木の胴に弦が張ってある。
それだけの構造なのに、どうしてさまざまな音がかき鳴らせるのか。
弦楽器と総称される楽器は、聴いていると、弦の音だけでなく、管楽器やヒトの声まで聞こえてくることがある。
それがまた、魅力なのだろう。
張った弦が揺れ、振動が木の胴に伝わり、弦の揺れと木の揺れが空気を揺らしてゆく。
あたり一面は、さまざまな空気の波で満ちる。
その場にいる人間は、その揺れに、心まで揺さぶられる。
リュートやギター、琵琶の原型といわれる中近東の弦楽器ウード。
アラビア語で「木」を意味するのだそうだ。
乾いた熱い空気が浮かんでくる音色を持つ。
エキゾティックサウンドだったら、静岡ではこの人、トラディショナル・サウンドの堀池龍二さんが、
このウード奏者に縁ができ、静岡でのライブ開催となった。
ムスタファ・サイードというエジプト出身の盲目のアーティストは、ヨーロッパでも活躍し、
レバノン大学で教師も勤めている。
一緒にライブステージに立つのは、フランス出身、ギターから始まりウードでジャズを奏でるヤン・ピター、
日本で数少ないウード奏者で「龍馬が行く」に楽曲を提供した常味裕司。
会場は、木の響きの上等な、静岡市葵区研屋町にある顕光院。
ベリーダンスはないそうだが、激しい曲もあり、吟遊の趣での歌もある。
どこか日本の旋律にも似た、肌になじみのいい響き、楽しめそうだ。
@ムスタファ・サイード ZeAmiブログ
http://zeami-cd.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-7760.html
@ヤン・ピタール webDICE
http://www.webdice.jp/dice/detail/1870/
@常味裕司サイト
http://www.oud.jp/
ウード楽師達の風景
◆日時 2010年 11月28日日曜日 開場18:30 開演19:00
◆場所 顕光院 424-0029静岡県静岡市葵区研屋町45
◆チケット 前売り¥2,500 当日¥2,800
◆チケット取扱店
TSUTAYAすみや静岡本店プレイガイド054-251-1233
サールナートホール054-273-7669
リサイクルブテック・スノードール054-346-7669
◆後援/共催 エジプト大使館文化教育部
◆後援 (財)舞台芸術センターSPAC
◆問/ トラディショナル・サウンド 堀池 090-3458-4497 biwabon@hotmail.com
@トラディショナル・サウンド・ブログ
http://ameblo.jp/biyabonkozou/
奏することができるコーナーが常設展の中にあ
って、ウードを実際に弾いたことがあります。
ボディが巨大なマンドリンのようになっていて
ネックが短く、実際に弾ける音域はそんなに広
くないなぁという感じでした。ヴァイオリンの
ように、音程を区切るフレットが打ち込まれて
いないフレットレスになっているのですが、元々
フレットがあったものが「微分音」を出せるよ
うに改良していった結果、結局フレットレスに
なったというのも面白い話です。そういえばラ
イ・クーダーも弾いていたような記憶がありま
す。結構素朴な、和む感じの音色でした。
こういった民族楽器も弾いてみると面白いもの
ですが、シタールはかなり大変そうです。以前
ちょっと持たせてもらったことがありますが、
弦がギターとはぜんぜん違う「針金」そのもの
でえらく押さえづらくて、かなり強く弾かない
とあの音が出ないという、なかなかハードな楽
器でした。
そういえば、インドネシアだったかどこかで、
竹を割って取った材料から、それを竹から切り
取らないように細い竹ヒゴのように弦を切り出
して、木片を挟んで作るという「クリビッ」と
いう変わった楽器をギター雑誌で見たことがあ
ります。竹の表面から弦を切り出すというのも
変わっていますが、構造が日本や韓国の事に酷
似しているのが興味深いところです。「もしか
したら琴のルーツはこれではないだろうか」と
いう解説が付けられていましたが・・・。
是非、お出かけを。
「クリビッ」は面白そうですね。
http://kotobank.jp/word/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%93%E3%83%83
作れそうだし。どんなものか見てみたいな。