を聴きなれている私からすると、全体的にテンポが速めで、第2楽章で浸れきれない思いがしました。
しかし、第9は圧巻でした。
特に席が前から3列目。
私はふと、この曲の初演にまつわるエピソードを思い出しました。
ベートーヴェンが1824年5月7日、第9交響曲「合唱付き」を指揮したとき(と言うよりむしろ、プログラムに書いてあるとおり、《演奏の指導に参加したとき》彼に拍手喝采を浴びせた満場の大騒ぎが彼の耳には全然聞こえませんでした。
女性歌手の一人が、彼の手を取って、彼を聴衆の方へ向けるまで、彼は全然そんなことは思っていなかったのです。
彼は突然、立ち上がった聴衆が、帽子を振り、両手を叩いているのを見たのでした。
この文章は、以前にも書いたことがありますが、『苦悩の英雄ベートーヴェンの生涯』(新庄嘉章訳、角川文庫、絶版、『ベートーヴェンの生涯』 (片山 敏彦訳、岩波文庫、670円)で入手可能)に書いてある話です。
作曲家として聴覚というもっとも大切な感覚器官を失いながらも進化し続けていたベートーヴェンの最後の交響曲が年末にこぞって演奏されることを改めて理解させられました。
終演後、演題の最前列にやって来たソプラノとメゾ・ソプラノの歌手からはものすごいオーラを感じ、多くの聴衆が合唱団の最後の人が退出するまで拍手をしていました。
私自身にとって祝福すべき70歳(古稀)の最後の日にふさわしい1日となりました。
◆第9交響曲にまつわるアドラー心理学からの解釈については、次のブログをご参照ください。
2016年12月27日 年末に第9交響曲を聴くのは?(2):劣等性とその補償として
◆同じ曲を聴いたカミさんの感想はこちらで → 今年最後のコンサート
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<お目休めコーナー>12月の花(26)