CD番号 デッカ 470 056-2(2枚組)
収録年 1992年
評価(A+、A-、B+、B-、Cの5段階評価)
総 合 B+ 深夜ボリュームを絞ってひっそりと聴く魔笛
指揮者 B+ アルノルト エストマン(1939~ )
管弦楽団 B+ ドロットニングホルム宮廷歌劇場管弦楽団
合唱団 B+ 同 上合唱団
ザラストロ B+ クリスティン・ジグムンドソン
夜の女王 B+ スミ・ジョー
タミーノ B+ カート・ストレイト
パミーナ A+ バーバラ・ボニー
パパゲーノ B+ ギレス・カッチャメイレ
音 質 A+
”聴きどころ”
第二幕パミーナのアリア「愛の喜びは露と消え」
☆パミーナ役のボニーが孤軍奮闘!
この盤はストックホルムで録音されたもので、古楽器による実にこじんまりとしたオーケストラである。当然雄大なスケール感を望むと裏切られる。
歌手陣には総じてやや不満が残る。とにかく線が細いのである。
ザラストロ役(バス)はもっと声量が欲しい。夜の女王も、はっきり言って声量不足。このオペラの華には到底なれない。タミーノ役もこれまたやや線が細くて神経質な感じを受ける。
パミーナ役はあの♯14のアーノンクール盤のバーバラ・ボニーで、これは実にキレイなソプラノでここでもしっかりとした実力を見せてくれた。
パパゲーノはアリア、重唱ともに無難にという印象だが、やや元気が欲しい。
とにかく実に清楚で可憐な魔笛の印象を受けた。聞き流す分にはこれはこれで悪くはないのだが、自分にはベーム盤やデービス盤のあの重量級のイメージが耳に焼き付いているので、いい悪いは別にしてどうしても馴染みがたい。
この盤はどうも、深夜ボリュームを絞ってひっそりと聴くときにピッタリの魔笛という気がする。