さよなら海洋研

海洋生物学研究室が失くなることになった。
さみしいような、何も変わらないような。
よくわからない感じがした。
いつ行っても変わらない態度で、
元気か？呑め、食え。って言ってくれる。

最後だからしゃべれって言われて、
昔のことをしゃべったけれど、
全然話がまとまらなくて、
ありがとうございましたしか言えなくて、
でもそれを言うと、がんばったのは自分だろ、とか
俺は何にもしてないとかって言う。

だからいいんだよね。

山崎くんが院に行きたいって相談してきたときに、
うちはすごい反対をした。そんな覚悟ないと思ったから。
でも結局院に進学して、まあ普通だったんだけど、
今日卒業おめでとうって言ったら、
まどかさんに言われたこと、ずっと覚えてて、
それがあったから、中途半端やらずにいられましたって。
まどかさんのおかげですって。

何言ってんの、ばか。

がんばったのは山崎くんなのにね。
それを言えるということは
それだけがんばったってことだよ。

よくがんばったね。

そんな偉そうになんか言えないけど。
そんな人たちがいた海洋研は
もう失くなりますよ。

大丈夫。ここはちゃんと残ってるから。
博さんが言った。
そうだよね。
もしかしたらいちばんさみしいのは、博さんかも。

さよなら海洋研。
また来るよ。