恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

田中哲弥『ミッションスクール』

2007年02月08日 | 日記とか
たまには書評でも。

普段は歴史関係の書物とか、そういったタイプのものが多いのですが、
たまには小説でも読んでみるか、と、書店へ行って物色。
文庫本の辺りを見ていると、田中哲弥、という、懐かしい名前を見つけまして、
つい手にとって購入してまいりました。
中学生のころは結構この著者の作品が好きで、読み漁ったものですが、
最近はこのライトノベルというジャンルからは離れていたので、
久々の出会いでした。とはいえ、作品を出したのが7年ぶりらしいので、
実際に一番読んでいたころの次回作という扱いのようですが、
大人になって改めてこの作者の文章にふれることになりました。

タイトルは『ミッションスクール』
扉の紹介文によると、
「下痢のため一刻も早く排便したいのです」―謎の符牒とともに教室から姿を消した聖メヒラス学園一の美少女・山岸香織は、MI6の潜入工作員だった。国連事務総長直属の諜報員・吹石雄作は香織と接触、イラク軍のテロ活動を阻止するため極秘任務を開始するが…華麗なる諜報戦を描く表題作ほか、ホラー、ファンタジイ、アメコミ、純愛ロマンという5つのジャンルフィクションの定型による規格外の学園ラヴストーリー。
読後の感想を一言で表すなら、もうめちゃくちゃ。
設定も何もあったものじゃありません。不条理という言葉がぴったり。
ただ、だからといって面白くないとか馬鹿馬鹿しいというわけではなく、
この著者独特の文体というか言い回しが絶妙なんですね。
興味がある方はぜひ著者のホームページの日記をご覧いただきたいのですが、
好き嫌いは相当分かれるんじゃないかなぁとおもいます。
少なくとも万人受けするような作品でないのは前から一緒。
どこかすっ呆けたような、かつ、各所にちりばめられたネタ、
それに、よくこういうのが思いつくよなぁという感心もあって
私はこの著者の異才ぶりには驚かされます。
まじめに、ではなく、若干肩の力を抜いて読みたい方にはお勧めです。

久々に小説を楽しみながらあっという間に読破させていただきました。

恐懼謹言。
コメント
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