テン・テン・ツク・ポン・テケ・テン・テン・テケ・ツク・ポン
『迷走する院号』
え〜、まいど、ばかばかしいお笑いでございます・・・
え〜、お盆とかお彼岸になりますてぇと、普段はぐうたらな人でも、
ちったァご先祖さまのことォ、思い出します。
・・またァ、御年配の方の中には、ご自分があの世へ逝った後、
院号をちゃんと付けてくれるだろうか・・
なんて気を揉む方もいらっしゃるようでございます。
いま時ァ、定年退職して隠居したら、どう過ごしていいんか?
さっばり面喰らってしまって、
急に老(ふ)け込んでしまうお父さんが多いそうで・・。
そこへいくってぇと、江戸の隠居は釣りや盆栽、俳句なぞ、
好きなことに熱中して元気はつらつ。
長旅というのは、あまりしなかったそうで、
『迷走する院号』
え〜、まいど、ばかばかしいお笑いでございます・・・
え〜、お盆とかお彼岸になりますてぇと、普段はぐうたらな人でも、
ちったァご先祖さまのことォ、思い出します。
・・またァ、御年配の方の中には、ご自分があの世へ逝った後、
院号をちゃんと付けてくれるだろうか・・
なんて気を揉む方もいらっしゃるようでございます。
いま時ァ、定年退職して隠居したら、どう過ごしていいんか?
さっばり面喰らってしまって、
急に老(ふ)け込んでしまうお父さんが多いそうで・・。
そこへいくってぇと、江戸の隠居は釣りや盆栽、俳句なぞ、
好きなことに熱中して元気はつらつ。
長旅というのは、あまりしなかったそうで、
せいぜい箱根か江ノ島あたり。
やっぱり江戸が一番いいということだったようで、
もっぱら江戸近郊の寺社詣りが盛んで、
文化・文政のころには、ガイドブックも出版されて
やっぱり江戸が一番いいということだったようで、
もっぱら江戸近郊の寺社詣りが盛んで、
文化・文政のころには、ガイドブックも出版されて
いたそうでございます。
もっとも、後生を願うよりは、現世のご利益を願ったそうで、
そのあたりが江戸っ子らしいですな。
親爺 「おう、ぐうたらせがれ。
わしが死んだら、ちゃんと院号を付けてくれるんだろうな?」
せがれ 「なんだい、院号・院号って・・、そんなに大事なもんかい?」
親爺 「アタボーよ。これが付いてるといないとじゃ、あの世で格が違う。
仏壇のご先祖の位牌を見てみろ。みんな院号が付いてる。
わしだけが付け忘れて、あの世に逝ってみろ・・え、
こんなみっともないことはない」
せがれ 「なに云ってんだィ、おとっつぁん。
あんなもんはね、儲けるためにお寺が知恵をしぼって考えた
もっとも、後生を願うよりは、現世のご利益を願ったそうで、
そのあたりが江戸っ子らしいですな。
親爺 「おう、ぐうたらせがれ。
わしが死んだら、ちゃんと院号を付けてくれるんだろうな?」
せがれ 「なんだい、院号・院号って・・、そんなに大事なもんかい?」
親爺 「アタボーよ。これが付いてるといないとじゃ、あの世で格が違う。
仏壇のご先祖の位牌を見てみろ。みんな院号が付いてる。
わしだけが付け忘れて、あの世に逝ってみろ・・え、
こんなみっともないことはない」
せがれ 「なに云ってんだィ、おとっつぁん。
あんなもんはね、儲けるためにお寺が知恵をしぼって考えた
「仕掛け」なんだ。
院号を1つ付けりゃあ、何万円だァ。ナンマイダァ・・」
親爺 「なに、罰当たりなこと云うんじゃない。 これは伝統なんだ」
せがれ 「お釈迦さまが作ったとは思えないけどね・・?」
親爺 「とにかく、いいかィ。 わしが死んだら院号を忘れるな。
院号を1つ付けりゃあ、何万円だァ。ナンマイダァ・・」
親爺 「なに、罰当たりなこと云うんじゃない。 これは伝統なんだ」
せがれ 「お釈迦さまが作ったとは思えないけどね・・?」
親爺 「とにかく、いいかィ。 わしが死んだら院号を忘れるな。
忘れたら化けて出てくるぞ」
・・なぞと、せがれを脅かして、やがて親爺は逝ってしまう。
後に残されたせがれは、気が進まないものを頼まれて・・。
せがれ 「変なもの頼まれちゃったよなぁ・・まったく。
院が好きだった親爺だから、院院だらけにしてやろうか?
のんべえ院にうるさ院。がんこ院にへそまがり院・・・
はげ頭院に出っ腹院、とくらァ・・・。
院院院の院院おやじ・・とね。
あ、いけねぇ。こんなに付けりゃァ、何百万円だァ。ナンマイダァ・・」
・・さて、四十九日も過ぎ、いくら待てども、
いっこうに院号を付けてもらえない親爺は、
とうとう我慢できずに化けて出て来た・・。
親爺 「これ、せがれよ。院号はまだか?
迷ってるなら、仏壇のご先祖の位牌を見てみろ。
あれに劣らない院号を頼むぞよ・・」
せがれ 「うへぇ〜! もう化けて出たよ・・まったく。
迷ってるんは、自分じゃねぇの?
・・なぞと、せがれを脅かして、やがて親爺は逝ってしまう。
後に残されたせがれは、気が進まないものを頼まれて・・。
せがれ 「変なもの頼まれちゃったよなぁ・・まったく。
院が好きだった親爺だから、院院だらけにしてやろうか?
のんべえ院にうるさ院。がんこ院にへそまがり院・・・
はげ頭院に出っ腹院、とくらァ・・・。
院院院の院院おやじ・・とね。
あ、いけねぇ。こんなに付けりゃァ、何百万円だァ。ナンマイダァ・・」
・・さて、四十九日も過ぎ、いくら待てども、
いっこうに院号を付けてもらえない親爺は、
とうとう我慢できずに化けて出て来た・・。
親爺 「これ、せがれよ。院号はまだか?
迷ってるなら、仏壇のご先祖の位牌を見てみろ。
あれに劣らない院号を頼むぞよ・・」
せがれ 「うへぇ〜! もう化けて出たよ・・まったく。
迷ってるんは、自分じゃねぇの?
ふぁ〜、眠くてかなわねぇや・・・。
なんですかぃ、印篭ですかぃ・・?」
親爺 「印篭じゃない。 院号だ、イ・ン・ゴ・ウ。
早くしろよ・・。 四十九日は過ぎたぞよ・・
なんですかぃ、印篭ですかぃ・・?」
親爺 「印篭じゃない。 院号だ、イ・ン・ゴ・ウ。
早くしろよ・・。 四十九日は過ぎたぞよ・・
明日の晩、また来るぞよ・・・」
せがれ 「ひぇ〜! 解ったよ・・深夜の2時だよ、まったく。
院号、院号ってうるさくてかなわねぇや。
院号は金がかかるし・・、因号でいいんじゃないかな?
どうせ因業親爺だったんだし・・。
だいたいが、アタシが付けるんだから、只だし・・。
せがれ 「ひぇ〜! 解ったよ・・深夜の2時だよ、まったく。
院号、院号ってうるさくてかなわねぇや。
院号は金がかかるし・・、因号でいいんじゃないかな?
どうせ因業親爺だったんだし・・。
だいたいが、アタシが付けるんだから、只だし・・。
え〜と、むにやむにゃ・・と」
・・そして、翌晩・・
親爺 「今晩は・・。できたかな・・」
せがれ 「およよ〜! もう、出てきやがった。・・・へぃ、できました」
親爺 「どれ、どんなできかな・・?」
せがれ 「へぃ、『おまたせ院 おまちどう居士』」
おたいくつさまで・・
・・そして、翌晩・・
親爺 「今晩は・・。できたかな・・」
せがれ 「およよ〜! もう、出てきやがった。・・・へぃ、できました」
親爺 「どれ、どんなできかな・・?」
せがれ 「へぃ、『おまたせ院 おまちどう居士』」
おたいくつさまで・・
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