日本ユーラシア協会広島支部のブログ

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呉市阿賀まちづくりセンターで第18回ロシア料理教室

2017-03-20 17:21:41 | グルメ
呉で行われたロシア料理教室に寄せて、呉支部会員の斉藤久仁子さんがご寄稿くださいました。
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目で食べるロシア料理
ー呉支部で第18回ロシア料理教室ー

 日本料理はその美しさから目で食べると言われる。今回、まさに目で食べるロシア料理を教わった。美しさもさることながら、その形の思いがけなさで。
 三月十二日、呉支部では「瀬戸内海の食材で作るロシア料理」と銘打って十八回めのロシア料理教室を開いた。
 講師のエルビラさんは4回めだから大部分の人はお馴染みだけど、参加者31人のうち三分の一の初参加者や、十五回め以前に来ていた人は、講師が一家三人だったので驚いた顔をしていた。前回まではご主人の一杉さんが通訳だったが、今回はお嬢さんのカリーナさんが通訳した。カリーナさんはお母さんに負けずユーモアたっぷりに、その美しい顔を表情豊かに「烏賊の皮が綺麗にむけなくても豚だって白ばかりでなくぶちだっているのだから気にしない」なんて笑わせる。
 レシピは「烏賊の豚ちゃん」「外套を着たにしん」「パフラバ」の3種。その名からして驚くものばかりだが、ロシアのレストランで出るものなのだそうだ。私たちはコックさん並みの料理を習ったのだから、難易度はかなり高いものであったが、皆おもしろがって作るものだから、アンケートによると、一番難しい「烏賊の豚ちゃん」でも「難しい」は半数、他のレシピは皆さん「普通程度」と答えていた。味はどれも「とてもおいしい」が大多数。
 さて「目で食べる」であるが、「外套を着たにしん」(私たちはにしんでなく鰯の酢漬けを使った)は、魚の上に玉葱・人参・じゃがいも・ビーツ・卵の白身と黄身などさまざまのものを何層にも重ねるサラダだから、その色の変化が美しい。
 「烏賊の豚ちゃん」はまあ烏賊飯だが、入れる物がチーズやマヨネーズなどちょっと変わっている。が、大きく変わっているのはその形である。烏賊のえら部分を切って三角にし、耳に使う。先の尖った部分を切って、中身を詰めて爪楊枝で止める時、先を出して豚の尻尾とする。包丁でちょんちょんと傷をつけて三角の耳を差し込み、粒胡椒を目として差し込むのであるが、これがすぐにはずれて止まらない。「じゃ私が」と次々人が代わって止まったじゃ止まらなかったと賑やかにやるものだから、難易度が「普通」と下がり、そして感想は「楽しかった」になったのである。豚に見立てた烏賊版、これは「目で食べる料理だ。
 「パフラバ」は生地を巻いて切れ目をつけた間に干し葡萄や胡桃をのせて焼くのだが、ぐるっと巻いた形にするので海老に見える。
 私たちの班に初参加の男性がいた。彼は私たちに烏賊の皮の剥き方を教えてくれ、生地を延ばす手付きも並じゃない。主婦歴うん十年の我々もその比ではない。「プロですか」と聞くと、板前さんだそうだ。「日本料理しかやってませんが」ということだが、プロの料理人が参加する我々のロシア料理教室であった。
 もう一つ、昼食時に二種類のパンが配られた。香ばしさも味も普通じゃない。聞くと、会員の村田さんが彼自家製の炭火オーブンで焼いたもので、普通のイースト菌ではなく、彼が育てた酵母菌を使ったものだそうだ。仲間うちの味である。
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