またまた、濱野京子さん、新刊をだされました。
中高一貫校の15歳、宙、紗奈、美森の三人の物語。それぞれの視点で三人の心象風景が語られていきます。
読みやすくて、すいすい読めるのですが、三人の書き分けがうまい。女性だけ三人の個性のちがいをだしていくって、けっこうむずかしいですよ。
この三人、それぞれ家庭の事情をかかえています。
お互いのことを知り合ったことで、彼女たち自身の中にさざなみがひろがり、変化していきます。
男性がにがてなこと、
自分は平凡で何の才能もないと思ってしまうこと、
母親を独占したい気持ち……
三人の気持ちは語りあうことでまざりあい、前向きな変化をうんでいきます。
女性の生きづらさについて語られる場面も多くでてきます。
幼いころ痴漢にあったこと、配偶者控除などで女子が働くにくく設定されていることなど、こういうこと、真っ正面から書いた児童文学って今までなかったなと思いました。
最後に、宙の家庭の事情がわかってきて、これにはびっくり!
いろんな家族があるべきだし、だからこそ、多様な見方が育つのかもしれません。
この三人が出会えて、ほんとうによかったなと思いました。
あと、表紙が、おしゃれですよね。こわきにかかえて持ち歩きたくなる装幀です。
とくにわたしは、iだけが赤い色なのが、すてきだと思いました。
さて、月曜日は11月におこなう岡山セミナーについてのオンライン会議をしました。もう、岡山セミナーまで150日をきったそうです。
岡山の人たち、さまざまな準備をしてくれています。みんな岡山、行こうね! よろしく。