ハミなし頭絡で楽しい馬生活!日本ビットレスブライドル協会

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ビジター乗馬で感じた事

2021年05月19日 | 馬とヒトのトレーニング

 ビジターで乗馬。本当に久しぶりです。特に教わることもないんですが、たまには他の乗馬クラブに行ってみて考えることもあり、ということで。

 日馬連2級(馬場限定じゃない方)を持っている、とお伝えしておいたんですけど、慎重に、最初は小さい馬場で、次に20*40くらいの馬場で、3歩様と斜め横歩等々。自分にビックリしたんですが、今までだと、馬に何されるか分からん、常に緊張してたもんなんですけど、全然そういう事がなくなっちゃってましたね。その理由には色々あると思うんですが。。。

 で、改めて、乗馬を楽しくなくする・事故を引き起こす・上達を妨げる一番というか、唯一じゃないかと思う原因が「恐怖心」だなあと。

 しかしですね、この恐怖心というの、乗馬を始めた最初からある人は、そもそも乗馬なんか始めないでしょうから、後から植え付けられたものになる、わけで。
 この間、体験乗馬というものに行ってきました、というお話を聞く機会があって、その方は猛烈な勧誘にあったようなんだけど(相変わらずえげつない・・・・。その件についてはこっちに詳述しました)、「馬がかわいいの~~~」とおっしゃる。そりゃそうでしょ、それ向けの愛想のいい馬が使われてんだもの、と夢をぶち壊してしまったんですが。少なくとも「おっかない」」とは思わなかったのだなあ。体験乗馬程度で事故が起きたらえらいことですけどね。

 自分が「乗馬ってこんな怖いもんなの?」と」疑いだしたのは、最初に在籍した最大手クラブの「初級」クラス辺りから。暴走する馬が出て、落馬して救急車、こんなことが毎レッスンごとに起こるのだもの、馬ってどうかしてるんじゃないの?と。自分の知っている普通の「家畜」(行動に合理的な理由がある)とは思えない、予測が全く効かないことに驚愕したんですよね。

 こないだのビジターでも、隣の小さい馬場で別の人馬がレッスンし始めたら、うっひゃ!馬が立ち上がってるし。おいおい、こっちになだれ込んでくるんじゃない?と不安になる。その馬に乗ってる方は怖いなんてもんじゃないでしょう。ちらっと聞こえるのが、指導員の「前に出して!」なんですが、出そうたって怖いから手綱にしがみついちゃう、そうすると馬は止められちゃうからますます混乱する、解決にならないんですよ。無茶振りもいいとこ。

 しかし、このクラブもグーグルでの評価星5つ近いんです。

 つまり、どの乗馬クラブも言うところの「よく調教されたおとなしい馬」なんてのは、存在しない。マンツーマンだから安心、も、安全、もない。これでは、乗馬なんか滅亡して当然じゃないかな。 


乗馬の技術について考える9-乗り手問題

2021年01月27日 | 馬とヒトのトレーニング

 駆歩という歩様のもう一つの特徴なんですけど、「3拍子」が挙げられます。で、3拍子って、日本人が一番苦手とするリズムじゃないかと思います。「三々七拍子」ってありますけど、これって4拍子ですよね、結局。「チャチャチャウン、チャチャチャウン、チャチャチャチャチャチャチャウン」って感じ。多分、社交ダンスでも、日本人はワルツで苦戦するんじゃないかと。管理人はサンデーヴァイオリン弾きでもあるんですが、3拍子の曲って苦手~~です。なんかテンポの掴み方がダサイ感じ・・・・・って悩む。弾きにくくて。

 ちなみに、音楽の速度記号ですけど、アレグロだのアンダンテだの。長らくありゃ何に基づいたテンポなんだろうと思ってました。アンダンテ=人の歩く速度とか言われたけど、ちゃうやん、と。馬に乗って理解したんですが、アンダンテ=馬の常歩の速度なんですよ。アレグロは、速歩。成程、西洋って馬車だの乗馬だので移動するのが普通でしたもん、そのテンポ感を使って作曲するのは当然か。モーツァルトなんか、ガンガン馬車で走り回ってたんだもの、そのテンポ感が身に沁みつくのは当然と思えます。メトロノームは、モーツァルトの後の人であるベートーヴェンの人生後半頃にやっと発明された道具で、それまでは、一定のビートを刻む一番身近なのは馬の蹄の音だったんじゃないかと。

 駆歩の3拍子のリズムは「パカッツ、パカッツ」という感じ。大体駆歩を「パカパカ」とか「パッカパッカ」みたいに理解してる人が多そう(管理人はそうでした)なので、リズムに乗れないのでは?とも思っちゃうんですよ。パカという前半が蹄で地面を叩いていて、後半の1拍は馬は宙に浮いております。その感覚をつかめないと、全く馬の動きについていけなくなる。

 乗り手にかかる力がかなり複雑なとこへもってきて、速度もそこそこ速い(と勘違いしやすい)ので、軽速歩まではできるじゃん、と思っていたのに、いきなりできなくなる、おまけに馬が暴れ出すし、この辺りで馬が怖くなる、または落馬する、最悪大怪我、となってしまう、のが、大方のパターンじゃないかと。駆歩の練習を始めた頃、管理人は全身筋肉痛になってましたね。

 いってしまえば、この頃から乗馬は本格的な「スポーツ」に変化するんだと思います。スポーツとなると、乗り手側がある程度体をつくることも必要ですし、馬に乗るのに必要な技術とは何なのか、を考え直さないといけなくなる、筈。それを「数乗らないと上達しません」とクラブさんは言いがちですけど、必要なものが何か理解した今となっては、数乗ってお馬さんを煩わす必要は特になかったんじゃないか、と思う訳。少なくとも、クラブホースさんと駆歩の練習する=危険をしょい込む、ことと同義語だから、そんな不安を抱えながらまでやるものではない、と。

 では、管理人が考える、「乗馬の技術」の本質とは?これは、「動く丸い物体の上で、宙に浮いた状態でバランスを取り続けること。しかも、腕~手でバランスをとってはいけないに尽きる。

 宙でバランスをとる、有名なのは綱渡りですけど、必ず手や長い棒等でバランスの補助をします。動物についてる「バランス補正用の器官」=しっぽなんですが(従って、管理人は犬の断尾は虐待と考えています)、しっぽがない人間は、その代わりに腕~手を使ってバランスをとる。しかし、乗馬時は、それを封印しなければなりません。だから、落馬が増えるんですよね。そもそも、空中でまっすぐの姿勢でいる、ことが至難の技。地上にいたって、「まっすぐに立つ」をできてる人なんかほぼいませんから。


乗馬の技術について思う事4ー「ハミ受け」ってなに?

2021年01月17日 | 馬とヒトのトレーニング

 でもですね、乗馬クラブに通ってると、「いう事を聞かせられないのは、あんたが下手だから」と言いくるめられるケースがほぼ100%。で、上手くなる=ハミ受けができる、とか、内方姿勢がどうこう、だとか、乗馬と全く関係のない事を言われることになる。日本では「ハミ受け」が皆さん大好きで、ハミ受けさえできれば「人馬一体」みたいになるんだ、という幻想に支配されている人多し、このせいで馬は「ハミ虐待」をやられている、といって過言でない状況が生じてしまっている。「ハミ受け」という言葉って日本特有のようで、海外の馬術翻訳本にもこの言葉は全く出てこないから、不思議でしょうがない。Youtubeでも探しましたけど、馬場馬術を教えているVにも出てこないんですよねえ。どうなってるんでしょ?

 馬に伝わらない方法で馬に伝えようとするから伝わらないのだ、方法論が間違ってる、って誰も言わない、から当方が言う訳です。馬に乗ってる獣医の皆さん、そう思わないんですか?我々は、動物を守る義務があるんですよ。

 ちなみに「ハミ受け」の実態ですが、これは単なる「格好」です。ハミ受けさせりゃ、馬が落ち着く、なんていうのも幻想。もしそうなら、放牧されたり馬房にいて暴れる理由のない馬は「ハミ受け」なるかっこをしてるはずでしょ、見たことないわい。それだけじゃない、ウエスタンにおける「ハミ受け」の格好はイングリッシュ馬術のそれとはまったく異なります。同じ動物で同じ内容の筈の動作が違う格好って、おかしいでしょ。

 不安を感じている馬は、なるべく頭を高い位置に挙げて、周囲の状況を伺おうとします。草食獣なら当たり前の行動。これを無理にハミでやめさせて、不安が解消します?人間に置き換えればすぐ分かりますよね。ホントにバカバカしい。

 西洋馬術の馬場なら、(人が鑑賞するに)優雅(っぽく見えるよう)に首をひん曲げてそのまま頭の位置を変えずに(それが頭頚がどーのこーの、という正体)あれこれ歩様を変える芸をやる、というのを「ハミ受けさせてる」と、日本では言っている、だけの話で、そんなの、乗馬には不要です。で、これは、そもそもサラには無理筋。だって、元々首をなるべくうんと前に伸ばして走れ走れ!!とやられてる馬なんですから。それを「ハミ受けさせろ」なんて無茶を指導員が言うから、馬がしんどくて爆発する。で、落馬して大怪我となる、わけ。

 そうそう、「人馬一体」について。車屋の「マツダ」さんが自社の車のテーマにしてるんだそうで。乗馬の指導員よりか余程マトモなことを主張しているように思えます。「安全」を最初に打ち出している辺り。


乗馬の技術について思う事3

2021年01月17日 | 馬とヒトのトレーニング

 乗馬クラブで習うのが「馬術」だったって、例えば、テニススクールに行って、硬式テニスを習うはずが軟式だった、とか、バスケットボールを習おうとしたら、ストリートバスケを教わってしまった、くらいに違う、と感じるんですよ、今となっては。自分は障碍飛越が好きだからいいんですけど、3級を取ろうかどうか、という頃に、あれえ、これって「馬に乗る」のに必要な技術なのかなあ?とかなり疑問に思いましてね。

 「馬に乗る」は引馬の話で、乗馬となると「馬に乗って、自分のやりたい事をお馬さんにやっていただく」技術ってことになる。「自分のやりたい事」とは何かというと、まずは常歩・速歩・駆歩をやらせることができる、あとは方向変換ができる、が一般的に思われてる事。車で言えば、ノロノロ運転からギアを上げて高速道路まで、で、ちゃんとカーブを曲がれて、と。車は操作すりゃ機械がハイハイ、とやってくれます。やらない車はポンコツの故障車ってことです。しかーし、馬は生き物だから。「自分のやりたい事を日本語すら通じない動物に伝えてやっていただく」という、極めてハイレベルなことを試みる、のが乗馬。

 困ったことに、馬術って、「人がやりたい事を動物に伝える」方法がおかしいんですよ。伝える方法が「扶助」とか言われるんですけど、ちっとも「扶助」になってない。つまりは伝わらない、と。伝わらない方法で伝えようとするから、人馬共々大混乱になっちゃう。

 扶助が伝わらない、一番の原因は「動作で伝える」という、最も伝えにくい方法を採用しちゃっているから。駆歩の扶助なんか、当方未だ理解できず。「外方発進」だの「内方発進」だの、訳分らんわ。要は走ってくれりゃいいんでしょうが。例えば左手前駆歩発進扶助の「右の外方脚を引いて、左内方脚で馬の腹を圧迫して」だっけ?この合図で駆歩だ、って伝わるのか?

 教本には、もっともらしく「馬の後肢を刺激して踏み込ませてどうこう」って、なんか車の操作みたいなことが書いてありますけど、そんな事、現実に起こってるのか?起きてないと思います。その証拠に、いくら言われた通りにやっても、駆歩をじゃあってやってくれる馬は(特にクラブホースは)ほぼいない。多分、馬どもは、ああ、なんかみんな駆歩やってるから、駆歩ってことなんだいな~~~、というノリでやってるんです、おそらくは。で、疲れててめんどくさければ、やらない。

 駆歩が出ない、というの、どうやら世界的にそうらしいです。以前、YOUTUBEの英語の馬講座で、「駆歩発進の仕方」をやってる人いましたから。多いリクエストなんだっておっしゃってましたね。なあんだ、結局みんな困ってるんじゃん。


乗馬の技術について思う事2

2021年01月13日 | 馬とヒトのトレーニング

 まずね、「乗馬」と「馬術」は違う、んですよ。そう思います。

  巷の乗馬クラブが教えてているのは「乗馬」じゃありません。おおむね「馬術」なんです。一般的には西洋馬術、つまりオリンピック競技種目にある系の馬術ってことになります。馬場馬術は初級だと40m*20m、3課目より上のクラスで60m*20mの馬場に複数ポイントがあって、そのポイントポイントであれこれ歩様を変えて演技する。つまり、馬場をやりたければ、少なくとも60m*20mの馬場があるクラブじゃないと、上のクラスなんかできっこない(リハーサルができませんから)ということになります。これは採点競技で減点法ですね。
 障碍飛越は、馬と一緒に障害を飛び越えるんですけど、その障害が馬場の中にあれこれ置いてあって、コースを間違えないよう走行・かつ障害を壊さないように走行せよ、一番速くて障害を壊さなかった人馬の勝ち。まあ、採点法には色々ありますが。
 これに野外で野外用の障碍をあれこれ造って飛び越えて、というのをくっつけたのが総合競技というもので、3日間もかかる。馬の消耗は激しいし、大怪我したり死んだりもしかねない所のある競技。この辺がオリンピック種目。まあ、こういう競技を念頭に置いた馬術を教えてる、らしいんですが(実際の「馬術」レベルは置いておいて)。

 これとは別に、主にアメリカ発の実用由来のウエスタン馬術があって、これにも色々な競技があります。駆歩で技を競うもの、障害物をまたいだりバックしたり、という方向の技術を競うもの、競技はあれこれあるけど、この馬術はクオーターホースという種類の馬が向いているとされていて、日本に多いサラブレッドがこういう系統のクラブにいることは、まずない。

 西洋馬術を教えている(とは全く言ってないんですけど)乗馬クラブが多いのは、馬側は競馬落ちサラが割と簡単に安く手に入って馬をそろえやすい事、サラができる競技が西洋馬術系にどうしてもなりがちという事(これは体格的な問題が大きい。背の高い馬はレイニングなんかやったら足を骨折しかねないから)、人側は、高校大学の馬術部がほとんど西洋馬術ばかりやってて、他を知らない事、そこら辺からクラブ指導員の人材を引き込んでる事、あたりが理由かなあと。ウエスタン用の馬は、結局輸入せざるを得ない(内国産馬は雑種になっちゃうことが多いようだ)から、クラブをつくること自体がかなりカネがかかるし、維持存続もなかなか難しいところがあるかもしれない。

 じゃあ、客側はどうか。馬に乗って何したいのか?という事について、乗馬(習い始めの頃は、だーれも「馬術」を習っている、とは考えていません)を習い始めから明快なイメージがある人って、ほぼいないんじゃないかと思う。自分もそうだったですけども。そりゃそうで、まあ今はそうでもないですけど、ついこの間まで、「馬に乗って何をするのか?」についてのまともな情報がほぼほぼ手に入らなかったから。

 あと、どっちの系統のクラブでも、とにかく駆歩辺りまで乗り手が馬をコントロールできないと競技どころではない、ということで、基本をやってください、という目的(だと思うんだけど)で設定されているのが全乗進の級制度ですね。5級なんていうのは簡単に取れます。テストがあるのが3級からで、3級をクリアすれば、まあまあ競技くらいできるでしょ、という話になる、筈なんですが・・・・・・。それ以前で挫折・あるいは落馬して大怪我してやめる、パターンが圧倒的多数なのが客側の実情でしょう。それどころか、10年近く乗ってるのに、未だ駆歩も出せない、という人が多いのだ。馬術を教えるクラブで乗馬もできず終わる、というおかしなことになってしまっている。

 一方、「乗馬」ができないと競技にならないのが「エンデュランス」や「トレック」。これは外乗の競技化したものと考えていいと思うんですが。エンデュランスをやっている人は、なんとなく「馬術ができないもんだから・・・」というような、妙な劣等意識を抱えてる事があるそうです。これも、ヘンな話ではある。