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大学生になる頃には湿疹が治ったこともあり、自分のいる間だけ猫さん達を自室へ入れていました。
特にキジトラの彼女は、ワケが分からなかったと思います。
自分の部屋に、自分のベッドに上がれない
夜締め出されるのはナゼだろうと。
同居していた祖母の耳がわるく、TV音が段々と大きくなってきました。
私がうつを発症した年。
その頃が一番凄かったです。
常時60〜70くらい
彼女の寝床は祖母の障子の部屋から近い場所にありました。
猫の聴覚は犬の数倍あります。
尋常じゃない音量は朝早くから夜中まで続きました。
私は下の階に降りて行けず、自分に絶望して死ぬことばかり考えていました。
彼女を助けなかった。
苦痛だったであろう環境に置き去りにしてしまった。
丁度、実習24時シリーズの後のことです。
家庭内はぶっ壊れていました。
誰も頼ることができない
家の中にいても安心できない
そんな時期、あの仔は私の側にいてくれたのです。
今まで何度も何度も酷いことをして、傷つけてきたのに、私は自分を優先させて彼女を見捨てたのに
彼女の身体は温かかった。
当たり前のことですが、私にとってその温もりがどんなに救いになったでしょうか。
トクトクトクと、速い鼓動も聴こえます。
生きている。あぁ、何もかも失ったと思っていたけれど、この仔がいてくれる。
心が休まる唯一の時でした。
彼女はマッサージが大好きで。
私が階段を登っていると、弾丸のように走ってきて一つ上の段に前足をつき、身体を伸ばします。
「さぁ、やって!!」って意味です笑。
強めのタッピングをしたり、便秘体質だったので腸マッサージをしたり。
雑誌か何かで読んで、歯ブラシでトントンしたり。
彼女が旅立って間もなくは、コタツから出てきて私のイスに前足をかけ、マッサージを所望する姿がよくちらつきました。
家では心安らぐ時間がない中で彼女は私を癒してくれました。
家族の誰よりも心に寄り添ってくれる存在だと改めて気づいた時期でした。
(完結編2へつづく)
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