見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

300円の至福/鎌倉国宝館

2004-06-20 21:45:44 | 行ったもの(美術館・見仏)
○鎌倉国宝館「常設展」

http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/lives/map/kokuho.htm

 この週末は持ち越した仕事で手一杯だったのに、日曜の午後からまた鎌倉に出かけてしまった。特にお目当てがあるわけではない。春の特別展が終わって、常設展に戻った鎌倉国宝館を覗いてきた。

 逗子に住んでいたときは、買い物帰りや散歩のついでに、月に一度くらいのペースで通っていたと思う。常設展の間は、人も少ないし、料金も特別展の半額(300円)だから、コーヒー1杯のつもりで気安く入れる。

 今日も彫刻はほとんどがおなじみの品だった。ここに通い始めた頃は、円応寺の初江王坐像とその従者像に魅了されていたが、最近は寿福寺の地蔵菩薩が好きだ。今日気が付いたのだが、衣の裾から覗くふっくらした素足が色っぽい。地蔵菩薩って、美男子の一典型(であるべき)と考えられていたんだなあ、と思う。

 辻の薬師堂にあったという十二神将立像は、誇張されたポーズと言い、黒光りする体躯に目立つ玉眼と言い、劇画やフィギュアのカッコよさに通じるものがある。最近、展示体数が増えたようでうれしい。今日は西洋人の男性が、熱心にスケッチをしていた。

 常設展と言っても、書画や手工芸品のコーナーは、けっこう展示品が入れ替わるので楽しみである。神武寺の大威明王像(画幅)はあまり見た記憶のないもので興味深かった。この大威は、蔵王権現みたいに片足をあげて牛の背中に立ち上がっている。すごい。

 それから、光触寺の阿弥陀三尊像(画幅)も出ていた。あと、小品の仏像がガラスケースの中に並んでいた。うれしかったのは、円覚寺の阿弥陀三尊像(いわゆる善光寺式の)。宝物風入れのときでないと、なかなか見られないもの。

 いちばん最後に「巨福呂坂町内会所蔵」の歓喜天立像が出ていた。昨年か一昨年、初めて見たときはびっくりしたが、相変わらず何の説明書きも付けてもらえないのは、なんだか邪慳に扱われているようで、ちょっとかわいそうである。
コメント
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