「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ訪問記~2017・3.29~

2017年04月01日 | オーディオ談義

先月(3月)中旬に初めて我が家に試聴にお見えになったKさんとMさん(大分市内在住)。

ブログにも掲載していたとおり、お二人とも年期の入った真空管アンプビルダーさんだったが、辞去の際に「今度は是非、お宅のシステムを拝聴させてください。」とお願いしていたのだが、ようやく待望のその日がやってきた。

せっかくの機会なのでオーディオ仲間のYさん(別府市)ともどもKさん宅へお伺いすることにした。

丁度、大分市と別府市の境界線近くにお住まいで、クルマで25分ほどの地点で落ち合ってご自宅まで案内してもらった。

Kさんは50年以上にもなるアンプ製作のベテランでオークションでの評価も700件以上だからたいへんなものだが、ご自宅のすぐそばに独立した「真空管アンプ製作の専用ルーム」を作られていた。まったく贅沢の極み~(笑)。

さっそくシステムを聴かせていただいたが、二つあって一つはアルテックの「A7」、もう一つは三菱のスピーカーでずっと昔、NHKがモニタースピーカーとして使っていた型番だった。

駆動するアンプはプリ、パワーともいずれも自作だが、パワーアンプは2台あって、セトロンの300Bシングルと大型真空管「845シングル」。

「百聞は一見に如かず」で、画像の方が分かりやすい。

      

これまで他家の音を聴かせていただいて、最初からフィーリングが合うことは滅多にないのだが、この音は別格で周波数レンジは広いし、情報量がとても豊かだし、ケチのつけようがない音とはこのような音を言うのだろう。

初めに「300B」アンプ、次に「845」アンプを聴かせていただいた。

大出力アンプになると、どうしても大味というイメージがあって「真空管アンプはお金とパワーをかければかけるほど音が悪くなる」という法則があり(笑)、その伝で「845」にはあまり期待していなかったがどうして、どうして・・。

中低音域の厚みと重厚感は小出力アンプにはとても望めないもので「845」を大いに見直した。しかし、製作時には1000V近くのとても大きなプレート電圧がかかるので、巷の噂では感電死覚悟だそうで細心の注意を要するようだ。

「このアンプは出力トランスに何を使っているんですか?」

「はい、調所電器(山形県)製作のトランス(リスト)です。先代の社長さんの時代のもので300Bアンプにも使っていますよ。今やプレミアムが付くほどの稀少品です。」

「エッ、我が家のPX25アンプも調所電器の先代の社長さんが作ったリストのトランスですよ!道理で何だか聴き慣れた音だと思いましたよ。」


音楽ソースはCDとレコードと両方聴かれているが、どちらかといえばレコードがメインでNHK仕様のデンオンの大型レコードプレイヤーシステム(右側)には度胆を抜かれた。

こんなプレイヤーなら自分も鳴らしてみたい(笑)。

同行したYさんもとても気に入られたご様子で、真空管アンプを自作されるとあって、細かい技術的な話に大いに話が弾んだ。

Kさんはアンプ系とあれば何から何まで修繕されるそうで、あのゲルマニウム・トランジスターを使った往年の名器JBLの「SA600」パワーアンプの修繕が済んだばかりとのことだった。

2時間ほどたっぷり堪能させていただいて「今後ともよろしくお願いします。」と辞去したが、帰りの車中でYさんがポツリと洩らされたのが「今日はいい日でした。」

どうやら、身近にアンプづくりのノウハウの相談相手ができて良かったらしい(笑)。

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