○「ぬるい生活7:飲む、吸う、塗る」群ようこ 朝日新聞社「一冊の本」2004.6号
群さんは「本と雑誌」の書き手だった頃によく読んでいた。頭の回転の早い女子学生が、気の置けない友だちに「おもしろい、おもしろい」と言われて書いているような文章が好きだった。
このエッセイは、更年期障害に悩む友人と、「日常生活に支障があるような更年期の症状はまだ出ていない」が「いつ出るかいつ出るか、と戦々恐々としている」自分の日常を淡々と紹介したもの。「本の雑誌」時代の初々しい文章を思い出すと、感慨深いものがある。
確か群さんは私と同い年だったと思う。イラストを寄せているまついなつきが「☆プレ更年期☆がんばってます43歳も!!」と書いているのは著者の群さんのつもりか、それともまついさん自身なのか? いずれにしても、みんな、おばさんになったものだ。嗚呼。
私自身は、まだ「プレ更年期」の自覚は弱い。髪は薄くなった気がするが、体質なのか、白髪はない。1年ほど前、立て続けに2、3本、長い白髪を見つけたときは「来たか」という感じでちょっとドキドキした。私は中学生の頃から「白髪になったら髪を派手に染めよう!」と楽しみにしていたのだ。でも結局、白髪はそれきりだった。
数年前から冬の乾燥肌に悩むようになった。体温調節がうまくいかないというのも思い当たらないでもない。
関節や筋肉も弱くなった。最近、ときどき、右足の土踏まずが痛むことに気づいた。足が痛い→もしや痛風というものか?と思って調べたら、ぜんぜん違っていた(親指の付け根が痛むらしい。患者の99%は男性)。
結局、痛みの原因は定かでない。最近の靴が合わなかったのかも知れない。考えてみると、2、3ヶ月前は、立ち上がるとき、右の膝の関節が痛むことがあった。いまはその痛みがないことを思うと、膝の痛みが足首から下に下りたのだろうか? それなら、そのうち、すっかり抜けてしまうかもしれない。
私はだいたい頑丈な生まれつきなので、多少の不調はあまり気にならない。群さんや多くの同年代女性のように、サプリメントや健康法にたよることもないではないが、基本的には、身体が本来的に持っているはずの回復機構を信頼している。何か不調や不都合が生じても、静かな時間さえ与えれば、必ず身体は自分で自分を治してくれると思っているのだ。
身体の健康はある程度、回復できても、若さ→老いは不可逆的だ。若いとき、美人だった女性にとって、肌荒れとかむくみとか、更年期およびプレ更年期の症状はつらいだろうなあと同情する。私自身は”きれいなおねえさん”だった記憶がない分、老けていく自分に対して比較的寛容である。20代の頃は、私とは人種が違うんじゃないかと思うぐらいきれいでスタイルのよかった友人が、見るかげもなく変貌したさまを見ると、な~んだ、差がなくなってきたじゃん...と思うのは、私のひそかな喜びだったりする。
そんなわけで、今のところ、イライラや鬱状態にもあまり縁がないが、本格的な更年期は40代後半からだと言う。これから、いよいよ未知の世界に足を踏み入れるわけだ。どうなることか。
群さんは「本と雑誌」の書き手だった頃によく読んでいた。頭の回転の早い女子学生が、気の置けない友だちに「おもしろい、おもしろい」と言われて書いているような文章が好きだった。
このエッセイは、更年期障害に悩む友人と、「日常生活に支障があるような更年期の症状はまだ出ていない」が「いつ出るかいつ出るか、と戦々恐々としている」自分の日常を淡々と紹介したもの。「本の雑誌」時代の初々しい文章を思い出すと、感慨深いものがある。
確か群さんは私と同い年だったと思う。イラストを寄せているまついなつきが「☆プレ更年期☆がんばってます43歳も!!」と書いているのは著者の群さんのつもりか、それともまついさん自身なのか? いずれにしても、みんな、おばさんになったものだ。嗚呼。
私自身は、まだ「プレ更年期」の自覚は弱い。髪は薄くなった気がするが、体質なのか、白髪はない。1年ほど前、立て続けに2、3本、長い白髪を見つけたときは「来たか」という感じでちょっとドキドキした。私は中学生の頃から「白髪になったら髪を派手に染めよう!」と楽しみにしていたのだ。でも結局、白髪はそれきりだった。
数年前から冬の乾燥肌に悩むようになった。体温調節がうまくいかないというのも思い当たらないでもない。
関節や筋肉も弱くなった。最近、ときどき、右足の土踏まずが痛むことに気づいた。足が痛い→もしや痛風というものか?と思って調べたら、ぜんぜん違っていた(親指の付け根が痛むらしい。患者の99%は男性)。
結局、痛みの原因は定かでない。最近の靴が合わなかったのかも知れない。考えてみると、2、3ヶ月前は、立ち上がるとき、右の膝の関節が痛むことがあった。いまはその痛みがないことを思うと、膝の痛みが足首から下に下りたのだろうか? それなら、そのうち、すっかり抜けてしまうかもしれない。
私はだいたい頑丈な生まれつきなので、多少の不調はあまり気にならない。群さんや多くの同年代女性のように、サプリメントや健康法にたよることもないではないが、基本的には、身体が本来的に持っているはずの回復機構を信頼している。何か不調や不都合が生じても、静かな時間さえ与えれば、必ず身体は自分で自分を治してくれると思っているのだ。
身体の健康はある程度、回復できても、若さ→老いは不可逆的だ。若いとき、美人だった女性にとって、肌荒れとかむくみとか、更年期およびプレ更年期の症状はつらいだろうなあと同情する。私自身は”きれいなおねえさん”だった記憶がない分、老けていく自分に対して比較的寛容である。20代の頃は、私とは人種が違うんじゃないかと思うぐらいきれいでスタイルのよかった友人が、見るかげもなく変貌したさまを見ると、な~んだ、差がなくなってきたじゃん...と思うのは、私のひそかな喜びだったりする。
そんなわけで、今のところ、イライラや鬱状態にもあまり縁がないが、本格的な更年期は40代後半からだと言う。これから、いよいよ未知の世界に足を踏み入れるわけだ。どうなることか。