先週は職場のイベントやあれやこれやで多忙を極めた。私的な時間が全く取れなかったわけではないのだが、ブログを書く気力が残っていなかった。そんな状態だったが、三連休はかねてからの計画によって、関西方面で遊んできた。今回の最大の目的は、開創千三百年記念・竹生島宝厳寺観音堂本尊秘仏御開扉(2024年10月12日~10月21日)である。実は、5月には辯才天堂の本尊秘仏大弁才天の御開扉(2024年5月18日~27日)があったのだが、行き逃してしまった。今月は観音堂本尊・千手観世音菩薩の御開扉である。私は2009年に西国三十三所の特別御開扉があったときに拝観しており、好きな観音さまなのでお会いしたかったのだ。
1週間前くらいに計画を固めて、長浜から観光船に乗ろうと思ったら、希望の便が全て埋まっていて慌てた。彦根発のオーミマリンは幸い余裕があったので、12:00発の便を予約した。連休初日、東京から名古屋、米原で乗り継いで10:00頃に彦根駅着。時間に余裕があったので、彦根城博物館にちょっと立ち寄ってみる。
■彦根城博物館 テーマ展『金のきらめき-輝きの日本美術-』(2024年10月2日~11月4日)
仏画や金地屏風など、多様な作品が展示されていたが、印象に残ったのは能装束。白地に金糸で文様を縫い取ったものや、装束全体に金糸を織り込んだものなど豪華絢爛。それから井伊家の大旗(馬印)も赤地に金の「井」の字が映える。彦根は好きな町なので、もっとゆっくりしたいなあと思いながら、この日はこれだけ、
再び彦根駅に戻って、11:30発の無料シャトルバスで彦根港へ。待っていたのは赤備え船「直政」!これは井伊家推しとしてはテンションが上がる。ホームページによれば、2017年の大河ドラマ『おんな城主直虎』の縁で改装されたらしい(写真は竹生島港にて)。広々した湖面には青空と雲の林が映って、夢のように美しかった。
■厳金山宝厳寺(滋賀県長浜市)
竹生島に到着。確か、港から宝厳寺の本堂まで長い石段を登るんだよなあ…という記憶はあったものの、こんなにしんどいとは覚えていなかった。最後は手すりにすがりつくようにして登った。あとで案内チラシを見たら165段あるとのこと。
階段を登り切ると本堂(弁才天堂)の横に納経所がある。以前、ものすごく並んだ記憶があるのだが、今回はそれほど混雑していなかった。観音堂開扉を目指して来たので「大辯才天」と「千手観音(大悲殿)」のご朱印をいただく。しかし、実は観音堂ではこの期間だけの限定御朱印も頒布しているのでよく考えたほうがよいかもしれない。
さらに短い石段を登って、三重塔と宝物館を拝観。次は石段を下って、華やかな唐門の前に出る。この奥が観音堂である。
「唐門」「観音堂」「舟廊下」は、2013~2019年度に檜皮屋根の全面葺き替え・彩色塗り直しなどの修理保存事業が行われたそうで、目に鮮やかで美しかった。「長浜市シルバー人材センター」の蛍光色のジャンパーを着たおじいちゃんが自慢げに話してくれた。
秘仏観音は、外陣から遠目に拝することもできるが、特別拝観料1,000円を払うと内陣に入れてもらえる。等身大の大きな観音様だが、お厨子の扉が上半分しか開かない(?)ので、腰から下は見ることができない(観音の身の丈はお厨子の扉よりも大きい。つまりお厨子は像が安置された後、その周りを取り囲むように築造されたと考えられている)。それでも前回(2009年)は、上半身はよく見えた記憶があるのだが、今回はお厨子の内部に錦の幔幕が垂れており、残念ながらお姿が見づらかった。厚みのある体躯、みなぎる力強さは、六波羅蜜寺のご本尊を思わせ(前回も同じことを書いている)私の好きなタイプの観音像である。
解説のお坊さんが「岩の上にお立ちになっていると言われています」と言っていたのも気になった。竹生島、深い湖底から立ち上がる独立峰のような地形も独特だし、いろいろ面白い。
舟廊下を渡って、竹生島神社(都久夫須麻神社)にも参拝した。名物のかわらけ投げは若者や外国人旅行客で賑わっていた。
次の秘仏ご開帳予定は2037年とのこと。13年後か。シルバー人材センターのみなさんは「ぜひまたいらしてくださいね、我々は無理だけど」と笑っていらしたけれど、いやー次回も本堂までの石段を登れるくらいの健康と筋力を保っていられるかな、私…。